はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「仮想通貨の国際送金ルール」FATF規制がもたらす問題点=CipherTrace

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FATF「トラベル・ルール」の問題点

国際的な規制機関であるFATF(金融活動作業部会)が昨年6月に、国際的な送金ルール「トラベル・ルール」を発表し各国で対応が進んでいるが、このルールのもたらす懸念事項についても意見が挙がっている。

ブロックチェーン分析企業CipherTraceのCEO、Dave Jevansが仮想通貨ポッドキャスト番組のインタビューでルールの問題点について語った。

各国・地域で異なるコンプライアンス実施体制

仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に関しては、各国・地域の業界がFATF規格の採用と実装に向けて動いている。ただ、そうしたコンプライアンス実施体勢が地域ごとに非常に異なっていることが問題になると考えている。

例えば、シンガポールや米国がFATF基準を厳格に施行することを決定したとしよう。そのことは、もし例えばフランスが同じような基準を施行していない場合は、フランスに送金することはできないということにもなるのではないだろうか。そのようにして市場に制限が生じ、グローバルな流動性が失われるかもしれない。こうした状況は、業界にとってよいものにはならないだろう。

個人ウォレットを使った取引が増える可能性

「トラベル・ルール」は仮想通貨取引所などのVASPに対して、取引の送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することを求めるものだ。

こうした規定に関してDave Jevansは、ユーザーデータのプライバシーに関する課題が発生し、またユーザーが取引所を介さず、プライベートな仮想通貨ウォレットを使って送金することが増えるのだけではないかと問う。取引所送金を利用することでの手数料の負担についても懸念を示した。

FATFは、VASPから個人ウォレットへの出金については送金者についての情報を明かす必要はないが、ウォレットからの入金を受け取る際には送金者情報を申告することを推奨している。

ただ、ブロックチェーン分析企業Bassetによれば、送金先アドレスが取引所か個人のウォレットかを判別することは難しく、ブロックチェーン解析や、取引所同士の連携を実施して対応することになりそうだという。VASPから個人ウォレットへの出金を停止してしまう方法もあるがユーザー利便性が低下する。

仮に個人ウォレットへの出金停止など厳格な規制が実施されればユーザーが個人ウォレット間の取引に移るインセンティブも高くなる可能性もある。

仮想通貨取引所間でユーザー情報共有か

米大手仮想通貨取引所らは現在、連携して情報共有することを考えているようだ。現在FATFルール遵守に向けた取引所のワーキンググループが動き出しており、P2P形式の電子掲示板のようなのを用いて、取引所間で送受信者の情報を共有する計画をしている。

この際には、個人情報をハッカーに盗まれないようにする仕組みも構築するという。

ワーキンググループには米仮想通貨取引所コインベースと米大手カストディアンBitGoが参加しており、今後はGeminiやクラーケン、Bittrexも加入する予定だ。

グループは来月にもホワイトペーパーで情報を共有の枠組みなどを発表する。

関連:仮想通貨送金の国際ルール、具体的な対策案発表へ 仮想通貨取引所など米企業が連携【FATF】

尚、FATFは今年10月に、仮想通貨のグローバル規制に係る会合を行うことを発表。「トラベル・ルール」の施行促進のために各国VASPの情報交換・相互協力を強化するなど国際的な枠組みの構築を図ることになる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:07
ヤーン・ファイナンスのyETH製品に攻撃、約4億5000万円相当が流出
イールド・ファイナンスのyETH製品が攻撃を受け、約4億5000万円相当のETHが流出。攻撃者は無限ミントの脆弱性を悪用し、約1,000ETHをTornado Cashに送金。V2・V3ボールトは影響を受けず、yETH保有者は安全に引き出し可能に。
09:15
中国人民銀行、仮想通貨取引の厳格取締を改めて要請、ステーブルコインも警戒対象
中国人民銀行が仮想通貨取引の取締強化を改めて各当局に要請した。仮想通貨関連活動の再活発化が背景にあるとみられ、ステーブルコインも警戒対象としている。
09:03
コインシェアーズ、XRP・ソラナ・ライトコインのETF申請を取り下げ
欧州大手のコインシェアーズが、XRP・ソラナ・ライトコインのETF申請を取り下げた。米国市場での大手運用会社への集中により、差別化や利益率確保が困難になるとの懸念を示し、ナスダック上場を控え、仮想通貨関連株式やアクティブ運用戦略など新商品の投入を計画している。
11/30 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、金持ち父さん著者キヨサキのBTC売却やソラナとXRPのETFの好調など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
DeFiで株式市場はどう変わる? Progmat齊藤達哉氏が語るオンチェーン金融の未来|独占インタビュー【後編】
Progmat齊藤達哉氏インタビュー後編。議決権付きトークン化株式で日本が世界初となる理由、2028年施行を目指すトークン化法のロードマップ、DeFi・AIエージェントを見据えた将来ビジョンを聞いた。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|個人マイナーのビットコイン採掘成功に高い関心
今週は、個人マイナーのビットコイン採掘成功、JPモルガンによる仮想通貨業界関係者の口座の連続閉鎖、アップビットの約48億円の不正流出に関する記事が関心を集めた。
11/29 土曜日
13:50
米賭けサイトカルシ、無免許スポーツ賭博運営で提訴
ブルームバーグによると米賭け市場のカルシが無免許でスポーツ賭博を運営し、マーケットメイキング手法について顧客を誤解させたとして集団訴訟を起こされた。共同創設者は主張を否定。
13:10
ブラックロック、債券ファンドでビットコインETF「IBIT」を買い増し
ブラックロックが7~9月期に債券ファンドで自社ビットコインETF「IBIT」を買い増していた。9月末時点で1.5億ドル相当を保有。ビットコイン現物ETFへの流入はここ数日復活傾向だ。
12:03
仮想通貨のバイバックとは?2025年注目の6銘柄を解説
2025年、仮想通貨業界で総額14億ドル規模に達したバイバック。ハイパーリキッド(HYPE)やパンプファン(PUMP)など、実際にバイバックを実施している6銘柄を徹底解説。株式の自社株買いとの違いや投資リスクもわかりやすく紹介します。
12:00
24時間・1円から取引可能に Progmat齊藤達哉氏が語る「トークン化株式」の全貌|独占インタビュー【前編】
Progmat代表・齊藤達哉氏に独占取材。1円単位・24時間取引可能な「トークン化株式」の仕組みと、議決権や優待も得られる投資家メリット、リアルタイム株主把握など発行企業メリットを聞いた。
11:30
アーサー・ヘイズがビットコイン年末25万ドル予測維持、流動性底打ちと量的引き締め終了を根拠に
ビットメックス共同創設者アーサー・ヘイズ氏が11月27日、ビットコインの年末25万ドル到達予測を堅持した。先週の8万600ドルを底値とみており、米ドル流動性の底打ちと量的引き締め終了が上昇を牽引すると分析。
11:00
税率10〜45%の差、アフリカ5カ国の仮想通貨課税の現状を探る
サハラ以南アフリカで年間30兆円超のオンチェーン取引が発生する中、各国が独自の仮想通貨税制を整備。南アフリカの18〜45%累進課税、ナイジェリアの15%一律課税、ケニアの10%物品税など、主要5カ国の税制アプローチを詳細解説。日本の税制改革案(55%→20%)との比較から見える、成長と規制のバランスとは。
10:10
IMF、資産トークン化のリスクを指摘 「フラッシュクラッシュ」の可能性を警告
国際通貨基金が資産トークン化のメリットとリスクを解説。自動取引による「フラッシュクラッシュ」の可能性や断片化の問題を指摘した。米SECなどの当局も規制を協議中だ。
09:35
テザー、中央銀行級の116トンの金を保有 世界最大の民間保有者に
世界最大のステーブルコイン発行企業テザーが116トンの金を保有し、中央銀行以外で世界最大の金保有者となった。第3四半期に26トンの金を購入し、韓国やハンガリーの国家準備金に匹敵する規模に。
07:55
米司法委員会、トランプ氏の仮想通貨関連事業を問題視
米下院司法委員会は、ドナルド・トランプ大統領の仮想通貨関連事業を問題視。大統領職の責任や健全性を取り戻すために、議会による改革を早急に行う必要があると主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧