
3銘柄のRWAトークン、Sparkに上場へ
Sky(旧称:MakerDAO)の提供するレンディングプロトコルSparkは19日、現実資産(RWA)トークン化分野のコンテスト「Spark Tokenization Grand Prix」の優勝者を発表した。
39の応募者の中から選ばれたのは、ブラックロック・セキュリタイズ、スーパーステート、Centrifuge(セントリフュージ)である。この3者は、Skyから合計10億ドル(約1,500億円)を配分される見込みだ。
いずれも米国債トークン化ファンドであり、ブラックロックが運用しセキュリタイズが発行する「BUIDL」に5億ドル(約750億円)、スーパーステートの「USTB」に3億ドル(約450億円)、セントリフュージの「JTRSY」に2億ドル(約300億円)が割り当てられる。
Sparkは、こうしたRWA資産を上場することで、資産を多様化し、安定した流動性の高い金融商品としてのSparkの地位を強化することを目指す。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。RWAのトークン化の可能性は、資産運用最大手ブラックロックらも注目している。
ステーブルコインで資金提供
現在、DeFi(分散型金融)市場でステーブルコインの流動性を供給・運用するSparkの「流動性レイヤー」はUSDC、USDS、sUSDS、USDe、sUSDeなどのステーブルコインを保有しているところだ。
Skyはこうしたステーブルコインの形で優勝者に資金提供し、「BUIDL」、「USTB」、「JTRSY」をSkyのプラットフォームに上場させる。
資金割り当ての最終的な承認は、4月3日のSkyガバナンス投票で行われる予定だ。
今回のコンテストでは、RWAを専門としてSparkエコシステムでも活動しているSteakhouse Financialが審査を担当した。以下の3つの面から評価を行っている。
- 価格設定: 競争力があり透明性のある価格設定モデル。
- 流動性: シームレスな取引を保証する高い流動性。
- 戦略的考慮事項: Sparkの長期ビジョンや目標との整合性。
オンチェーンRWAは3兆円規模に
rwa.xyzによると、現在オンチェーン上のRWA資産総額は、約190億ドル(約3兆円)に達している。そのうち、約120億ドル(約1.8兆円)がプライベートクレジット、約46億ドル(約6,900億円)が米国債と続く。
Sparkが新たにコンテストで選定した3銘柄を上場させることで、トークン化米国債の量が増えることになる。なお、ブラックロックのBUIDLは、昨年3月に立ち上げられたばかりだが、現在RWA市場で時価総額が最大のファンドとなった。約12億ドル(約1,800億円)に達しているところだ。

出典:rwa.xyz
RWA市場はここ数年で急成長しており、2023年3月時点の時価総額約60億ドルから、2年で3倍以上になった。
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