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アーサー・ヘイズ、AIバブルの崩壊シナリオを分析 HYPEなど4銘柄売却しBTC・ETHは保有継続

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • HYPE・NEAR・WLD・ZECを売却、BTC・ETHは保有継続
  • AIバブル崩壊→信用収縮→BTC急落後に大規模緩和と予測

ポートフォリオを大幅組み替え、エネルギー株を積み増し

仮想通貨ファンドMaelstromを率いるアーサー・ヘイズ氏は8日、自身のSubstackで「Reality Test」と題したレポートを公開し、AI株バブルの崩壊がビットコイン(BTC)を短期的に押し下げるリスクを分析した。同氏はHYPE・NEAR・WLD・ZECをすでに売却済みと明かし、現時点ではBTCとイーサリアム(ETH)のみ保有していると述べた。ZECについては「Orchard Poolのバグを受けた判断」と補足した。

ポートフォリオの組み替えとしては、エネルギー関連銘柄を大きく積み増す一方、AI・半導体関連銘柄を全て売却したと説明した。背景にあるのは、米国・イランの軍事衝突が長期化することで油価が緩やかに上昇し、AI各社のトークン生産コストを圧迫するというシナリオだ。エネルギーコストの上昇がAI企業の利益率を直撃し、設備投資(CAPEX)の継続性への疑念が広まれば、AI関連株は大幅に下落すると分析する。

AIバブルを崩す3つの要因

ヘイズ氏はAIバブルを崩す要因として、油価の高騰、スペースX・Anthropic・OpenAIの3大IPO(新規株式上場)による需給悪化、そしてトランプ大統領による「反AI」姿勢への転換の3点を挙げる。スペースXは売上高の約100倍というバリュエーションでIPOを予定しており、9月にはロックアップ解除により流通株数が最大5倍に膨らむ見通しだ。同時期にAnthropicとOpenAIも兆ドル規模の評価額でのIPOを予告しており、市場の吸収力を試す展開が続くとみる。

また同氏は、11月の米中間選挙に向けてトランプ氏がAI課税やデータセンター建設規制を選挙公約として掲げる可能性を指摘する。「政治は公約を守らなくてよいが、市場は発言を額面通りに受け取って売り込む」と述べ、実際の政策実施前にAI関連株が急落するリスクを警告した。新FRB議長ケビン・ウォーシュ氏の下で利下げが実現しない場合も、リスク資産全体の重しになるとみる。

2026年現在、データセンターはエネルギーコスト上昇や地域負担で政治的争点となっており、特に地方レベルの中間選挙に向けて争点化していると見る向きもある。トランプ政権はデータセンター加速のための許可緩和・支援策を進めつつ、電力会社・住民保護のためAI企業が自前で電力確保するよう促すような対応も取っている。規制強化を積極的に公約化するというより、公衆の不満を意識したバランス策の側面が強い。

BTCが恩恵を受けられなかった背景としてヘイズ氏は、2022年11月から現在までにAI企業が発行した各種債務が約1.5兆ドルに上り、同期間のM2増加額とほぼ一致すると指摘した。「AI(半導体関連銘柄)がドル流動性をほぼ全額吸い上げた結果、ビットコインは上昇機会を逸した」と分析する。

関連記事: 大型IPOでビットコインが下がる理由|資金捻出売りの仕組みと過去事例

IPO前のBTC下落は、ビットコイン自体の価値毀損ではなく「資金移動の都合」による一時的な売り圧力の可能性がある。

急落後の大規模緩和を予想

一方、中・長期的にはAIバブルの崩壊が金融危機を誘発し、各国中央銀行が「大規模印刷(ビッグプリント)」に踏み切ると確信しているとヘイズ氏は述べた。その後の流動性拡大がBTCを押し上げる局面を見込んでおり、デリバティブを使った機動的なショートポジションを取りながら中長期保有を続けるとした。同氏は「夢から覚めて現実が変わっていなければ、単に9月前に利益確定しただけのことだ」と結論づけ、9月以降に相場を改めて評価する意向を示した。

ヘイズ氏の基本スタンスは「AI危機自体はデフレ圧力だが、最終的に中央銀行の対応でビットコインなどのリスク資産が大きく上昇する」というもの。短期的な調整はショートポジションで守りつつ、長期では強気の姿勢を示している。

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