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アービトラム、DAO上半期収入約9.8億円 ロビンフッドチェーンも貢献

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • DAO収入619万ドル、粗利益率97%超に上昇
  • 7月は拡大プログラムがDAO収入の35%占有

2026年上半期の主要実績

アービトラム財団は2日、2026年上半期(1月〜6月)の活動をまとめた「バイアニュアル・プログレス・アップデート」を公表した。イーサリアム(ETH)のレイヤー2ネットワーク「アービトラム(Arbitrum)」の運営財団によるもので、アービトラムワンおよび同技術を用いた各アービトラムチェーンでの活動、財団自身の運営・財務状況をまとめている。

同期間の取引処理件数は4.78億件で、稼働開始からの累計は27億件に達した。生態系全体の経済規模を示す「エコシステムGDP」は半期で2.06億ドル、稼働開始からの累計では17億ドルとなった。ステーブルコインの月間平均送金額は700億ドルを超え、資産運用会社RWA.xyzの集計によると、トークン化された現実資産(RWA)の導入件数は2,000件超で他チェーンを上回り首位に立った。

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DAO収入の多角化と利益率

アービトラムDAOには半期で619万ドル(1ドル=158.72円換算で約9.8億円)の収入が発生した。内訳はアービトラムワンの取引手数料、取引順序に関する仕組み「タイムボースト(Timeboost)」、後述する「アービトラム・エクスパンション・プログラム(AEP)」のライセンス料、財務資産からの運用益の4系統。プロトコル収益全体の粗利益率は97%を超え、2025年通期の90%超から上昇した。

AEPは、アービトラムワンやアービトラムノヴァ以外で決済を行うアービトラムチェーンが、純プロトコル収益の10%をアービトラム生態系に還元する仕組み。7月にはAEPのライセンス料が36万ドルとなり、DAO収入の35%を占めた。同月は米ロビンフッドが手がける「ロビンフッドチェーン(Robinhood Chain)」がメインネットで稼働を始めた最初の月にあたる。

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企業導入の広がりとバーベル戦略

アービトラムは、流動性の高い公開チェーン「アービトラムワン」と、企業向けに個別最適化された専用チェーンを両端に置く「バーベル戦略」を掲げる。両者は同じ技術基盤の上にあり、それぞれの立場から取引手数料やAEPを通じて生態系に貢献する構造だ。

ロビンフッドチェーンは、ロビンフッドが構築しイーサリアムに決済する専用チェーン。2026年2月にパブリックテストネットを開始し、メインネット稼働前の時点で2億件超の取引を処理した。ロビンフッドは2025年6月にアービトラムワン上でトークン化株式・ETFの発行を始めており、今回の独自チェーン稼働はその延長線上にある。

家電大手LGエレクトロニクスはアービトラム上でのオンチェーン広告ネットワークの試験導入を発表し、マスターカードはステーブルコイン決済への対応をアービトラム上の資産に拡大した。ペイパルのステーブルコイン「PYUSD」は第1四半期にアービトラム上での残高が4.75億ドルでピークをつけた。

財団は半期で15件超の資本市場向けイベントに参加し、150社超の機関投資家と接点を持った。独立系の調査レポートによるカバレッジも広がっている。

運用資産110億ドルの仮想通貨プライムブローカレッジ、ファルコンX(FalconX)は機関投資家向けレポートでアービトラムを「ブロックチェーン版AWS」と評し、ロビンフッドチェーンが長期的なプロトコル経済性に与える影響を分析した。運用資産約4億ドルのカナリーキャピタル(Canary Capital)も、ロビンフッドチェーンや採用動向、長期的な投資材料を扱うレポートでカバレッジを開始した。

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ARB供給スケジュールと資本規律

2026年8月17日時点で、ARBの総供給量のうち約92.3億ARB(92.3%)がアンロック済みか、アービトラムDAOの財務資産として保有されている。残る7.7%にあたる約7.7億ARBは当初のベスティングスケジュールに基づく分で、最終分のロックが解除されるのは2027年3月の見込み。

ARB保有者はアービトラムDAOを統治し、資産と収入の使途を決定する。DAOは前述の収入に加え、6月30日時点でARBを除く非ネイティブ資産を1.25億ドル保有しており、生態系拡大やDAO収入拡大の機会を追求する資金的な柔軟性を支えている。

財団自身も保有するARBについては、成果の達成に応じて資金を段階的に拠出する「マイルストーン方式」を軸に配分しており、半期中に前提条件を付けずに前払いされたエコシステム助成金は20万ドル未満にとどまった。

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