- ユーロ円は来年6月までに140円割れと予想
- ETHが1万ドルなど独自の価格目標にも言及
ユーロ円下落とFRBの資金拡大
米ヘッジファンドMaelstromの最高投資責任者(CIO)で、暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所BitMEXの共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏は3日、自身のニュースレター「Crypto Trader Digest」で新エッセイ「Atención」を公開した。
同氏はユーロ・円(EUR・JPY)が現在の185円前後の水準から、来年6月までに140円以下まで下落すると予想し、この通貨動向が米連邦準備制度理事会(FRB)による資金供給拡大の号砲になるとみている。背景には、ベッセント米財務長官が主導するドル安誘導戦略があるという。
関連記事:ヘイズ氏、米財務省の国債買戻し拡大でビットコイン強気相場へと分析
著名投資家アーサー・ヘイズ氏は、米財務省が国債買い戻し拡大の原資として最大1兆ドル規模のTGA活用を検討していると指摘。2023年のイエレン氏によるドル流動性供給時と同様、ビットコイン相場が上昇に転じるとの見方を示した。
アジア主要国のドル資産スワップとFRB
日本銀行(BOJ)は利上げに慎重な姿勢を崩しておらず、政府が円高誘導の手段として、民間・準公的セクターに海外資産の売却と資金の本国還流を促しているとヘイズ氏はみる。もっとも、日本の海外資産の大部分は米国資産であり、米国側がその売却を容認するとは考えにくいと分析した。
代わりにベッセント財務長官が提示しているのが、FRBの「FIMAレポ制度」(各国中央銀行が保有する米国債を担保にドルを借りられる仕組み)を使い、米国債を手放さずにドルへスワップする枠組みだという。
ヘイズ氏は対米協力に消極的な国は相応の代償を払うことになるとの見方を示し、その例として、朝鮮半島情勢を巡り米韓合同軍事演習の規模が縮小されたことに加え、供与予定だったTHAAD迎撃ミサイルが中東へ転用されたと指摘している。ただしこれはヘイズ氏個人の分析であり、米韓両政府の公式見解ではない。
関連記事:日米協調介入への警戒で円急騰、ビットコイン市場に与える二面性とは
日米当局による為替協調介入の観測が高まる中、円が対ドルで急騰し、「円キャリートレードの巻き戻し」につながるとの警戒感を呼び、ビットコインへの売り圧力が高まっている。
仏銀行危機と仮想通貨相場への影響
ヘイズ氏によれば、日本に続いて米国が売却圧力の矛先を向けやすいのが欧州資産だという。フランスは政府支出が国内総生産(GDP)の約6割を占め、財政赤字の穴埋めを外国資本に依存する構図が続く。
ヘイズ氏が示したデータでは、欧州中央銀行(ECB)の資金決済システム「Target2」における仏の対外バランスが2021年以降に純債務国へ転じており、仏国債やBNPパリバなど大手銀行の債券に売りが集まりやすい状況にあるという。
仏大手銀行3行(BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラル)は、米国のレポ市場で全体の約2割のシェアを持つとされる。
ヘイズ氏は、仏銀の資金供給余力が細れば短期金利が跳ね上がりかねず、それを防ぐためFRBが国債買い入れプログラム(RMP)を増額せざるを得なくなると指摘する。「利益を追求する投資家として、ベッセント氏に倣うのが私の務めだ」と同氏は説明している。
FRBは2025年12月からRMPを通じて短期国債(Tビル)の買い入れを開始しており、直近の発行額の約4割を吸収しているという。資金供給ペースは月平均約220億ドルで、ヘイズ氏は米財務省が長期国債の買い戻しを強化すれば月1,000億ドル規模まで拡大しうると試算した。
Maelstromはビットコイン(BTC)を中核とする長期保有方針を維持しつつ、2026年末までの短期目標としてイーサリアム(ETH)1万ドル、ステーブルコイン発行体のEthena(ENA)0.5ドル、リステーキング関連のEther.fi(ETHFI)2ドルを挙げた。同氏はユーロ円の下落速度を、ドル流動性拡大の先行指標として注視するとしている。



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