- シュナーベル専務理事、金利即時調整の可能性に言及
- ECB、来月Pontesプロジェクト始動
中銀マネー構想
欧州中央銀行(ECB)専務理事のイザベル・シュナーベル氏は28日、米ジャクソンホール会議での講演で、中央銀行が発行・管理する資金(中銀マネー)をブロックチェーン上に移行させるべきだとの考えを示した。金融政策の実行方法を刷新する狙いがあるとブルームバーグが報じた。
シュナーベル氏は、オンチェーン化によって資金決済の基盤としての役割を維持しつつ、分散型台帳のプログラマビリティ(一定の条件が満たされると自動的に資金が動く仕組み)を活用できると述べた。これにより金融政策の実行や担保管理、流動性供給の近代化を進められるとし、金融安定にも寄与するとの考えを示した。
スマートコントラクトを使えば、中央銀行が新たな運用制度を新設したり、金利や担保要件、アクセス条件といったパラメーターを即座に調整したりできるため、金融政策の実行がより柔軟になると述べた。
背景には、デジタル決済の拡大や金融機関による技術革新を受け、ECBがデジタル時代の通貨のあり方を巡る議論を強めているという背景がある。欧州では米決済大手への依存や、トランプ米大統領が後押しするドル建てステーブルコインの拡大への懸念も広がっている。
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トークン化構想
こうした構想を支えるプロジェクトとして、ECBは2029年の発行を目指す小口向けデジタルユーロに加え、大口(ホールセール)向けの検討も進めている。来月には分散型台帳技術(DLT)基盤と既存の決済システム「TARGET」を短期的に繋ぐ「Pontes」計画を始動させるほか、長期構想「Appia」の青写真を2028年までにまとめる方針だ。
シュナーベル氏は、PontesとAppiaが欧州における金融システムのトークン化への道を開くと話し、特にユーロ圏で市場効率の改善や欧州金融インフラの分断解消につながるとの見方を示した。
デジタルユーロ実験
デジタルユーロを巡っては、ECBが14日、2027年開始予定の実証実験に参加する決済サービスプロバイダー(PSP)36社をユーロ圏内から選出したと発表した。実験は発行の可能性に向けた準備を支援する目的で、技術面の検証やユーザー体験の改善を目指すとしている。
ECBは2026年3月の募集に50件超の申請があったとし、市場の関心の高さを反映していると説明した。参加企業にはレボリュート銀行や決済大手ストライプ・テクノロジー・ヨーロッパ、ドイツ銀行などが並び、実験は参加企業の準備を経て2027年下半期に開始し、12カ月間実施する予定だ。



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