はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC提訴「未登録の証券取引所運営、資産管理混同」にクラーケン反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECの3つの批判内容

米国証券取引委員会(SEC)は20日、暗号資産取引所クラーケンの運営会社Payward Inc.及びその関連会社Payward Ventures Inc.を提訴した。この訴訟は、主に三つの問題点に焦点を当てている。

1. 未登録の証券取引所運営: SECは、クラーケンが未登録の証券取引所、仲介業者、ディーラー、およびクリアリング機関として運営していたと主張している。クラーケンは『SECが行う監査や、記録を保持する義務、また利益相反を防ぐための対策など、適切に登録された証券仲介業者にとって禁止されているはずの様々なリスク』を顧客に晒していたと述べている。

2. 顧客の資産管理の混同: SECは、クラーケンが顧客の仮想通貨資産と自社の資産を混同していたと主張している。時には330億ドル以上の価値がある顧客の仮想通貨資産を保有していたが、これらを自社のものと混同。時折5億ドル以上の顧客の現金を保有し、一部を自社の現金と混同していた。独立した監査人からは「重大な損失のリスク」を作り出している、と指摘されていた。

3. トークンの証券指定: SECは、クラーケンが取り扱ういくつかのトークンを証券として指定している。これにはアクシーインフィニティ(AXS)、アルゴランド(ALGO)、コスモス(ATOM)、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)、ダッシュ(DASH)などが含まれる。

SECの執行部門長Gurbir S. Grewal氏は、「Krakenが法令を遵守する代わりに数億ドルの利益を追求した」と述べ、これにより「利益相反に満ちたビジネスモデル」が生まれ、投資家の資金を危険に晒したと指摘した。

同氏はさらに、この訴訟が他の暗号資産関連企業にも法令順守を促すメッセージを発信するものだと強調した。

23年2月にクラーケンは仮想通貨ステーキングプログラムに関してSECと和解した。しかし、一方で、その主張を認めることも否定することもなかった。

関連:米SECがコインベースの主張却下を裁判所に要請 有価証券めぐる訴訟で

クラーケンの声明

クラーケンは21日、米SECからの告発に対して異議を唱える意向を示し、「我々は証券をリストアップしていない」との立場を堅持すると述べた。訴訟は提供する商品には何の影響もなく、サービスは中断することなく顧客に提供し続けるとした。

同社は、SECのデジタル資産取引プラットフォームに対するアプローチが効果的でないと主張し、その根拠として、法的根拠の不足と明確な登録ガイドラインの欠如を指摘している。

根拠として、ニューヨーク南部地区連邦裁判所が2023年8月にコインベースの事件でSECが関連する法的テストに完全に対応していないと裁定した事例を挙げた。この裁判所はSECの法理論が取引の「経済的現実」に反すると判断していた。

SECが提起した「顧客資金と自社資金の混同」という主張に対し、クラーケンはSECが顧客資金の紛失や損失が発生したとは主張していないと指摘。顧客の資金を不適切に扱っている具体的な証拠もないことを示唆した。

クラーケンはまた、「長年にわたり、仮想通貨特有のリスクと利点に対応する効果的な米国市場規制の必要性を訴えてきた」と述べ、この不明確な規制状況を解決するためには議会の行動が最善の方法であると主張している。

関連:「SECの仮想通貨企業取り締まり資金の使用を禁止」米下院が業界保護法案を可決

SECの仮想通貨業界への取り締まり

米SECはまた、23年6月に米国の仮想通貨取引所コインベースとバイナンス、およびその米国支社Binance U.S.に対して提訴を行った。SECはこれらの企業が、規制機関に登録せずに、国内で証券取引所、ブローカー、クリアリング機関として違法に運営していたと非難した。

関連:バイナンスとコインベースのSEC訴訟|仮想通貨規制の現状と業界の反応を整理

2社に対するSECの訴訟でも、複数のトークンが証券としてリストアップされ、バイナンスについては顧客の資金を混同していると非難した。バイナンスもこれらの主張を否定している。

一方、SECに対抗してコインベースは8月に、その追求権限がないとの立場を表明し、ニューヨーク連邦裁判所に訴訟の却下を申し立てた。対象となるデジタル資産とサービスは証券とは認識されず、従ってSECの管轄外であると主張している。

コインベースの最高法務責任者、ポール・グリュウォールはXへの投稿で、自社プラットフォームでリストアップされている資産は証券ではなく、SECの管轄外であると述べた。

関連:米SECがコインベースの主張却下を裁判所に要請 有価証券めぐる訴訟で

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
07:00
JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧