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ビットコインETF上場承認後のBTC価格はどう変わる?  米投資会社の資金流入予測

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金と比較した価格への影響

暗号資産(仮想通貨)投資会社ギャラクシー・デジタルは24日の市場分析で、米国でビットコインの現物ETF(上場投資信託)が承認され、株式市場に上場された場合のBTC価格への影響を考察した内容をまとめた。

結論から言うと、23年9月30日の26,920ドル(約400万円)を基準に、1年間でビットコイン価格が74%上昇し得るとの見解を示した。

出典:Galaxy Digital(以下全て同じ)

ギャラクシー・デジタルは、23年9月30日時点の金とビットコインの投資環境を比較し、1ドルの資金流入がビットコイン市場に与える影響が金市場の8.8倍であると評価している。

主に、ビットコインの供給量の4.3%が投資商品に含まれ、金は1.6%しか保有されていないこと、そして金の時価総額がビットコインの約24倍であること等を考慮している。

さらに、金市場とビットコイン市場の違いにより、ドルベースの資金流入額がビットコイン市場に及ぼす影響を月単位で算出。結果として、初月にBTC価格は6.2%上昇し、以降は徐々に上昇率が減少しても、12カ月後には+74%増となるとの見通しを示した。

初年度に144億ドルの流入見込み

ギャラクシー・デジタルの予測は、初年度のビットコインETF市場への資金流入が144億ドル、発売2年目に265億ドル、3年目には396億ドルに達するとの見立てに基づいている。

ギャラクシー・デジタルの研究員、Charles Yu氏は、現行のビットコイン投資製品には、高額な手数料や低い流動性、トラッキングエラーなど、投資家にとっての懸念点が多いと指摘。ビットコイン現物ETFはこれらの課題を解消し、富を預かる機関投資家に新たな投資機会を提供するとした。

米国の資産管理業界が合計で48兆3,000億ドルの資産を管理しているとして、ブローカーディーラーが27兆ドル、銀行が11兆ドル、RIA(登録投資アドバイザー)が9兆ドルに区分。それぞれが段階的に資金をビットコインETFに配分すると想定した。

各チャネルのビットコインへのアクセス可能枠を総資産の10%、平均配分を1%と仮定

関連:1年を切った次回ビットコイン半減期へのカウントダウン、市場動向と専門家の予測は?

現物ビットコインETFの利点

ビットコイン現物ETFは、現物市場で購入したビットコインを信託として設定し、その証券を公開市場に上場するもの。レポートは、従来のビットコイン投資商品と比較した際の、現物ビットコインETFの利点についても触れており、手数料の低さや取引の簡易さ、規制への対応、税務の手続きの簡素化などを挙げている。

    1. 従来の投資商品(GBTC)等に比べて、また競合商品も多いため、手数料が抑えられる可能性が高い。
    2. 証券口座を介して実質的にビットコインを購入・保有できるため、取引手続きが簡素化される。
    3. 規制要件が高い、資産の持ち位置の報告やリスクの評価がしやすくなる。
    4. ロールオーバーコストや契約の満期を心配する必要がなく、長期保有に適している。
    5. 税務申告が簡単になる可能性がある。

関連:「ビットコインは究極の価値の保存手段」投資企業CEOが語る——第5回「Beyond The Price」

副次的な影響

ギャラクシー・デジタルはさらに、他の投資手段や他国のビットコインETF承認も考慮に入れると、これらの予測は保守的であると述べている。長期的には、ビットコイン投資商品への資金流入の潜在需要が最大1,250億ドルから最大4,500億ドルの範囲であると加えた。

Charles Yu氏は、ビットコインの半減期、金利の短期的なピーク、ETFへの資金流入などが組み合わさり、2024年がビットコインにとって重要な年になる可能性があると強調した。

2023年6月に米大手投資会社ブラックロックは、SECに対して「iShares BITCOIN SPOT ETF(iシェアーズ・ビットコイントラスト)」の申請を行った。フィデリティやヴァルキリーといった競合企業も同様の動きを見せている。米国で初の現物ビットコインETF承認に対する期待が高まる中、10月23日にビットコイン価格は16カ月ぶりの高値、35,000ドルを記録していた。

関連:ビットコイン35000ドル水準まで高騰、今年最大規模のショート・ロスカット発生の背景は?

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