改正金融商品取引法とは|bitFlyer(ビットフライヤー)の事例から考察する改正の背景と市場への影響

国内最大のビットコイン出来高を誇る暗号資産(仮想通貨)取引所「bitFlyer(ビットフライヤー)」が、21年10月14日に第一種金融商品取引業者として登録完了したことを発表。bitFlyerの証拠金サービス「Lightning」が停止に追い込まれる事態は回避され、胸を撫で下ろした投資家も多いでしょう。

このように、規制が整いきっていない仮想通貨市場では、法規制の強化によってサービスが停止に追い込まれたり、値動きに大きな影響を与える可能性があります。今後さらに規制が強化された場合に適切な対処をするためには、これまでの動向や影響を知っておくことが非常に有益です。

そこで本記事では、bitFlyerの事例を踏まえつつ、仮想通貨規制の全容について解説します。

目次
  1. 改正金融商品取引法の概要とビットコイン市場への影響
  2. bitFlyer(ビットフライヤー)が第一種金融商品取引業者に登録完了
  3. 日本最大級の取引所bitFlyerとは
  4. 再スタートを切ったbitFlyerの証拠金取引サービスで利益を狙う

1. 改正金融商品取引法の概要とビットコイン市場への影響

初めに、大幅な規制の強化によって国内の仮想通貨市場に大きな影響を与えた改正金融商品取引法(以下、改正金商法)についての概要を解説します。金商法とは主に投資家の保護・経済の円滑化のための法律で、有価証券の発行・売買といった金融取引を公正なものにするためのルールです。

1-1. 国内におけるこれまでの仮想通貨関連規制の流れ

改正金商法が施行された背景を理解するため、これまでの仮想通貨に関する国内規制の変遷から解説します。

まず、18年まで仮想通貨は決済サービス提供者を規制する法律「資金決済法」による規制を受けてはいたものの、金商法は規制対象外でした。この時期の仮想通貨取引所に対する規制は現在と比べてはるかに緩やかで、資金決済法でカバーできない部分はJVCEA(日本暗号資産取引業協会)の自主規制規則に基づいて管理されていたほどです。

しかし、18年1月のコインチェック事件に代表されるように、取引所へのサイバー攻撃や不正流出事件等が相次いで発生し、取引所の安全性について議論されるようになります。加えて、仮想通貨が投機的な取引に用いられることが多く、国内取引の大部分が証拠金取引として行われている状態を懸念する見方も強くなっていきました。

そこで政府は規制強化に舵を切り、19年5月には仮想通貨の交換業者への規制や投資家保護を強化した資金決済法・金商法など関連法の改正案が成立。2020年5月1日付で施行された流れです。

この一連の規制強化に関連して、個人によるレバレッジ取引の最大倍率を2倍に制限する内閣府令も施行されました。これは、過度な投機によって投資家の損失リスクが膨らみ過ぎないようにする目的があります。

1-2. 改正金商法で証拠金取引への規制が大幅に強化

次に、改正の中でも金商法に焦点を絞り、規制内容について解説しましょう。

21年5月施行の改正金商法の中心とされるのが、証拠金取引に対する規制の強化です。

18年まで規制の柱であった資金決済法においては、現物取り扱いサービスなどは規制対象となる一方で証拠金取引は対象外で、法による規制はされていませんでした。

それが21年施行の改正によって、大きく様変わりします。仮想通貨は「金融商品」として法律に明記され、仮想通貨の価格または利率等が「金融指標」の定義へと追加(第2条第24項3の第二号、第25項)されたのです。

仮想通貨が金商法の規制対象となったことで、仮想通貨を原資とするデリバティブ取引や、仮想通貨の価格・利率等を参照指数とするデリバティブ取引(つまり仮想通貨の証拠金取引サービス)にも金商法の規制が適用されるようになります。

その結果、改正金商法の施行後に証拠金取引(店頭デリバティブ取引)サービスを提供したい仮想通貨取引所は「第一種金融商品取引業」としての登録が必要に(改正金商法2条8項4号、28条1項2号、29条)。

第一種金融商品取引業は、証券会社やFX取引業を行うための要件とされる必要な免許で、他の金融商品取引業より数段厳格な要件が設けられています。これにより、証拠金取引サービスを提供する仮想通貨取引所にとって極めて厳しい規制がかかる結果となりました。

関連:「国内仮想通貨取引所TAOTAOとビットポイント、第一種金融商品取引業者の登録完了」

2.bitFlyer(ビットフライヤー)が第一種金融商品取引業者に登録完了


出典:bitFlyer

仮想通貨が「金融商品」として法律に明記されたことは、通貨としての信頼を上げて市場を成熟させる一方で、規制強化により市場へ大きな影響が出る可能性も懸念されていました。そこで続いては、改正金商法が国内取引所へインパクトを与えた代表例として、規制強化により停止に追い込まれかけたbitFlyerの証拠金サービス騒動について考察します。

2-1. 登録完了で仮想通貨市場は1000億円規模の売り圧力を回避

bitFlyerは、国内最大のビットコイン出来高を記録する最大手の取引所で、改正金商法の施行前から証拠金取引サービス「bitFlyer Lightning」を提供していました。しかし、GMOコイン、DMMビットコインなど他の大手が着々とライセンス取得を済ませるなか一向に登録が進まず、取得できないまま猶予期限を迎える事態が危惧されていました。

ライセンス取得期限の21年10月31日が目前に迫った10月14日、bitFlyerはようやく第一種金融商品取引業者に登録完了したことを発表。危うく難を逃れた形です。

期限までにライセンス取得できなかった場合、金商法の店頭デリバティブ取引規制に基づき「bitFlyer Lightning」サービスの大部分が停止となっていました。

国内で最大級の影響力を持ち、デリバティブ取引所として世界でも上位の取引高を誇る大手取引所の主力事業が停止となる事態は前代未聞です。もし現実となっていれば、大きな混乱は避けられなかったでしょう。

bitFlyerにおける21年3月時点の預かり資産は5732億円を突破しています。少なく見積もって内1割が証拠金取引だとしても、そこに2倍のレバレッジがかかると考えると1000億円クラスの売り圧力が発生するリスクがありました。

また、サービス停止になったことで多くのbitFlyer利用者がより良い証拠金取引サービスを求めて海外の取引所に移管したでしょう。国内のレバレッジ取引量は大幅に減り、結果として国内市場は落ち込み、ひいては世界規模で市場に影響を及ぼした可能性も十分にあります。

流動性を重要視したサービスを展開するbitFlyerの経営においても、致命的なダメージとなったことでしょう。

しかしbitFlyerが晴れて登録完了したことで、これらの懸念は現実となりませんでした。21年11月時点ではユーザーの新規受付も再開し、市場の盛り上がりを後押ししています。

関連:「bitFlyer、第一種金融商品取引業者の登録完了」

2-2. 登録完了で「bitFlyer Lightning」サービスを再開


出典:bitFlyer

改正金商法規制が施行されてから1年以上、bitFlyerはbitFlyer Lightningの新規ユーザー受付を停止していました。しかし、この度の登録完了により新規利用受付を再開する旨発表しています。

LightningはビットコインFXや先物取引ができるサービスで、日本円やBTCの証拠金を預入れ、上限2倍のレバレッジを利かせて売買できるサービスです。

サービス再開を祝して、Lightning FX/Futuresサービス内で発生したスワップポイントを全額日本円でキャッシュバックするキャンペーンを実施。スワップポイントとはデリバティブ取引で建玉の保有期間に発生する手数料のことで、「建玉金額の絶対値 × 0.04% /日」の合計で計算されます。

実施期間はで21年11月1日~21年11月30日の午後11時59分(日本時間)まで。キャンペーン期間前から保有するポジションから発生するスワップポイントも対象ですが、エントリー完了前に発生済のスワップポイントはキャンペーンの対象外です。キャッシュバック金額の上限はキャンペーン期間中に100万円/1アカウント。

日本円キャッシュバックの進呈タイミングは21年12月を予定しています。

参加条件は次の2つで、期間中に条件を満たせば自動的にキャンペーンが適用されます。

1キャンペーンページからのエントリー完了
2Lightning FX/Futuresにおいてスワップポイントが発生

また、第一種金融商品取引業者に登録したことで、これまで滞っていたサービスの拡充が行われる可能性も期待できます。例えば現時点ではビットコインのみ取り扱う証拠金取引に対応する銘柄のラインナップが増えていくかもしれません。

関連:bitFlyer、ビットコイン「FX/Futures」の新規受付を再開

3. 日本最大級の取引所bitFlyerとは


出典:bitFlyer

ライセンスを取得したことで、bitFlyerは今後証拠金関係のサービスを展開し、利用者数を増やしていくと予想されます。まだ口座を保有していないなら、この機会にさらなる拡大が成長が期待できるbitFlyerで証拠金取引の利用を始めてみるのもおすすめです。

そこで最後に、bitFlyerの特徴について詳しくご紹介します。

bitFlyerは2014年1月に設立され、仮想通貨投資初心者から上級者までの幅広い層から支持を得ている大手取引所です。日本だけでなくアメリカ・ヨーロッパにも拠点を置き、世界規模で事業を展開しています。

また、NFT事業などの展開にも積極的で、21年9月にはブロックチェーンアプリ開発企業double jump.tokyoに出資し、NFT(非代替性トークン)事業で協業することを発表しました。この提携によって、将来的にbitFlyerがブロックチェーンゲーム・NFTマーケットプレイスといった、NFT関連サービスをローンチする可能性に期待が寄せられています。

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

bitFlyerでは13種類の通貨銘柄を用いた現物取引、ビットコインFX・先物取引が可能。国内で先物取引を扱う仮想通貨取引所は珍しく、多様な選択肢から自分に合った取引を実行できるのもbitFlyerの大きな魅力と言えます。

bitFlyerにおける取引手数料はサービスによって異なりますが、一部サービスは手数料が無料(スプレッドは発生)です。

この機会に、bitFlyerで口座を開設してはいかがでしょうか。

関連:「仮想通貨(ビットコイン)取引所bitFlyerとは|投資家向け3つのおすすめポイント」

4. 再スタートを切ったbitFlyerの証拠金取引サービスで利益を狙う

本記事では改正金商法の概要と、それに関連したbitFlyerへの影響について詳しく解説しました。このように規制の強化はときに相場の下落の原因になることもありますが、一方で仮想通貨に対する信頼をさらに高め、市場の成熟を促すというポジティブな効果が大きい出来事でもあります。規制に対応し、より安全に利用できるようになったbitFlyerの証拠金取引サービスで、さらに効率的な投資運用を目指してみてはいかがでしょうか。

規制が整いきっていない仮想通貨市場では、法規制の強化が取引所サービスを停止に追い込んだり、値動きに大きな影響を与える可能性があります。今後さらに規制が強化された場合に適切な対処をするためには、これまでの動向や影響を知っておきましょう。そこで本記事ではbitFlyerの事例を踏まえつつ、金融商品取引法の規制について解説します。

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