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スターテイルCEOとSBI VCトレード社長が語るオンチェーン金融の戦略|TEAMZ WEB3/AI SUMMIT 2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

4月7日に東京・八芳園で開催されたTEAMZ SUMMIT 2026のパネルセッション「世界をオンチェーンへ」に、Startaleグループ代表取締役CEO 渡辺創太氏とSBI VCトレード代表取締役社長 近藤智彦氏が登壇した。

セッションでは、両社が共同で進める信託型(3号電子決済手段)の日本円ステーブルコイン「JPYSC」と、オンチェーン金融資産取引に特化したL1チェーン「Strium」の開発戦略が語られた。

  • 渡辺 創太(Group CEO/Startale)
  • 近藤 智彦(代表取締役社長/SBI VCトレード株式会社)
  • 手塚 孝(Startale Japan CEO/株式会社Startale Japan)※モデレーター

オンチェーン市場における円の現状

SBIとStartaleは同イベント前週に資本業務提携を発表しており、渡辺氏はJPY建てステーブルコインを開発する理由として、現在のオンチェーン市場における円の不在を挙げた。「紙からオンラインへ、オンラインからオンチェーンへという流れはすでに既定路線だ」と述べ、通貨のオンチェーン化をその最初の一歩と位置づけた。

「オンチェーン世界の約9割がUSD建てで、それ以外の通貨は適切にオンボーディングできていない。円をオンチェーンに持ち込むことが日本の通貨価値の向上につながる」と語った。

信託型JPYSCで100万円制限を突破

近藤氏は規制面の現状を補足した。現行の資金移動型ステーブルコインには1回あたり100万円(約6,500ドル)の上限があり、それを超える取引は複数回に分けなければならない。

「SBI VCトレードでUSDCを約1年取り扱った結果、この制限が大口決済や機関投資家ニーズの壁になっていると実感した。100万円制限のかからない信託型のJPYSCは必須のプロダクトだ」と語った。

SBI VCトレードは2025年3月に国内初の電子決済手段等取引業ライセンス(ステーブルコイン流通免許)を取得しており、JPYSCの主要な販売パートナーを務める。なお、JPYSCは新生信託銀行が信託型の3号電子決済手段として発行される。

関連:SBIとスターテイル、日本初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」のブランド名称とロゴを発表

SBIホールディングスとStartaleが共同開発する日本初の信託型円建てステーブルコイン。新生信託銀行が3号電子決済手段として発行し、SBI VCトレードが主要販売パートナーを務める。2026年度第1四半期の正式ローンチを目指す。

渡辺氏は機関投資家向けのニーズにも言及した。「アメリカではSECのガイダンス変更でステーブルコインをバランスシートに計上しやすくなりつつある。海外の金融機関が保有する円資産は相当な規模に上るため、JPYSCで塗り替えるニーズはグローバルにある」と述べ、イントラデイ(日中)のスワップ送金の効率化やキャリートレード(低金利の円を調達して高利回り資産で運用する取引手法)への活用を具体例として挙げた。

「決済ももちろん進めていく」と付け加え、資産運用と決済の両輪で展開する方針だ。

スーパーアプリとStriumで基盤を整備

プロダクト戦略について渡辺氏は、ブロックチェーンのUX向上を強調した。

「アカウント抽象化を活用すれば、GmailなどのWeb2のIDでブロックチェーンにログインでき、秘密鍵を管理せずにオンチェーンサービスを使える。既存金融をオンチェーン金融に統合したスーパーアプリ「Startale App」が今後2〜3年で登場する」と述べ、その構築をStartaleとして目指していると語った。

さらに、こうした環境整備が進むことで、JPYSCが日常的な決済や送金に組み込まれると見通した。

株式などのリアルワールドアセット(RWA)トークン化についても渡辺氏は「株式のトークン化はアメリカではすでに国策に近い潮流だ」と述べ、SBIとの共同開発L1チェーン「Strium」はすでにPoC(概念実証)を完了し、数ヶ月以内にテストネット、年内のメインネット稼働を目指していると明かした。

関連:SBIとStartale、あらゆる金融資産のトークン化特化型ブロックチェーン「Strium」を発表

StartaleとSBIホールディングスが共同発表したL1ブロックチェーン。仮想通貨・トークン化株式・RWAを含むあらゆるオンチェーン金融資産取引に特化し、24時間365日稼働するスポット・デリバティブ市場を提供する。現在PoCフェーズが進行中。

「垂直統合」戦略

両氏が共通して強調したのが「垂直統合」戦略だ。渡辺氏はMoneyX 2026での北尾SBIホールディングス会長のセッションに触れ、「垂直統合はSBIグループが掲げるキーワードでもある」と述べた上で、「チェーン・開発者向けツール・ウォレット・ステーブルコイン・取引所を縦に揃えると、どのレイヤーで収益を最大化するかを柔軟に変えられる。単体プレーヤーには真似できない複利的な競争優位になる」と語った。

近藤氏も「SBI VCトレードは暗号資産交換業、ステーブルコイン流通、デリバティブ取引の3ライセンスを1社で保有しており、組み合わせることで1+1を超えるサービスが提供できる」と述べ、垂直統合の重要性に同意した。

TEAMZ SUMMIT 2026

TEAMZ SUMMIT 2026は、Web3とAIをテーマとした国際カンファレンス。4月7〜8日に東京・八芳園で開催され、国内外から1万人規模の参加者を見込む。今回は8回目の開催で、メインステージのほかXRP Tokyo 2026(4月7日)、WayToAGI(4月8日)などの併催イベントも実施される。

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