
下院承認が必要に
米上院銀行・住宅・都市問題委員会は13日、第119議会初の法案審議で「米国ステーブルコインの国家的イノベーションの指導と確立法案」(GENIUS法案)を可決した。同法案は決済型ステーブルコインに明確な規制枠組みを確立する超党派法案で、ティム・スコット委員長は「消費者と国家安全保障を保護し、業界が米国内で成長・革新できることを確保するための超党派の飛躍的前進」と強調した。
同委員会では、スコット委員長が提出した「金融健全性・規制管理法案」(FIRM法案)も可決された。この法案は規制対象金融機関の安全性と健全性を判断する指標から「評判リスク」への言及をすべて排除するもので、いわゆる「デバンキング」(仮想通貨業界の銀行取引排除)の慣行を終わらせるための第一歩とされている。複数の利害関係者から幅広い支持を受けていると伝えられるが、民主党議員からの賛成票は得られていない。
スコット委員長は発表冒頭の発言で「長年にわたりこの委員会では実質的な法案審議が行われてこなかった。今日のGENIUS法案とFIRM法案の歴史的な審議は、我々が約束を果たしていることの証だ」と語った。特にデジタル資産コミュニティと米国消費者は明確性を求めており、「規制枠組みの不在が長すぎたため、消費者が脆弱な状態に置かれ、企業は暗闇の中に取り残されてきた。この不確実性が米国内でのイノベーションを阻害してきたが、今日それが変わる」と力説した。
GENIUS法案はステーブルコインが金融システムにおいて安全で信頼できるツールであることを確保するための超党派の一歩前進とされる。同法案は、ステーブルコイン発行者に1対1の準備金維持、マネーロンダリング防止法の遵守を義務付け、最終的には米国の消費者を保護しながら世界経済における米ドルの強さを促進する「常識的なルール」を確立することを目指している。
一方のFIRM法案については、「規制当局が『評判リスク』を口実に、合法的に運営する企業や個人を銀行システムから排除する能力をなくすものだ」と説明。「いかなる連邦機関も、顧客の政治的立場、事業、または業界を不承認するという理由だけで金融サービス業界へのアクセスを遮断する権限を持つべきではない。それは単に非米国的だ。この法案は、銀行が政治的選好ではなく財務リスクに基づいて決定を下すことを保証する」と述べた。
一方、下院では金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長(共和党)が2月に「STABLE法案」を発表しており、民主党議員の大半と共和党議員全員が支持を示したとされる。業界推進団体である米ブロックチェーン協会のロン・ハモンド氏は「今後2~3か月以内に両院の法案を統合した『STABLE GENIUS法案』の投票準備が整う」と予測している。スコット委員長も「これらの法案を上院本会議に進め、最終的にはトランプ大統領の机上に届けるために同僚と協力することを楽しみにしている」と述べた。
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