EDX MarketsとTalosが提携
暗号資産(仮想通貨)の機関投資家向け取引技術を提供するTalosは25日、フィデリティ・インベストメンツなどが支援する機関投資家専用の仮想通貨取引所EDX Markets(EDXM)と提携すると発表した。
TalosはEDXMと提携する、最初の注文執行管理システム(OEMS)となる。これによりEDXMは機関投資家に、業界最先端のフロントエンドUI(ユーザーインターフェース)と実績ある取引ツールを提供できるようになる形だ。
EDXMのジャミール・ナザラリCEOは、次のように説明している。
Talosと提携し、一流のプロバイダー・ネットワークの一員となることができて嬉しい。
この提携により、顧客に流動性についてより広い選択肢を提供できるようになる。また、伝統的な金融機関と仮想通貨に特化した企業の両方に、包括的で堅牢な取引を提供するという当社の機能が強化される。
ナザラリCEOが述べるように、EDXMは、Talosのエンド・ツー・エンドの取引プラットフォームを活用することで、顧客が幅広い流動性市場へアクセスすることを可能にする。
EDX Markets(EDXM)とは
EDX Markets(EDXM)は、6月にサービスを開始したばかりの機関投資家専用の取引所だ。シタデル・セキュリティーズ、フィデリティ・インベストメンツ、チャールズ・シュワブや、仮想通貨ベンチャーキャピタルのParadigmやSequoia Capitalなどが出資している。
ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄を取り扱っており、特徴としては顧客の仮想通貨を直接保管しない「ノンカストディアル」型であることだ。
特に、破綻した大手仮想通貨取引所FTXが、顧客資産を不正流用していたことが判明してから、米証券取引委員会(SEC)など規制当局は、仮想通貨企業が様々な機能を一手に引き受けることで利益相反が起こる可能性を指摘してきた。
EDXMは、カストディ機能を分離して第三者機関に委託しており、こうしたリスクを低減する狙いだ。
EDXMは今年後半に、同取引所でマッチングされた取引の決済を円滑にするためのクリアリングハウス「EDX Clearing」を立ち上げることも計画している。このクリアリングハウスにより、取引参加者は価格競争や決済リスク低減などの恩恵を受けることができるとされる。
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カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
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Talosについて
Talosは2018年に設立された機関投資家向けの仮想通貨プラットフォーム。ニューヨーク、ロンドン、キプロス、シンガポールに拠点を構えており、取引プラットフォーム、レンディング・マーケットプレイス、データや分析、決済ツールなどを提供している。
2022年5月には、シリーズB投資ラウンドにおいて、1,760億円(12.5億ドル)の評価額で約148億円(1.05億ドル)の資金調達を完了している。StripesやBNY Mellon、Wells Fargoなどの大手金融機関も出資したことで注目を集めた。
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