はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米FinCEN、疑わしい取引の情報を広く共有すべき──仮想通貨も対象に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

疑わしい取引の情報をより広範囲に収集

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が、金融機関に対して互いに顧客情報を共有することを推奨した。顧客の活動について監視を強めることで、マネーロンダリングやテロ資金調達を予防する目的があるとされるものの、個人情報の不正流出にも繋がるのではないかなど懸念の声も挙がっている。

このガイドラインの対象となる機関には、送金事業者や証券ブローカーも含まれている。仮想通貨取引所に関しては明確に記述していないが、FinCENによる分類では仮想通貨取引所等関連業者もあてはまるため、仮想通貨の送金も対象となると見られる。

推奨は、米国の「愛国者法」の314(b)条項で規定される。この条項は、マネロンやテロにつながる可能性のある活動を報告するために、金融機関が相互に情報を共有することを提唱。情報共有への参加は任意であるとしているが、同時に「参加を強く推奨」するという。

ガイドラインを見ると、情報共有すべき活動の条件が引き下げられ、より多くの情報を収集しようとするものであることが分かる。

金融機関は、報告する活動について、違法行為の収益に直接関連しているという特定された情報を持っている必要はなく、またマネーロンダリングされている資金を特定している必要もない。その活動が疑わしいと決定的に判断している必要はない。

ーガイドライン

さらに、その活動が取引を構成していない場合でも情報共有できるという。例えば、不成立だったが取引の試みがあった場合、また第三者に取引を行うよう誘導する試みも含まれるという。

また個人を特定できる情報の共有、情報の種類や伝達方法(口頭での情報の共有を含む)については制限がないとしている。

FinCENは、このガイドラインについて利点を幾つか説明した。より包括的に違法行為を監視し、FinCENによる正確な意思決定が可能になること、他の金融機関に、以前は気づかれていなかった疑わしいユーザー活動について警告できること、違法行為のスキームを浮き彫りにして検出しやすくすることなどを挙げている。

関連200兆円超、巨額の資金洗浄を可能にした世界主要銀行と機能しない防止システム=FinCEN漏洩文書

顧客の個人情報をリスクにさらす可能性も

しかし、顧客データをサイバー犯罪のリスクにさらすのではないかと懸念する声も挙がっている。情報が共有される場所が増えるほど、それが不正流出する可能性も高まるためだ。

また、こうした取引監視の強化は、先日米証券取引委員会(SEC)コミッショナーのHester Peirce氏が提示した面からも懸念点がありそうだ。Peirce氏は、市場を通過するすべての株式やオプションの注文を追跡する「統合取引監視システム(CAT)」に触れて、規制当局が疑惑の根拠もなく、市場で取引するすべての人のあらゆる動きを監視することは「個人の自由」原則から不適切だと指摘している。

同様に、仮想通貨規制を設定するにあたっても、「個人の自由の原則」を受け入れる方法を考案しなければならないと語った。

関連「仮想通貨規制、個人の自由を阻害してはならない」米証券取引委員会コミッショナー

国際送金についても情報収集範囲を拡大

FinCENと連邦準備制度理事会(FRB)は10月にもデータ収集をより広範に行う提案をしている。国際送金について、米国が始点または終点になっている場合に、情報収集対象を3000ドルから250ドル(約2.6万円)に引き下げ、さらに仮想通貨にも適用されるようにするものだ。

特にテロ資金調達は、小額取引を積み重ねて行わることもあるため、対象となる額面の引き下げは重要だとしている。

関連:米FinCEN、国際取引データ収集の閾値引き下げを提案 仮想通貨も対象に

参考:FinCEN文書

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧