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ブラックロック、AI台頭など「メガフォース」活用の投資戦略示す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

新たな経済環境における投資

米資産運用最大手ブラックロックの投資研究所は中間報告書で、先進国市場では人工知能(AI)が投資家に多大なリターンをもたらす原動力になり得ると主張した。

「新たな制度、新たなチャンス」と題したレポートでブラックロックは、経済やセクターの収益性に大きな変化をもたらす構造の革新的変化を「メガフォース」と呼び、現在進行中の五つの社会的潮流を特定した。

  • AIに代表されるデジタル・ディスラプション(破壊的イノベーション)
  • 地政学的要因によるグローバリゼーションの書き換え
  • 低炭素経済への移行
  • 高齢化する人口
  • 急速に発展する金融システム

ブラックロックは、新たなマクロ制度と資産のリターンがこのような潮流から形成されつつあると指摘。投資機会を得るためには「メガフォースをさらに高めるきっかけ」を特定し、その恩恵を受ける可能性のあるセクターや企業を見つけ、市場が価格に織り込んでいるかを追跡するのが重要だと述べた。

なお、メガフォースによる社会的影響が顕著になるには、数年単位ではなく10年単位の時間がかかるとしている。

AIに注目

ブラックロックは、ChatGPTなどの消費者向けツールの展開によってAI分野は急速に進展しているが、業界全体を分断するリスクもあるため、市場はまだその潜在的な影響を見極めている段階だと分析している。

ブラックロックは、米国の代表的株価指数である「S&P 500」の上昇が、「2000年代のハイテクブームの水準を超えて、一握りのハイテク銘柄に集中している」ことに注目。「この特異な株式市場は、AIのようなメガフォースが、マクロ環境が味方でなくとも、リターンの大きな原動力になり得ることを示している」との見方を示した。

同社は、AIによる自動化可能なタスクの範囲が広がっているため、AIが生産性とコスト削減による利益率の向上を後押しする可能性があると指摘。特に人件費が高い企業や、自動化可能なタスクの割合が大きい企業が最大の恩恵を受けるが、適応できなければ取り残される可能性があると述べた。

関連する分野としては、AI産業を支える半導体製造企業の株価が、AIの可能性に対する「市場の興奮」により上昇した一方で、AIと勝ち組候補にとって「データの重要性は過小評価されている」との考えを示した。

独自の膨大なデータセットを持つ企業は、革新的なモデルを生み出すために、より迅速かつ容易に大量のデータを活用する能力を持っている。新たなAIツールは、一部の企業が眠らせているデータの宝庫を分析し、その価値を解き放つ可能性がある

投資研究所は、先進国市場のAI関連株をオーバーウェイトで組み入れているという。

関連:米ブラックロック、ビットコインETFを申請

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