CoinPostで今最も読まれています

米SECが仮想通貨プロジェクトのCEOらを告発、「マーケットメイク」と題した相場操縦

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

市場操縦を摘発

米SEC(証券取引委員会)は28日、Hydrogen Technology社とMoonwalkers Trading社の取締役ら2名を未登録証券の提供および市場操縦の疑いで提訴したことを発表した。

逮捕されたのはHydrogen Technology Corporationの元CEOであるMichael Ross Kane氏とMoonwalkers Trading LimitedのCEOであるTyler Ostern氏。SECは、両社が2018年1月からHydroトークンをエアドロップ(無料配布)やバウンティプログラムなど様々な手段で配布した後、Moonwalker社がボットを利用して取引量を水増ししたと指摘している。

バウンティ・プログラムでは、トークンを宣伝した個人にトークンを配布するシステムだった。また、「マーケットメイカー」と謳い、取引量を実際より多く見せることで人工的に市場をインフレさせ、Hydrogen社は200万ドル(2.9億円)の利益を不正に取得した点を非難した。

SECはニューヨーク州マンハッタンで2名を告訴。未登録証券や詐欺、市場操縦に対する罰として両名に永続的な差止命令なとの処置を科した。また、Kane氏については今後、企業の役員および取締役への着任禁止を要求した。

措置に対してOstern氏は容疑を認めることも否認もせず、裁判所の判断を承諾。また、永続的な証券の販売への参加禁止、そして36,750ドル(530万円)のディスゴージメント(不正に得た収益の収奪)と5,118ドル(74万円)の判決前利息の支払いに同意した。

今回の件について、SECの執行部門の副ディレクターであるCarolyn Welshhans氏は以下のようにコメントした。

企業は未登録証券の提供および販売をバウンティーや報酬などその他の手段として行うことで証券法への遵守を避けることはできない。

今回の取り締まり事例は示すように、SECは投資家を保護するために未登録の資金調達スキームを禁止する法を執行していく。

また、SECの執行部門傘下の市場悪用ユニットのチーフであるJoseph Sansone氏は以下のように述べた。

我々が主張する通り、被告人は相場操縦を通して、Hydroの市場活動に関して誤解を招くイメージを作り利益を得ていた。

SECは全ての有価証券において公平な市場の確保に努め、今後も市場操縦者を摘発し、責任を追及していく。

米証券法におけるエアドロップの立ち位置

これまでも、ICOが未登録証券に該当して、米国の証券法違反で摘発される事例は多数確認された。過去にはエアドロップを行なったプロジェクトがSECに取り締まりを受ける判例もあったが、有識者のMarco Santori氏は資金調達を行なわない場合のエアドロップは有価証券に該当しないと指摘。

ただ、エアドロップ単体が摘発される事例では、実際は資金調達の対価としてトークンが付与される場合が多く、エアドロップのみのICOが行われることは稀少であると分析していた。(2018年当時)

一方で、SECのコミッショナーで「クリプトママ」の愛称を持つへスター・ピアス委員長も2020年に、「トークンを無料であげることと売ることは明らかに違う」との見解を示したことがある。

関連:米SECのクリプトママ、DeFi(分散型金融)に個人的関心

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア