はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン方向感乏しく、オンチェーンデータは大口主体の数ヶ月間を示唆

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

24日の米NY株式市場では、ダウは前日比417ドル(1.34%)高と続伸した。

12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペース緩和の議論が始まるとの観測が報じられ、リセッション(景気後退)懸念が和らいだ。

また、英首相にスナク元財務大臣が就任することが伝わると、欧州の混乱を招いていた政情不安および市場の不確実性懸念が解消された。

関連:英国の新首相にスナク元財務大臣が就任へ 仮想通貨普及に積極的

そんな英国ではインフレ率(消費者物価指数)が前年同月比10%の大台を超えた。1981年以来の40年ぶりの水準だ。米金融大手・シティグループのアナリストの試算によれば、23年1月までに18.6%に達する可能性もある。

特に深刻なのが、国民生活に直結する食料品の価格上昇だ。昨今のポンド安の影響のほか、エネルギー価格と輸送コストの高騰が重なり、過去1年で14.6%上昇した。

ウクライナ情勢を受け、穀物や石油不足が加速して以来、物価上昇率が賃金上昇率を上回る状況が続いている。

EU(欧州連合)離脱のブレグジットが貿易に影響を与えたほか、新型コロナウイルスのパンデミックに伴うロックダウン時にバラマキ政策を実施したことなども紙幣の大量増刷に影響したとされる。

9月26日には、イングランド銀行の金融引き締め政策と逆行するようなトラス前政権の大型減税策発表で市場が動揺。英ポンド(GBP)や国債の暴落が発生した際に、「GBP/BTC」の取引量が前月比8倍に急騰。過去最高の8億8,100万ドルに達した。

CoinShares

これは欧州発の通貨危機において、ビットコインに一定の代替資産需要があったことを示している。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.78%安の19,293ドル。

BTC/USD日足

昨日は米株指数の反発に伴い上昇する局面もあったが、戻りは鈍く、上値の重さが目立つ。狭いレンジの中で方向感を失っている状況にあるが、ゆえにレンジを抜けた場合、ボラティリティ(価格変動性)が急上昇する可能性が高まる。

BTCは現在、エネルギーや貴金属で構成され、商品(コモディティ)市況の動向を示すベンチマークである「ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity Index)」に対して、史上最低のボラティリティを示している。

この点について、ブルームバーグのストラテジストのMike McGlone(@mikemcglone11)氏は、「誕生間もない新興テクノロジーであるビットコインは、誰も止められない”成熟段階”に突入した」と言及。「米WTI原油先物価格が現在と同水準の1バレル=84ドルまで上昇した2007年10月には、ビットコインは存在していなかった」とした。

暗号資産(仮想通貨)市場への資金流入が滞る背景の一つとして、ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクなど相場の不確実性のほか、米金融当局の積極的な金利引き上げがある。

株や仮想通貨投資より運用リスクの低い米国債の利回り上昇は、リスク資産市場の魅力を薄めることから、機関投資家のスマートマネーの流入停滞を指摘する声も少なくない。11月3日に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4会合連続の0.75%の利上げが濃厚であり、焦点は12月以降に移っている。

関連:世界の投資家が注目する米金融政策決定会合「FOMC」とは

オンチェーンデータ分析

データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは20日、ビットコインのクジラ(大口投資家)が、1BTC=20,000ドル前後でポジションを追加していることを示唆した。

最大手取引所のバイナンスを通じて取引されているとされ、バイナンスの現物取引高シェアは、米大手取引所コインベースの9%を大きく上回る84%にまで上昇している。

Ki Young Ju氏はビットコインの先物市場について、「今やその大半が、個人投資家から大口投資家に置き換わっている」と言及。その根拠として、月間平均出来高が跳ね上がり、過去の相場サイクルの底値圏との類似性を挙げた。

CryptoQuant

また、仮想通貨分析会社のSantimentによると、最大19億ドルに相当する「10,000BTC〜100,000BTC」を保有するクジラ(大口投資家)のビットコインアドレス数が、21年2月以来およそ20ヶ月ぶりの高値を記録した。

一方、100BTC~10,000BTCを保有するアドレス群は、19年6月以来の最低水準に達した。弱気トレンドの長期化を受け、一部のホルダーにシェアが偏り始めている可能性を示唆する。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧