- 米CFTCの制裁命令に同意
- 予測市場カルシはインサイダー取引防止策を強化
演説原稿を事前入手し取引か
米商品先物取引委員会(CFTC)は28日、予測市場Kalshi(カルシ)でインサイダー取引を行ったガブリエル・ペレス氏に対し、17万2,000ドル(約2,750万円、1ドル=160円で換算)の支払いを命じた。
ペレス氏は、不正に得た利益約10万8,000ドルの返還に加え、6万5,000ドルの民事制裁金を科された格好だ。なお、CFTCへの協力が「模範的」と評価されたことから、民事制裁金については約40%の減額が適用されている。
その他、同氏は今後3年間、CFTCに登録されたあらゆる事業体での取引を禁止される。
ペレス氏は米ドナルド・トランプ大統領のテレプロンプター操作者を長年務めていた人物だ。テレプロンプターとは演説や記者会見で、政治家などが話す原稿を透明なガラスに映し出す装置のことでもある。ペレス氏はオペレーターとして未公表の演説内容を事前に知ることができた。
CFTCの命令状によると、ペレス氏は2025年12月8日にカルシで口座を開設し、2025年12月から2026年2月にかけて取引を行った。演説の約1時間前にトランプ氏の原稿を読み、その内容に基づいてカルシのメンション市場で取引を行っていたとされる。
なおメンション市場とは、公人が演説で使用する特定の単語を予測する市場のことだ。合計14件のトランプ関連メンション市場において43の契約を取引し、39件で利益を上げることに成功、合計で約10万8,000ドル(約1,700万円)の利益を得ていた。
ペレス氏は、CFTCによる事実認定を認めないまま制裁内容に合意した。
CFTCは、トランプ関連メンション市場の契約は、将来のイベントの発生・非発生(大統領が何を話すか)によって決済されるため、法的に「スワップ」に該当すると指摘した。ペレス氏の行為は商品取引所法(CEA)に違反するとしている。
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政府職員の摘発は2件目
CFTCがイベント契約を取引した政府職員をインサイダー取引で摘発したのは今回で2件目となる。
7月にCFTCは、ジョージ・サントス元下院議員が予測市場カルシにおける一般教書演説に関する契約で相場操縦的な取引を行ったと発表。同議員はCFTCに約3万5,000ドル(約560万円)を支払うことに同意した。
これは、2026年2月の一般教書演説出席者についての賭けだった。CFTCによると、サントス氏は一般教書演説の2週間前に自身の出席の有無について公に発言し、それによって当該イベント契約の価格を大幅に変動させたとされる。
予測市場でのインサイダー取引をめぐり米議会や規制当局による監視が強まる中、カルシは対策を強化しているところだ。
市場ごとにインサイダー取引や相場操縦のリスクを数値化し、このスコアが一定水準を超えた市場では、参加者は雇用主などについて情報を提出することが必要となった。インサイダーと推定されるユーザーを取引前に排除する仕組みである。
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