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仮想通貨レンディングとは?取引所別の金利・実績比較、ビットコイン含む

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レンディング(貸暗号資産/貸コイン)とは、交換業者に暗号資産(仮想通貨)を貸し出し、その対価として貸し出した仮想通貨で賃借料を受け取る投資法です。

たとえば、1BTCを年率3%で貸し出す場合、満期時には1BTCと賃借料として0.03BTCが支払われる、という形です。

一般的に、仮想通貨の投資法と言えばトレーディングが思い浮かびます。トレーディングでは売買のタイミング次第で大きな利益を得られる可能性がありますが、その反面、損失を被るリスクも高くなります。投資の知識や定期的なチャートの確認が求められ、初心者にはハードルが高い方法です。

一方、レンディングは短期間で大きな収益を期待することは難しいものの、利回りは着実であり、低リスクで暗号資産(仮想通貨)を増やす手段となります。ただし、レンディングにもデメリットが存在するため、事前に十分な理解が必要です。

本記事では、レンディング(貸暗号資産/貸コイン)の特徴やメリット、おすすめの仮想通貨取引所のレンディングサービスについて詳しく紹介します。

💡この記事でわかること
  1. 国内取引所のレンディングサービスを比較
  2. レンディングとは
  3. 取引所5社、レンディングの実績例
    1.オアシス、ジパングコインで好条件あり:SBI VCトレード
    2.ソラナ(90日:年率4.0%)など注目のビットトレード
    3.選べる2つの年率コース:GMOコイン
  4. ステーキングとの違い
  5. レンディングのメリット・デメリット
  6. レンディングにかかる税金は?

国内取引所のレンディングサービスを比較

取引所名 特徴 貸し出し期間
BTC貸借料率
貸出数量 募集時期 自動更新 中途解約 解説
暗号資産(仮想通貨)取引所 SBI VCトレード ジパングコイン(ZPG)など24銘柄対応 7日間、28日間など:コース毎に設定 0.01 BTC~ 不定期(毎月目安) なし なし
暗号資産(仮想通貨)取引所 GMOコイン 年率の高い「貸暗号資産プレミアム」あり Basic:1か月、3か月、年率1%、3%
Premium(円転特約、審査条件付き):1週間~2ヶ月、最大年率15%
B:0.1 BTC /回~100 BTC/月
P:0.05 BTC / 回~
適時 あり B:あり(中途解約手数料:償還時に受取予定の貸借料の10%※中途解約の場合、貸借料は支払われない)
P:原則なし
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレード SHIBの特別募集実績あり:年率48% 90日:1% 0.001 BTC~5 BTC 定期募集型 なし なし
暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェック 取扱う暗号資産の貸付が可能 14日:年利1%、30日:年利2%、90日:年利3%、180日:年利4%、365日:年利5% 最低1万円相当額~上限なし 常時 あり なし
暗号資産(仮想通貨)取引所 bitbank 取り扱い全暗号資産に対応 1年:募集月毎に0.1%~5.0%までの範囲で同社が決定 0.01 BTC以上~5 BTC未満(参考年率0.5%)
5 BTC以上~50 BTC以下(参考年率1.0%)
毎月 なし あり(5%の中途解約手数料※中途解約の場合、貸借料は支払われない

レンディングとは

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)は、取引所を介して暗号資産の貸し借りを行うサービスです。取引所は、暗号資産の貸し手と借り手の仲介者として機能し、以下のような流れで貸し借りを実現します:

  1. 貸し手(一般投資家)が取引所に暗号資産を預ける
  2. 借り手(マーケットメイカーや高頻度取引事業者)が取引所から暗号資産を借りる
  3. 借り手は借りた暗号資産を利用してビジネスを行う(例:流動性提供)
  4. 借り手は元本と利息を取引所に返済する
  5. 取引所は貸し手に元本と利息(賃借料)を返す
貸し手 取引所 借り手 暗号資産の貸し出し 元本+利息の返済

金利と需給バランス

貸暗号資産の金利は需要と供給のバランスによって決定されます:

  • 需要が高まると(借り手が増加)、金利は上昇
  • 供給が増えると(貸し手が増加)、金利は下降

暗号資産市場が活況を呈し、借り手の資金需要が高まれば、賃借料(金利)も上昇する傾向にあります。

利用例:ビットコインの貸出シミュレーション

以下は、0.1BTCを84日間貸し出した場合の利用料シミュレーションです:

年利 計算式 利用料(BTC)
1.0% 0.1BTC × 1% × 84日 ÷ 365 0.0003BTC
2.0% 0.1BTC × 2% × 84日 ÷ 365 0.0005BTC
3.0% 0.1BTC × 3% × 84日 ÷ 365 0.0007BTC

※ 小数点以下第5位切り上げ

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)の選択肢や利率は、企業や銘柄によって大きく異なります。例えば、イーサリアムを360日間で年率2.3%、ソラナを90日間で年率4.0%、ポリゴンを90日間で年率4.5%といった例があり、銘柄ごとの運用方針を柔軟に選ぶことが可能です。さらに、ソラナ(SOL)の14日間貸出では年率20.00%、シバイヌ(SHIB)の10日間貸出では年率48.00%という高金利のオプションも存在し、戦略的な運用が期待できます。

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)を探している方に

取引所別、貸暗号資産の事例

ここからは、各取引所の暗号資産サービスの詳細・主な対応銘柄を紹介します。

オアシス、ジパングコインで好条件あり:SBI VCトレード

SBIVCトレードは、東証プライム市場に上場しているSBIホールディングス傘下の企業。同グループのSBI証券は、国内最大手のネット証券として知られ、SBIVCトレードは金融ノウハウを生かし、安心して取引できる取引所として評価されており、手数料の低さなどで個人投資家から支持を受けています。

貸出対象の銘柄
全24銘柄(24年9月時点)
貸出期間 7日間、28日間など:コース毎に設定
主な事例 貸出期間14日間、最小3,000DOT~最大6,000DOTという条件で税込年率20%
2024/3/7募集分、対象銘柄DOT
運営元 SBI VCトレード株式会社

SBIVCトレードの貸暗号資産サービスは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ダイ(DAI)、ジパングコイン(ZPG)、ドージコイン(DOGE)などの仮想通貨に対応しています。DAIは米ドル連動型ステーブルコインです。

9月5日の募集条件抜粋 出典:SBI VCトレード

📍注目のポイント

ジパングコイン(ZPG)は金価格に連動することを目指しており、1 ZPGが金現物1グラムに対応する、三井物産デジタルコモディティーズ社が発行する暗号資産です。投資家にとっては、インフレヘッジとしての金を所有しながら、貸コインによるインカムゲインを組み合わせ、資産形成に活かすことができます。

ソラナ(90日:年率4.0%)など注目のビットトレード

ビットトレード(BitTrade)は、金融庁に登録済みの暗号資産交換業者であり、関東財務局長から第00007号を取得。自社のブロックチェーン技術とセキュリティーシステムの強みを活かし、これまでに様々な事業者に向けて技術提供を支援しています。取扱い対象の41銘柄には、シバイヌ(SHIB)、ドージコイン(DOGE)、コスプレト-クン(COT)など他社で取り扱いの少ない注目銘柄も揃っています。

貸出対象の銘柄 42種類
貸出期間 90日間、360日間など
主な金利条件(9月8日時点) MATIC:90日間(年率4.5%)、DOGE:90日(年率2.0%)
運営元 ビットトレード株式会社

ビットトレードの貸暗号資産サービスは定期募集型と特別募集型の2種類。定期募集型は、ビットコイン(90日:年率1.0%)、イーサリアム(360日:年率2.3%)、ソラナ(90日:年率4.0%)、ポリゴン(90日:年率4.5%)などが募集されています。24年9月8日時点に特別募集型は募集終了状態となっています。

9月9日時点の募集条件 出典:ビットトレード

📍注目のポイント

ビットトレードは、特別募集型の貸暗号資産も適時開催しており。過去にはソラナ(SOL)の14日間の貸出で、賃借料率(年率)20.00%、シバイヌ(SHIB)の10日間の貸出で賃借料率(年率)48.00%という好条件の事例があります。特別募集型は不定期で開催されるため、事前に口座開設を済ませて機会に備えましょう。

選べる2つの年率コース:GMOコイン

GMOコインは東証一部上場のGMOグループが運営しています。GMOインターネットグループで培われたIT関連事業および金融事業における知見と豊富な金融実績を活かし、堅牢なセキュリティと管理体制のもと、暗号資産と外国為替FXのハイブリッド投資ができる環境を提供します。

貸出対象の銘柄
26種類
貸出期間 貸暗号資産ベーシック:3ヶ月もしくは1ヶ月
金利 年率3%もしくは年率1%
運営元 GMOコイン株式会社

📍注目のポイント

GMOコインで貸し出せる暗号資産は全26種類あり、2つのコースが用意されています。年率3%の3ヶ月コースと年率1%の1ヶ月コースです。年率3%のコースは銘柄によっては他社よりも好条件の場合があり、自動更新も可能です。また、条件付きで中途解約※も対応しており、基本的な運用手段として利用しやすいです。

※中途解約手数料として、償還時に受取予定の貸借料の10%がかかり、さらに中途解約の場合、貸借料は支払われません。

Coincheck(コインチェック)

2012年に設立されたコインチェックは、国内の暗号資産取引所の中で比較的長い歴史を有します。東証プライム上場企業であるマネックスグループの信頼性や国内最多水準、2024年8月末時点での口座数は209万口座以上の顧客基盤と相まって、投資家の間で大きな期待を集めています。

貸出対象の銘柄 30種類
貸出期間 14日間・30日間・90日間・180日間・365日間
想定年率 最大年率5%
運営元 コインチェック株式会社

過去の募集条件例 出典:Coincheck

📍注目のポイント

コインチェックのレンディングサービスは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、XRP、シバイヌ(SHIB)などのあらゆる仮想通貨に対応しています。選べる貸出期間も多く、最大年率は5%と高いため、効率よく暗号資産を増やせます。

bitbank(ビットバンク)

ビットバンク株式会社は、ビットコイン・イーサリアム・XRPなどの人気の暗号資産を取引できる暗号資産取引所および販売所を提供しており、10年間の安定創業を支えたセキュリティ体制と、取引量の高さに定評があります。最近では、「2024年 オリコン顧客満足度®ランキング 暗号資産取引所 現物取引」において、総合1位を獲得しました。

貸出対象の銘柄
38種類
貸出期間 1年
最大金利 5%
運営元 ビットバンク株式会社

📍注目のポイント

貸して増やす(貸暗号資産)の特徴は、全38銘柄を対象としていることです。ビットバンクと顧客が暗号資産貸借取引契約を締結し、最大年率5%の暗号資産を1年後に受け取ることができます

過去の募集条件例 出典:ビットバンク

2024年9月時点にアスター(ASTR)、ポリゴン(MATIC)、アクシー(AXS)、アービトラム(ARB)などの募集を行っています。

アルトコインで「貸して増やす(貸暗号資産)」をしたい方は、ビットバンク(bitbank)を検討してみましょう。

ステーキングとの違い

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)と似た投資法として、ステーキングがあります。ステーキングも、特定の暗号資産(仮想通貨)を保有しながら収益を得る資産運用方法です。

どちらも暗号資産からインカムゲインを得る仕組みですが、期間や金利、リスクなどが異なります。

また、貸暗号資産もステーキングも、現物の暗号資産が必要なため、市場の相場変動による元本割れリスクが伴うことは意識しておきましょう。

ここからは、ステーキングとの比較を通して、貸暗号資産のメリット・デメリットをおさえていきましょう。

ステーキング 貸暗号資産
対象の通貨 基本的にPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨が対象 PoW(プルーフ・オブ・ワーク)のビットコイン、他の手法を採用するXRPを含む、全ての仮想通貨が対象
資金のロック SBIVCトレードとGMOコインは、売却・出金がいつでも可能 最初に決めた期間満了でないと解除できない
年率の比較 取引所によってどちらの年率が高いかは異なる。例:GMOコインの場合、ポルカドットとコスモスの貸暗号資産ベーシックの報酬が10%と、ステーキングよりも高利率。
資産の管理体制 SBIVCトレードとGMOコインは、分別管理の対象であることを強調。 顧客が交換業者に貸し出す暗号資産は、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号。その後の改正を含む)に基づく分別管理の対象とならない。このサービスにおける契約は無担保の消費貸借契約であり、企業が破綻した場合、顧客が同社に貸し付けた暗号資産が返還されないリスクがある。

レンディングのメリット・デメリット

レンディングのメリット

ステーキングと比較した、貸暗号資産のメリットは2つ挙げられます。

1対象銘柄がステーキングよりも多い

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)は、ビットコインのようなステーキングに対応していない銘柄でも利用できます

ステーキングはProof of Stake(PoS)型のブロックチェーンに限定され、コンセンサス形成に参加する対価として報酬が発生しますが、ビットコインを始めとするProof of Work(PoW)型のブロックチェーンには対応していません。

そのため、ビットコインの長期保有を考えている方にとって、貸暗号資産は効率よく暗号資産を増やせる希少な手段となります。

2短期的に高金利の募集があること

市場の動向に応じて、1週間や2週間の短期で高金利の募集が行われることがあります。これはネットワークの報酬メカニズムに依存するステーキングにはほぼ見られないイベントです。

これらの募集は非常に人気が高く、すぐに上限枠に達してしまうケースが多いため、仮想通貨取引所で事前に口座を開設し、アナウンスに応じて資金を預ける準備をしておくことが重要です。

レンディングのデメリット

1貸付金は保証されない

貸暗号資産が高金利を実現できるのは、貸付人がリスクを受け入れているからです。

高金利で貸し出すことで多くの利息が期待できますが、それに伴うリスクも増えます。取引所は貸付人に支払う賃借料よりも高い金利を借入人から回収するため、金利が高くなるほど借入人の返済リスクも高くなります。

取引所は貸し手(一般投資家)に対し、貸付金を保証していないため、借入人が返済できなかった場合や取引所が倒産した場合には、貸付金が貸し手に戻ってこないリスクがあります。

2貸出中は売却できない

貸暗号資産の契約期間中は、仮想通貨を売却や送付することができません。最初に決めた契約期間が満了するまで解除できないため、仮想通貨の価値が高騰しても売却する機会を逃す可能性があります。このように、貸出中の柔軟な対応が難しい点もデメリットとして考えられます。

貸暗号資産を検討する際は、これらのデメリットも踏まえて自分に合った投資方法かどうかを判断することが重要です。

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)を探している方に

レンディングにかかる税金は?

仮想通貨取引で生じた利益は原則「雑所得」として取り扱われます。日本円との売買で得た利益だけではなく、仮想通貨同士を交換したときに生じた利益や貸暗号資産などで得た賃借料も課税対象となります。

雑所得に分類される仮想通貨取引での所得は、給与所得などの他の所得と合算した金額に対して税率がかけられます。税率は、所得が多いほど高くなる「累進課税」が適用され、下表の通り5%~45%の7段階に分かれています。住民税も合わせると最大で約55%の税率が課されます。

出典:国税庁

仮想通貨取引における損益発生のタイミング

暗号資産の貸暗号資産の賃借料による利益が税金になるのは、報酬を受け取った年になります。雑所得の収入とすべき時期は、「その収入の態様に類似する、他の所得の収入とすべき時期に準じて判定した日」とされているからです。

つまり、貸暗号資産期間が2023年12月で報酬を受け取ったのが2024年1月15日だった場合、税金が発生するのは、報酬を受け取った2024年になります。

ステーキング報酬を受け取った時の所得の計算方法は、以下の通りです。

● 売上高(総収入額)-必要経費=利益(雑所得)

売上高は貸暗号資産の賃借料として受け取った暗号資産の時価になります。暗号資産の報酬が日本円で20万円だったとすると、売上高は20万円になります。

貸暗号資産の税務上の取り扱い

国税庁は、貸暗号資産がマイニングと同様に扱われると定めており、報酬として得た暗号資産は、取得時点の価格を基準に売上高(総収入額)に算入する必要があります。

つまり、報酬が発生した時点での暗号資産の価格に基づいて売上高が算定され、その後の価格変動には影響されません。必要経費については、主に貸暗号資産の手数料のみが認められ、その他の経費はほとんどありません。そのため、貸暗号資産の賃借料によって得た利益はほぼ全てが課税対象となります。※

※ただし、貸暗号資産の報酬で得た暗号資産を売却したり、他の種類の取引を行ったりする場合、最終的な所得金額に影響を与えるため、一概には言えません。

なお、インターネットやスマートフォンの回線利用料、パソコンなどの購入費用も、暗号資産取引に必要な支出として認められる場合があります。詳細については、税理士や税務署に相談することをお勧めします。

まとめ

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)を利用することで、仮想通貨を長期保有し、値上がりを待つ間、仮想通貨の保有量を増やすことができます。

仮想通貨のレンディング方法はさまざまですが、おすすめは国内取引所の貸暗号資産サービスを利用することです。国内の大手取引所が提供するサービスの場合、サポート対応もあるため、初心者の方でも安心して貸暗号資産を行えます。

まだ取引所の開設をされていない方は、この機会に開設を行い、貸暗号資産を始めてみましょう。

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)を探している方に

記事の監修者

各務 貴仁各務 貴仁
株式会社CoinPost 代表取締役CEO、株式会社SUDACHI Tech 代表取締役、一般社団法人WebX実行委員会 理事。
2017年に日本最大(2024年現在)の暗号資産・Web3メディアCoinPost、2023年よりグローバルカンファレンスWebXを立ち上げる。また、次世代テックを活用した福祉事業Wave3やWeb3に特化した開発支援事業SUDACHI Techも展開する。
2024年には、経済産業省「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」にて有識者委員として選任される。

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