仮想通貨推進に本腰
米国のドナルド・トランプ次期大統領は23日、暗号資産(仮想通貨)分野の発展を目的とした大統領諮問委員会の事務局長に、元フットボール選手のボー・ハインズ氏を指名すると発表した。また、ペイパル共同創業者であり、AIおよび仮想通貨政策の責任者として指名されたデビッド・サックス氏が諮問委員会の議長を務めることも明らかにした。
ハインズ氏はサックス氏と協力し、仮想通貨産業のイノベーションと成長を促進するとともに、業界リーダーが成功に必要なリソースを確保できる環境を整える役割を担うとされている。トランプ氏はこの発表に際し、「この業界が繁栄し、国家の技術革新の基盤となる環境を創り出すことを目指す」と述べた。
ハインズ氏は、2022年にノースカロライナ州の議会議員選挙に出馬した経験を持つが落選。その後、2023年12月に再び出馬を表明し、同月にはトランプ氏を支持する姿勢を公言。トランプ氏は今年7月のBitcoin 2024カンファレンスで米国仮想通貨諮問委員会の設立を予告しており、その構想が具体化してきた形だ。
トランプ氏は当時、この諮問委員会が仮想通貨規制のガイドラインを就任後100日以内に策定することを目標にしていると話した。
さらに、先週トランプ氏はCrypto.comのCEOであるクリス・マルザレック氏と会談し、ビットコインの準備金や仮想通貨関連の人事について議論を行ったことも確認されている。このような動きは、トランプ氏の仮想通貨分野における関与が単なる言葉だけでなく、具体的な行動に移されていることを示している。
一方で、トランプ氏が22日にスティーブン・ミラン氏を経済諮問委員会(CEA)の委員長に指名したことも注目を集めている。ミラン氏は仮想通貨を含む経済分野のイノベーションと規制緩和が重要であるとの考えを示しており、経済成長を促進する政策提言を主導する役割を果たすとされている。なお、これらの人事は上院の承認を最終的に必要とする。
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