DAOの法人化実現へ
米ワイオミング州で、自律分散型組織(DAO)の法人化を正式に認めるための法案が提出された。
法案が可決されれば、人が分散的に集まった非中央集権の組織およびシステム(機械)を活用して運営する組織が正式に法人として認められることになる。
「DAO」は「Decentralized Autonomous Organization」の略で、中央管理者が存在せず、自律的に機能する組織を指す。例えばビットコイン(BTC)は発行する中央機関が存在せず、事前に定められたルールに従って通貨が発行・管理されている。この点からビットコインはDAOであると説明されることがある。技術の発展によって、DAOの法人化の可能性は以前から注目されていた。
今回の法案は1月に提出されており、今月3日には同州の担当委員会に回付されている。法人化されたDAOは人間が管理に参加するタイプと、コンピューターのアルゴリズムで運営されるタイプに分けられるという。
法人となったDAOはLimited Liability Company(有限責任会社)となり、登録社名には「DAO」、「LAO」、「DAO LLC」などが付けられる。
人間が参加するDAOでは、メンバーの脱退や組織の解体といった事項を中央管理者の判断ではなく、関係者の投票で決定することもできることが大きな特徴だ。
本法案は2021年7月1日の施行を目指している。
ワイオミング州の規制
ワイオミング州では、仮想通貨取引所クラーケンが「SPDI」と呼ばれる銀行ライセンスを取得するなど、仮想通貨やブロックチェーンに対して友好的な政策を導入している。
米証券取引委員会(SEC)の通称「クリプトママ」ことHester Peirceコミッショナーは昨年12月、「規制当局は、非常にプログレッシブなワイオミング州を参考にするべきだ」と語った。
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昨年4月にはワイオミング州が、保険会社が仮想通貨を含むデジタル資産に投資できるように法律を改定したことが分かった。
米拠点の法律事務所Kramer Levinは当時、このような規定は米国初だと説明。デジタル資産がマクロ経済のリスクと相関性が低いことに保険会社がメリットを感じる可能性があると指摘している。
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