仮想通貨(暗号資産)で利益が出た場合、確定申告が必要になるケースがあります。しかし、複数の取引所やウォレットをまたいだ取引履歴の管理、DeFiやNFTの損益計算など、仮想通貨の税務処理は複雑で、手作業での対応が難しいのが実情です。
本記事では、そうした煩雑な損益計算を自動化できるツール「クリプタクト(cryptact)」の概要と、登録から使い方までを解説します。
クリプタクト(cryptact)とは?
クリプタクト(cryptact)は、株式会社pafinが提供する仮想通貨(暗号資産)の損益計算サービスです。取引履歴をもとに損益を自動で計算でき、確定申告に必要な損益の確認などに活用できます。
国内外の取引所からダウンロードしたCSVファイルをアップロードしたり、APIで取引所と連携して取引履歴を取得したりすることで、損益を自動で計算できます。また、MetaMaskなどのウォレットアドレスを登録することで、対応するブロックチェーン上の取引履歴にも対応しており、DeFiやNFTの取引についても損益を計算できます。
2026年9月時点で、クリプタクトは20万人以上に利用されており、対応取引所・ブロックチェーンは180以上、33,000種類以上の仮想通貨に対応しています。
機能面でもアップデートが続いており、2026年9月には「おまかせ自動取得(API連携)」の提供を開始しました。一部の取引所ではAPIから取得できる取引履歴に期限があり、期限を過ぎると手動でのファイルダウンロードが必要になります。この機能では、クリプタクトがバックグラウンドで取引履歴の取得・保存を行うため、定期的なログイン・同期の手間を省けるようになりました。(対象はBasic以上の有料プランで、データ保持プランは含まれません)
株式会社pafin(パフィン)について
株式会社pafinは、2018年1月に設立された金融テクノロジー企業です。創業メンバー3人は元ゴールドマン・サックスで、前職ではヘッジファンドと呼ばれる絶対収益型のファンドの運用を担当しており、そのシステム開発を行うエンジニアとともに会社を設立しました。創業メンバー自身が行っていた暗号資産取引の損益計算を簡単にするため、2017年に自用目的で開発した「tax@cryptact」が、現在のクリプタクトの起点となっています。
2026年1月にはコインチェックより資金調達を実施し、同年7月には同業の損益計算サービス「Gtax」を運営する株式会社Gtaxの子会社化を発表しました。2026年10月5日にはGtaxをクリプタクトへ統合し、サービスを一本化する予定です。
クリプタクトの登録方法
クリプタクトへの登録は、以下の2ステップで完了します。メールアドレスがあれば無料で登録できます。
クリプタクトの公式ページはこちらステップ1:アカウントを作成する
公式のユーザー登録ページより新規登録します。ユーザー名とメールアドレス、パスワードを設定し、「利用規約に同意する」にチェックを入れて登録を押します。
ステップ2:メールアドレスを確認する
Cryptactから登録したアドレス宛にメールが届くので、「メールアドレスを確認」を押してログインすることで登録完了となります。なお、2段階認証の設定も可能なため、あわせて設定することをおすすめします。
クリプタクトの使い方
取引履歴のアップロードから損益計算の確認まで、以下の4ステップで完了します。
ステップ1:取引履歴を用意する(取引所からのダウンロード)
損益計算を行うには、取引所ごとの取引履歴データが必要です。Cryptact公式ページでは取引所別のファイルダウンロード方法が案内されています。
例として、bitFlyerの場合は次の手順でダウンロードできます。
未対応の取引所の場合は、カスタムファイルを作成することで対応できます。
ステップ2:取引履歴をアップロードする
クリプタクトの「アップロード」から取引所を選択し、用意した取引履歴ファイルをアップロードします。
ステップ3:未分類取引を確認・解消する
アップロード後に帳簿画面のバツ印に数字が表示されている場合、未分類取引があります。未分類取引は損益計算から除外されるため、正確な計算のために解消が必要です。
未分類取引とは、アップロードされたファイルを集計する過程でクリプタクトが処理できなかった取引のことです。詳しい解消方法は「クリプタクト利用時のトラブルと解決方法」をご覧ください。
ステップ4:損益計算の結果を確認する
画面上部に対象年度の実現損益の金額が表示されます。
クリプタクト利用時のトラブルと解決方法
クリプタクトの利用時に起こりやすいトラブルと、それぞれの解決方法を解説します。
未分類取引が出た場合の対処法
未分類取引とは、アップロードされたファイルを集計する過程でクリプタクトが処理できなかった取引のことです。未分類取引がある状態では正確な損益が計算されないため、必ず解消する必要があります。
取引のバツ印にカーソルを合わせると要因が表示されます。最も多い原因はポジション不足または空売りによる未分類です。これは取得の取引がないにもかかわらず売却の取引をアップロードした場合に発生します。
具体的な例:
- ポジション不足:1BTCしか所有していない状態で2BTCを売却した場合
- 空売り:購入履歴がないにもかかわらず3BTCを売却した場合
解消方法:
- 未分類取引の中で最も古い日付以前に取得した取引履歴を確認し、アップロードする
- 未対応取引所での取引や暗号資産特有の取引はカスタム取引として対応する
その他の未分類取引についてはヘルプページをご覧ください。
カスタム取引ファイルの作成方法
未対応の取引所の履歴や暗号資産特有の取引(商品購入・DeFiなど)はカスタム取引としてアップロードします。カスタム取引を使うことで、クリプタクトで自動対応していない取引も反映させることができます。
作成時によくある誤りは次のとおりです。
- Price欄に取引総額を入力してしまう:Price欄に入力するのは単価です
- 取引所別の損益が出ない:暗号資産は取引所間の送金もできるため、取引所ごとに独立した損益計算はできません。正確な損益を計算するには、関連する取引履歴をすべてアップロードする必要があります
- 送金・入金のアップロード:送金・入金は損益に影響しないためアップロード不要です。ただし送金手数料が発生する場合はアップロードが必要です
- 未対応コインがある:リクエストを送ることができます。それまではダミー略称で対応します
- 価格欠落:法定通貨を介した二段階の取引に分けて記載します
例えば暗号資産で商品を購入した場合は、ActionをPAYとしてカスタム取引をアップロードします。取引はこまめにアップロードしておくことをおすすめします。
カスタム取引の詳細はヘルプページをご覧ください。
その他のトラブル
- ログインできない:対応ブラウザはChrome・Firefox・Safariです。Internet Explorerには対応していません
- ファイルの種類が違う・ファイル破損:ダウンロード後にファイルを開いたり編集したりすると破損し、アップロードできなくなる場合があります
- 日時を日本時間に合わせる:海外取引所の取引履歴はUTC表記の場合があります。アップロード画面でタイムゾーンを確認・選択してからアップロードしてください
よくある質問
クリプタクトは無料で使えますか?
個人利用は無料で、メールアドレスのみで登録できます。一部の機能(おまかせ自動取得など)はBasic以上の有料プランが必要です。
どのような取引・サービスに対応していますか?
国内外の取引所・ブロックチェーン180以上、33,000種類以上の仮想通貨に対応しています。MetaMaskなどのウォレットアドレスからの取引履歴取得や、DeFi・NFTの損益計算にも対応しています。
Gtaxを利用していた場合、データはどうなりますか?
2026年9月27日までは引き続きGtaxを利用できます。2026年10月5日よりクリプタクトへ移行予定で、アカウント・データ・プランはそのまま引き継がれます。なお、Gtaxの新規アカウント登録は2026年7月1日より停止しています。
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