- JPYCが千房2店舗で7日から決済対応開始
- AI時代に円建て普及遅れれば通貨主権喪失の恐れも
円建てステーブルコイン決済開始
デジタルウォレット開発のハッシュポートは7日から、お好み焼き専門店・千房の千日前本店(大阪)と有楽町ビックカメラ支店(東京)の2店舗で、円建てステーブルコイン「JPYC」による決済を開始すると、JPYC株式会社が6日付の公式発表で明らかにした。
利用方法はレジ横に設置されたQRコードを読み取り、ハッシュポートウォレットに保有するJPYCで飲食代を支払う仕組みで、手数料は無料。
千房はJPYC決済と連動した来店・利用履歴の可視化や顧客データの蓄積によるマーケティング強化を狙っており、実証実験の結果次第で対象店舗の拡大も検討するという。
国内ではステーブルコイン決済の実用化事例が相次いでいる。ネットスターズが展開する「スターペイ」は今年1月の羽田空港に続き、兵庫県姫路市のトレーディングカード専門店でUSDCを使った決済実証実験の第2弾を開始した。ソラナ・ネットワークを決済基盤に採用し、小売決済に必要な処理速度とユーザー体験を確保している。
関連記事:ネットスターズ、姫路のトレカ店でUSDC決済の実証実験を開始 インバウンド需要に対応
株式会社ネットスターズは2日、兵庫県姫路市のトレーディングカード専門店でステーブルコイン(USDC)決済の実証実験第2弾を開始。ソラナネットワークを活用し、小規模店舗における次世代決済インフラの有用性を検証。
JPYCは資金移動業者のJPYC株式会社が2025年10月に発行を開始した円建てステーブルコインだ。世界のステーブルコイン市場はドル建てが圧倒的シェアを占めており、円建ての存在感は極めて限定的だ。実際に使える場所が乏しいことが円建てステーブルコイン普及の最大の障壁となっている。
ハッシュポートのCEOである吉田世博氏は7日、自身のXへの投稿で円建てステーブルコインの戦略的意義を明言した。吉田氏は「AIエージェントによる米ドル建てステーブルコイン決済が国内で急速に普及すれば、一部途上国のように経済活動の基軸が自国通貨から米ドルへ移行し、日本はAI時代における通貨主権を失う可能性がある」と警鐘を鳴らした。短期的には米ドルステーブルコインの決済インフラ整備に経済合理性があるとしつつも、ハッシュポートとして今後も円建てステーブルコインを優先する方針を明確にした。
2025年の資金決済法改正でステーブルコイン発行への道が開かれた日本において、AIエージェント経済の本格到来を前に円建てステーブルコインのインフラをいかに早期に整備できるかが、今後の国内普及とデジタル通貨主権の行方を左右する重要な分岐点となるだろう。
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