はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンスと米司法省の和解やCZ氏の退任について、SECクリプトママやコインベースCEOがコメント グローバル版バイナンスは米国から完全撤退

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスに対する歴史的措置

米国財務省は21日、マネロン対策と制裁法違反で有罪を認めた世界最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスとの和解内容を発表した。

バイナンスには合計43億6,800万ドル(6500億円相当)の罰金が課せられるが、これは財務省史上最大級のものとなる。

財務省は、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)、外国資産管理局(OFAC)、内国歳入庁刑事捜査局(IRS-CI)を通じて、バイナンスとその関連企業を拘束する「前例のない措置」をとったと発表。IRS-CIは、バイナンスとその創設者でCEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏に対する刑事捜査を主導し、刑事告発と民事罰の根拠を提供する役割を果たした。

今回の和解は、米司法省(DOJ)及び商品先物取引委員会(CFTC)の関連問題解決と同時に締結されたものであり、ジャネット・イエレン財務長官とメリック・ガーランド司法長官は同日、共同記者会見でバイナンスに対する「歴史的措置」と、その罪状についてそれぞれ声明を発表した。ラス・ベーナムCFTC委員長も同席した。

財務長官と司法長官の発言

イエレン財務長官はバイナンスは利益追求において、法的義務を無視したと指摘。その「意図的な失敗により、テロリストやサイバー犯罪者、児童虐待者に資金が流れることを許容した」と非難した。

ガーランド司法長官は「バイナンスは米国民の安全より利益を優先」し、米国法で金融サービス業としての登録とマネロン対策の実施が義務付けられていることを知りながら、そのどちらも行わなかったと指摘。「バイナンスが犯した犯罪」も寄与してバイナンスは世界最大の取引所となったが、「今、バイナンスは米国史上最大規模の企業に対するペナルティを支払うことになった」と述べた。

今回、バイナンスに課せられる罰金は、2010年にメキシコの麻薬カルテルに関連したマネロンが摘発され、1.6億ドル(237億円)の罰金が課せられた米金融大手ワコビア・コーポレーションをはるかに上回るの規模(約26倍)となっている。

関連:バイナンスCZ氏がマネロン対策違反で有罪認め 米司法省との司法取引で

FinCENとの和解合意

バイナンスとFinCENとの和解合意では、34億ドル(5,000億円相当)の民事罰が課せられるが、これは財務省とFinCENの歴史の中で最大の罰金だという。

また、和解の一環として、バイナンスには5年間の監視期間も課され、米国からの完全撤退を含むコンプライアンス義務の対象となる。

なお米国版取引所のBinance.USは、バイナンスの米国関連会社であるBAM Trading Servicesが運営しており、登録されたマネーサービス事業であるため、グローバル版バイナンス撤退の影響を受けないとされている。

OFACとの和解合意

OFACの和解合意では、バイナンスに9億6,800万ドル(1,435億円)の違約金が課されるとともに、FinCENが監督する監視体制への全面協力を含む、一連の制裁遵守義務の履行が求められている。

バイナンスが和解の条件である米国居住者にサービスを提供しないことを確認するため、財務省は同社の帳簿や記録、システムへアクセスすることが可能になる。

これらの義務を履行できなかった場合、バイナンスには1億5,000万ドル(222億円)の罰金などの追加措置が課せられる可能性があるという。

CZ氏は辞任

2017年の創設以来、バイナンスを率いてきたチャンポン・ジャオ(CZ)氏は、米国の規制違反容疑を認め、CEOの職を辞任することに同意。後任にバイナンスの地域市場責任者を務めたリチャード・テン氏を指名した。

CZ氏は個人として約74億円(5,000万ドル)の罰金を支払うことにも同意している。なお、この罰金は減額される可能性もあるという。

関係者の反応

米大手取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、Xへの投稿で長期的な視点からコンプライアンスを重視してきた同社の取り組みを強調。バイナンスへの厳しい執行のニュースは、「困難なやり方をとってきたことが、正しい決断だったことを裏付けている」とコメントした。

また同氏は、コインベースの米国での事業運営には多くの困難が伴ったが、今回のバイナンスへの措置が「規制の明確性を達成するための触媒となることを願っている」と述べた。

米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員は、進行中の事件について話すことはできないとしながら、「裁判だけが仮想通貨の規制を明確にする唯一の方法ではない」との、従来の主張を繰り返した。

自身が「仮想通貨業界の擁護者だという評価」には賛同しないが、同業界に対するSECのアプローチには改善が必要だと述べた。

私が提唱しているのは、人々がSECと関わり、どのような規制が適用されるかを把握し、その規制を遵守できるようにすることだ。

関連米SEC提訴「未登録の証券取引所運営、資産管理混同」にクラーケン反論

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/22 月曜日
20:05
Bybit、日本居住者向けサービス終了へ 2026年1月が最終期限
Bybitが日本居住者へのサービス終了を発表。2026年1月22日がKYC2完了の最終期限となり、未完了者は制限対象に。金融庁の規制強化を背景に、10月の新規登録停止に続く措置。世界第2位の取引量を持つ同社の撤退により、多くのユーザーへの影響が予想される。
18:00
Digital Space Conference 2026 無料チケット受付開始
ユーザーがメタディスクリプションを100文字程度で作成するよう依頼しています。DSC2026の記事内容に基づいて、SEOに適したメタディスクリプションを作成します。2026年2月17日、虎ノ門ヒルズフォーラムで「Digital Space Conference 2026」を開催。日本デジタル空間経済連盟主催、CoinPost企画・運営。AI、Web3、メタバース等を横断し次の社会像を議論。参加無料、チケット受付開始。
15:53
ユニスワップ手数料スイッチ提案が定足数達成 UNI焼却メカニズムが今週始動へ
ユニスワップのプロトコル手数料スイッチ提案「UNIfication」が定足数を達成。賛成票6,900万UNI超で12月26日の投票終了後、1億UNIの遡及的焼却と手数料連動型の継続的焼却メカニズムが今週後半に始動する見込み。
15:20
量子コンピュータは仮想通貨の脅威なのか?カルダノ創設者が示す客観的評価と対策
カルダノ創設者ホスキンソン氏が、量子コンピュータによる仮想通貨への脅威について冷静な対応を呼びかけ、米DARPA主導の、量子ベンチマーク・イニシアチブ(QBI)の参照を推奨した。
14:54
香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ リスク管理100%義務付け=ブルームバーグ
香港保険監督局が保険会社による仮想通貨投資を認める新規制案を発表。100%の資本準備義務付けで慎重姿勢を示しつつ、2026年に公開協議を実施。総保険料約13兆円の業界から機関投資家資金の流入可能性。
14:03
著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘
著名ヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ氏がポッドキャストで、ビットコインは中央銀行の準備資産として大規模保有される可能性が低いと指摘。透明性や技術リスクを理由に挙げた。一方、個人投資家には5〜15%の配分を推奨している。
11:44
米議員、仮想通貨税制で法案起草 少額取引非課税やステーキング関連所得繰り延べも
米超党派議員が仮想通貨税制の改正法案を発表した。少額のステーブルコイン取引を非課税化することや、ステーキングやマイニング報酬の課税繰延べを盛り込んでいる。
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
09:45
ファンドストラットが2026年仮想通貨市場に弱気予測 トム・リー氏と対照的
ファンドストラットが2026年前半に仮想通貨市場が下落することを予測した。一方、同社のトム・リー共同創業者は、ビットコインやイーサリアムに強気見解を示している。
08:51
テザー、AI機能搭載モバイルウォレットの開発を発表
テザー社がAI機能搭載のモバイルウォレット開発を発表。ビットコイン、USDT、USAT、XAUTの4資産に対応し、WDKとQVACを活用してプライバシーと自己管理性を重視した設計を目指す。
08:23
VanEck、アバランチETF申請にステーキング報酬機能を追加
VanEckが米SECに提出したアバランチETF申請書を修正し、ステーキング報酬機能を追加。保有AVAXの最大70%をステーキングし利回りを創出する計画。米IRSの新規則が後押し。
12/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインの2026年相場予測やブロックチェーン人気ランキングなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、流動性低下で来週も不安定な展開か|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインの今後の見通しをbitbankアナリストが解説。年末のホリデーシーズンで流動性が低下する中、来週にかけても方向感に欠ける展開が続く可能性。12月の米雇用・物価データが金利見通しの鍵を握る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|与党税制改正大綱の決定に高い関心
今週は、米SECのポール・アトキンス委員長の講演、ノルウェー政府系ファンドによるメタプラネットのビットコイン戦略に対する支持、政府・与党の2026年度税制改正大綱の決定に関する記事が関心を集めた。
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧