リップルの新スマートコントラクトCodius立ち上げ|Ethereumの牙城を崩せるか

リップル社元CTOがスマートコントラクトの新プラットフォームを設立
新しいスマートコントラクトプラットフォーム「Codius」は、米Ripple社のオープンソース決済ネットワークプロトコル、Interledgerの生みの親「Stefan Thomas」氏が立ち上げた。ブロックチェーンのためのOS (基本ソフト)として普及を目指す。
スマートコントラクトとは
日本語で「賢い契約」のこと。 主にイーサリアムプラットフォーム上で使用されており、ブロックチェーンの記録だけで、自動契約・債務履行まで行うことができる。

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スマートコントラクト=イーサリアムの図式

大半のケースでこの図式が通用すると言っていいほど、イーサリアムプラットフォーム上でスマートコントラクトを活用した事例が広く知られるようになってきました。スマートコントラクトによる課金処理を実装したゲーム、”Cryptokitties”は、その良い例でしょう。

しかし今現在、多くの関心を集め、活発な開発が行われている仮想通貨/ブロックチェーン空間では、”今日の常識が明日のスタンダードとなる”とは限りません。

6月7日、リップル社の元最高技術責任者(CTO)であり、同社のオープンソースの決済ネットワークプロトコル、Interledgerの生みの親でもあるStefan Thomas氏が、新しいスマートコントラクトプラットフォーム「Codius」の立ち上げを発表しました。

Thomas氏は、Codiusを「ブロックチェーンのためのOS (基本ソフト)」と表現し、次のように説明しています。

Codiusは、スマートコントラクトを構築したり、提供したいと考えている人なら誰でも利用可能な、オープンソースのホストティングプラットフォームだ。

クラウドによって、ウェブホスティングがより利用しやすくなったように、Codiusを使うことで、(ソフトを)ゼロから作り上げる必要がないため、より広い範囲でブロックチェーン上で色々な実験を行うことができるようになる。

Thomas氏は、イーサリアムの考案者であるVitalik Buterin氏と2013年より交流があり、ここまで発展してきたイーサリアムに敬意を払っているとしながらも、「現在のスマートコントラクトは、外部のデータを取り入れるなど、他のシステムと統合するためには複雑すぎて、実用的なアプリケーションを構築するのが難しい。」と、指摘しています。

イーサリアムブロックチェーン上でスマートコントラクトを実装するには、独自のプログラミング言語Solidityを使う必要がある一方、Codiusは、 C++、JavaScript、Java、C#などの広く使われているプログラミング言語が使用可能な仕様となっています。 

Codiusの優位性とは

Thomas氏はCodiusの優位性について、次のように述べています。

アーキテクチャレベルでCodiusは、ビットコインやイーサリアム上のスマートコントラクトとは異なり、ブロックチェーンを基盤としない独立したホスト上で機能するため、APIなど外部のサービスと交信が可能であり、規模の拡張も自在。他のブロックチェーンからの読みこみと、書き込みが可能になる。

つまり、スマートコントラクトの重大な課題であった「相互運用性の問題」が、これで解決することになる。

Thomas氏は、2013年末の時点で、Evan Schwartz氏と共同で考案した、スマートコントラクトの構想があったと述べており、翌2014年にはCodiusのホワイトペーパーを公開しています。 

イーサリアムに遅れをとること4年、独自の構想を持ちながら、スマートコントラクトプラットフォームの立ち上げが遅れた理由として、「当時、スマートコントラクトにどれほど関心が集まるかを過小評価していた」ことと、さらに「アーキテクチャを構築すること自体が、気力を挫かれるほど困難なものと思えたから」だと述べ、「Buterin氏とそのチームの熱意と行動力に脱帽だ」と語りました。

しかしそれ以上に、Thomas氏を躊躇させたのは、契約を運用するのには大きなコストがかかる一方、Codiusのホストに支払うための、「中立的な方法」が見つけられなかったことだとしています。 

その支払いに一つのデジタル資産(=仮想通貨)を選択することは、プラットフォームに対する固定観念を生み、その他全てのコミュニティから締め出されてしまうことを恐れていたと言います。

ただしこの4年間で、その解決法も開発しています。

Thomas氏がリップル社で、共同開発したInterledgerを使用することにより、ホストへの支払いの選択肢が大きく広がったことです。

Interledgerは、異なる台帳間での決済を可能にしたオープンプロトコルで、法定通貨ならびに仮想通貨などのデジタル資産を送ったり、受け取ったりすることが可能なレイヤーです。

出典:公式medium

🔼ETH、BTC、XRPなどの仮想通貨は、それぞれが独立した構造になっており、イーサリアムプラットフォーム上にスマートコントラクトが実装されたとしても、他の通貨には影響がない。

出典:公式medium

🔼インターレジャープロトコル(ILP)によって、さまざまな種類の仮想通貨や、ドルや円などの法定通貨をつなぐことができるように。

満を持しての公開となったCodiusですが、時価総額2位の仮想通貨に成長し、大きなコミュニティに支えられている”巨大な先駆者”イーサリアムとの闘いの幕は、切って落とされたばかりだと言えるでしょう。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

幸田直子naokoKodaCoinPostの海外在住ニュース担当記者

カリフォルニア大学卒。アメリカでインテリアデザイナーとして勤務後、会議通訳、翻訳に従事。イギリス在住中に、世界金融の危うい現状を知り、世界情勢について興味を持ったことが、今日、ブロックチェーンと仮想通貨との関わりに結びつき、その潜在力と可能性に注目している。