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ビットコイン需給悪化、ストラテジー売却前から進行 回復の兆候は見られず=Wintermute

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 需給悪化はストラテジー売却前から進行、真の売り手は米機関投資家
  • 5月のBTC現物ETF純流出は約24.3億ドルで2026年最大

ストラテジー売却前から需給は悪化していた

仮想通貨取引・マーケットメイク会社のウィンターミュート(Wintermute)は9日、週次市場レポートを公開した。ビットコイン(BTC)は同週に約14%下落して62,000ドルを割り込み、2024年9月以来の安値水準となった。

市場ではストラテジーによるBTC売却が下落の引き金として注目されたが、ウィンターミュートは異なる見方を示した。同社は「32BTCという規模は軽微だが、4年ぶりの売却という事実が既に弱まっていた市場に追い打ちをかけた」としつつ、「ETFの資金フローとOTCデスク(取引所を介さない相対取引)の動向は、売却報道以前から需給の悪化を示していた」と指摘した。買い手は株式市場に向かい、BTCの下落を吸収する主体が不在のまま相場が推移していたという。

実際の売り手はストラテジーではなく米国の機関投資家だとウィンターミュートは分析する。約1か月前にBTCを70,000ドルから83,000ドルへ押し上げた米国勢が、今度は反対方向に動いたとしている。欧州とアジアの投資家は売り買いが均衡しており、今回の売り圧力は米国主導だと述べた。

関連記事:ビットコイン一時反発も失速、ストラテジー買い増しも現物市場は慎重姿勢|仮想NISHI

*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(

ETF月間最大流出とマクロの逆風

ビットコイン現物ETFは5月30日まで10営業日連続で資金流出が続き、ローンチ以来最長の連続流出期間を記録した。累計流出額は約29.7億ドルにのぼり、5月の月間純流出は約24.3億ドルと2026年で最大となった。

マクロ環境も重荷となった。5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が17万2,000人増と市場予想の約8万人を大きく上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)の近期利下げ観測が後退した。

米10年国債利回りは4.55パーセントへ上昇し、ナスダックは週間で4.7パーセント下落した。ウィンターミュートは「好景気が悪材料として働く局面に戻った」と表現した。AI関連株の軟調に加え、スペースX(SpaceX)の新規株式公開(IPO)を前にした資金手当ての売りも重なったとみている。

関連記事:米国ビットコイン現物ETF、6月8日に146億円の純流出 流出続くも複数ファンドで流入分散

米国のビットコイン現物ETFは6月8日、9,137万ドルの純流出を記録した。ブラックロックのIBITが2億3,300万ドルの流出を主導した一方、アーク・インベストメントとフィデリティの各ファンドは流入を確保した。

回復の兆候は見られず、次の試金石はスペースXのIPO

ウィンターミュートは現時点での相場回復を確認できないとした。資金流入再開の兆候がなく、中間選挙に向けてマクロ環境が引き続き困難だとして、慎重な姿勢を維持している。

一方で、年間サポート割れや2026年最大のETF流出月という悲観材料の中で、長期資金が静かにこの水準での買いを入れているとの観測も示した。あくまで同社OTCデスクの観測として伝えており、底打ちの確認には至っていないとしている。

次の焦点として同社が挙げるのは6月12日に予定されるスペースXのIPOだ。「市場のリスク許容度を測るクリーンな指標になる」とし、IPOの消化がスムーズであれば相場にとって好材料、需要が鈍ければ市場全体の重荷になるとの見方を示した。

関連記事:「ビットコインは底打ちの兆候」、ストラテジーのBTC買戻しを予測=スタンダードチャータード分析

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