- 旧Orchardプールへの支払いを新Ironwoodプールへ自動転送するフラグ機構が開発者間で合意
- ZECは脆弱性開示後の安値303ドルから約55%反発、467ドル台で推移
コンセンサスルール変更の具体的な仕組み
ジーキャッシュ(Zcash)の開発者ショーン・ボウ氏は9日、Ironwoodアップグレードのコンセンサスルール変更内容をXで公表した。提案段階だったIronwoodが開発者間で正式に合意され、実装・仕様策定・監査フェーズへ移行する。
変更の核心は、Orchardサーキットへの新たなフラグ追加だ。このフラグは、プール内の他ユーザーへの支払いを無効化しつつ、おつり(チェンジノート)の生成は維持できる設計で、ボウ氏は「プライバシー保護機能として設計した」と説明した。
Ironwoodが有効化されると、旧Orchardプールでこのフラグがオンになり、ウォレット側ではvalueBalanceフィールドを制約することで旧プールへの新規入金を技術的に遮断する。以降、Orchardアドレス宛ての新規支払いは自動的に新しいIronwoodプールへルーティングされる仕組みだ。
関連記事:ジーキャッシュ、流通量検証の新提案「Ironwood」 偽造脆弱性受け
ジーキャッシュ(ZEC)のOrchardプールで発覚した偽造脆弱性を受け、Shielded Labsらが流通量の独自検証を可能にするネットワークアップグレード「Ironwood」を提案。ターンスタイル機構の仕組みと7月末を目標とする実施計画を解説する。
供給量の上限保証とターンスタイル機構
ボウ氏はあわせて、既存のターンスタイル機構を活用することでZECの流通量に上限を設けられると説明した。「誰もが取引できるZECの量は、本来存在すべき量を超えない」とし、今回の設計がコンセンサスレベルで流通量の健全性を担保するものだと述べた。
またIronwoodへの資金移行が進むことで、過去に偽造ZECが発行されていなかった証拠を事後的に示せる可能性もあるとしている。
有効化の時期についてはZODL(ジーキャッシュ・オープン・デベロップメント・ラボ)が7月末を目標と明示している一方、共同創業者のゾーコ・ウィルコックス氏は「スケジュールは不確かな要素が残る」との見解を示した。
開発チームは今後、実装・仕様策定・エコシステムサポートに注力しながら独立した監査と形式検証を並行して進める。
なお、ZECは先週の脆弱性開示直後に630ドル付近から303ドルまで50%超急落した。コンセンサスルール確定の報告を受け、9日時点では467ドル台で推移しており、安値比で約55%の反発となっている(CoinGecko)。

出典:Coingecko
ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏が脆弱性開示後にZECポジションを全額清算したことを公表するなど、市場の信頼回復には実装・監査の進捗が引き続き焦点となる。
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