Binance Poolがサポート
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは29日、運営しているマイニングプール「Binance Pool」で、イーサリアムからハードフォークした新通貨ETHPoW(ETHW)のサポートを開始した。
#Binance launches the Ethereum Proof-of-Work $ETHW Mining Pool!
— Binance (@binance) September 29, 2022
Mine $ETHW with #Binance Pool and enjoy zero fees on all your earnings 🤝
Read more ➡️ https://t.co/gwe0eKb1Pt pic.twitter.com/J6jFOpljzG
マイニングプールとは、ネットワーク上で複数のマイナーのハッシュレートを集めて、マイニングを行うサービスのこと。見つかった報酬は、参加したマイナーが提供したハッシュレートの割合に応じて分配される。
BTC.comによると、Binance Poolはビットコイン(BTC)の過去1年間のハッシュレートの12.1%を占め、AntpoolやF2Poolといった主要マイナーに次ぐ業界4位の規模である。
なお、バイナンスは厳しい上場審査プロセスを理由に、29日時点に取引所サービスでETHWを取り扱っていない。同社はまた、マイニングプールによるサポートが「上場を保証するものではない」と述べている。
バイナンスでは現在ETHWの入金はできず、出金のみが可能である。また、Binance Convertという両替機能でETHWをステーブルコイン「BUSD」と「テザー(USDT)」への換金が可能だ。
ETHWのマイニングプール開設に関連して、バイナンスは10月29日までキャンペーンを開始している。期間中にETHWプールにハッシュレートを提供したユーザーにプール手数料ゼロが適用されるという。
関連:イーサリアムPoWフォーク(ETHW)が誕生 FTXやOKXで現物取引開始
関連:FTX、イーサリアムPow(ETHW)の永久先物取引開始
マージ後のマイナー動向
イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「The Merge(マージ)」実装から数時間後、PoWフォークである「ETHW」の稼働が16日に開始された。
ETHWはOKXやFTX、Bybitなどに新規上場し、当初約13ドルで取引されたが、その後は6~10ドル台を推移。Binance Poolの発表を受けて14%上昇して30日に11.95ドル程で取引されている。
イーサリアムのマージを経て、マイナーの多くは稼働を停止するか、ETHと同じGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)で採掘可能な代替チェーンに移行するかの選択を迫られた。
ETHPoWはその候補となるべく作成されたが、採掘報酬はイーサリアム(1,335ドル)と比較して1%以下である。
ETHPoWの他にもイーサリアムクラシック(ETC)やRavencoin(RVN)が候補となるが、これら移籍先チェーンに大量のハッシュレート(採掘速度)が集まったことで競争環境が激化。採算が合わなくなり、ハッシュレートの減少傾向を考慮して旧イーサリアムマイナーの80%がGPUマイニングを停止したとする見方も出ている。
データサイト2minersによると、代替チェーンの筆頭候補とされたイーサリアムクラシックのハッシュレートは、The Merge当日の307テラハッシュ(TH/s)付近をピークに約47%低下している。
関連:GMOコイン、ハードフォーク発生時点のイーサリアム保有者にETHW相当額の日本円交付へ