- ポルシェ:ブロックチェーンを利用し融資を受ける
- 高級自動車メーカーのポルシェは、ヨーロッパとアジアへ販売店の分散型ネットワークを拡大するため、スペインの大手銀行BBVAのブロックチェーン技術を利用したプラットフォームを通して融資を受けたことが明らかとなった。
ポルシェ:ブロックチェーンを利用し融資
ドイツの高級自動車メーカーのポルシェは、スペインの大手銀行であるビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行「BBVA」の分散型台帳技術が用いられたプラットフォームを利用し、融資を受けたことが明らかとなった。
BBVAのプレスリリース によれば、これはヨーロッパとアジアへ販売店の分散型ネットワークを拡大するため、戦略的買収を支援する長期ローンで、融資額は1億5,000万ユーロ(約190億円)となっている。
BBVAの企業投資銀行取締役Frank Hoefnagels氏はこれについて、「世界で初めてブロックチェーン技術(パイロット版)を利用して行われた買収資金融資だ」と発言。
また同氏は将来的予想として、実証実験の段階を経た後に、次のステップとして、ブロックチェーンを用いたユースケースやアプリが多く現れる世の中を描いていると述べた。
ブロックチェーン技術でDIYモデルの構築へ
BBVAは「ブロックチェーン技術は、文書の処理をより安全性や透明性を向上させることを可能にし、トレーサビリティや改ざん困難性をもたらす」と評価し、ブロックチェーン技術を応用することにより、取引を自動化し、運用リスクを最小化させることを期待している。
現在同行は、以上のようなブロックチェーンの特徴を生かし、企業などの顧客を対象とした、DIY(Do it Yourself)金融理財モデルを推し進めている。
また、ポルシェの企業金融支店長のDominik Paschinger氏は、「’分散化‘が2025年へ向けたポルシェ社の戦略の鍵となる」と話した。
さらに同氏は、
目標は、現在取り組んでいる全ての領域のビジネスを前進させること。
ブロックチェーン技術は、かなりのポテンシャルを秘めている。
とも語った。
欧州で広がるブロックチェーン推進の動き
先月には、EUの政策執行機関である欧州委員会(EC)が、多くの主要銀行と提携して、来年度から新しくブロックチェーン発展のための協会「IATBA」を発足することを発表した。
業界のエキスパートなどの協力を得ながら、今後EUがどのようにこの革新的なテクノロジーを駆使していくかを焦点として、今後の発展を促すのが目的である。
この発表はECが開催した「EU各業界をブロックチェーンで統合、リードしていく」と題された会議で行われた。
この協会に参画する金融機関の中には、BBVAも含まれている。
さらに、本日コインポストで報道したように、欧州議会(EP)は「ブロックチェーン:先進的な貿易政策」という決議を採用し、この新技術による、自由貿易と相互承認協定を含むEU貿易の政策に関わる数多くのメリットを取り上げている。
このように欧州(特にEU地域)では、ブロックチェーンを推し進める動きが加速しており、ブロックチェーン技術を応用したユースケースも見られるようになってきている。
この新興技術に対する期待値は、大変に高いと言えるだろう。
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