はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「SECの仮想通貨企業取り締まり資金の使用を禁止」米下院が業界保護法案を可決

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECから業界守る法案提出

米国のトム・エマー下院議員(共和党)は8日、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長を強く批判し、SECの法的執行から暗号資産(仮想通貨)業界を保護する法案を提出した。

この「金融サービス・一般政府歳出法」修正案は、議会がSECの管轄範囲を定めるまで、SECが仮想通貨企業に対する執行措置に資金を使用することを禁止するものだ。

この超党派の修正案は、反対意見なく下院を通過した。

エマー議員はゲンスラー委員長を「役立たずで無能」だと強い言葉で批判し、次のように述べている。

「執行による規制」は、この政権であまりにも一般的な慣行となっている。特に、SECとゲンスラー委員長による資本市場・金融サービス業界、新興の仮想通貨コミュニティに対する姿勢において顕著だ。

私の修正案は、犯罪者や詐欺師を追及する米国の力を損なうことなく、ゲンスラー委員長による規制の乱用、米国のイノベーションと資本成長を粉砕しているやり方に終止符を打つことを目指している。

ゲンスラー氏率いるSECは、大手仮想通貨取引所コインベースやバイナンスも含め、様々な企業に対して「未登録有価証券」を提供していたとして訴訟を起こしている。

しかし、何が証券とみなされるかについて明確なガイドラインを明文化しておらず、その判断は恣意的に行われているとの批判も高まっているところだ。

9月にはリッチー・トーレス議員が、SECは証券の意味を無限に解釈できてしまうとして批判。「トークン化されたポケモンカードは証券か?」とゲンスラー氏に回答を迫った場面もある。

関連米公聴会「トークン化されたポケモンカードは証券か?」ゲンスラーSEC委員長は答え示さず

関連Courtyard、ポケカNFT無料配布ウィーク開催へ

「FTXを見逃していた」と意見

エマー議員は、「従うべきルールやガイドラインがない場合、業界はどうやって準拠できるだろうか」と指摘した。

さらに、SECは米国でイノベーションを進めようとするコインベースのような上場企業を追及する一方で、FTXなど詐欺的行為を実際に行っていた企業を見逃していたとも続けている。

この背景としては、ゲンスラー氏がFTX破綻前の22年3月に、FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOと会合を持ち、「ノーアクションレリーフ」について議論したのではないかとの疑いが浮上していたことがある。

ノーアクションレリーフとは、SEC監督下にある企業の行為が規制のグレー領域に触れる可能性がある場合などに、その企業が一定の保証を得ることを可能にする制度だ。

関連FTXの「規制独占」戦略、全容解明求める意見書が4千件集まる

SECに不利な裁判所判断

エマー議員は、最近の裁判所や米政府説明責任局(GAO)の、SECには不利となる見解についても言及した。例えば、リップル社対SEC裁判における「仮想通貨XRPそれ自体は証券ではない」という地方裁判所の部分的判断がある。

関連米SECがリップル裁判でCEOらへの告発棄却 XRP急騰

関連米政府監視機関GAO「SEC仮想通貨会計公報は議会審査対象」SECの越権行為に釘を刺すか

さらに、グレイスケールのGBTCのETFへの転換申請に関する裁判では、現物ビットコインETFの申請を拒否するSECの判断は「恣意的で気まぐれなもの」だと裁判官が判断していた。

関連米SEC、ビットコインETFへの転換申請を巡りグレースケールとの協議を開始=報道

GBTCとは

世界最大のビットコイン投信で、2023年9月1日時点での運用資産は約170億ドル(約2.5兆円)。この金融商品はクローズドエンド型の投信であり、買い戻しや解約は原則として認められていないため、投資家は流通市場で他の投資家へ売却する。市場ではGBTCの価格が一時的に原資産価値に対して48%のプレミアムがついたこともある。

▶️仮想通貨用語集

本記事のサムネイルはGPT4によって作成されたもの

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
14:17
ビットコインとイーサリアムに資金集中 仮想通貨市場は年末調整局面へ=Wintermute分析
大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、仮想通貨市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨へローテーションを開始している。
13:25
取引所クリプトドットコム、スポーツ予測市場でトレーダー募集 利益相反の懸念も
仮想通貨取引所クリプトドットコムがスポーツ予測市場のトレーダーを募集している。流動性提供を担当する職務内容だが、利益相反に当たるとの議論も浮上している。
10:20
ブラックロック、ビットコインETFを「今年の3つの投資テーマ」に選出
最大手資産運用会社ブラックロックが、仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」を2025年の上位3つの投資テーマに選出した。米国債などと並ぶ投資先として位置づけている。
09:46
コインベースがベース経由でSOL入出金に対応
コインベース取引所が23日、ベースネットワーク経由でのSOL入出金機能を開始。チェーンリンクとの協力により、外部ブリッジを使わずソラナとベース間の直接送金が可能に。ただし日本を含む一部地域では利用制限あり。
09:45
IMF「エルサルバドルのBTCプロジェクトに関する議論は継続中」
IMFは、エルサルバドルに関する職員の報告を公開。報告は40カ月間の中期融資制度のレビューに関する内容で、同国の仮想通貨ビットコインのプロジェクトにも言及している。
08:30
米Amplify ETFs、ステーブルコインとトークン化特化の新ETFを上場
米Amplify ETFsがステーブルコイン技術とトークン化技術に投資する2つの新ETFを発表した。ステーブルコイン市場は2030年に3兆7000億ドル、トークン化資産は3兆6000億ドルへの成長が見込まれている。
07:20
ロシア中銀、適格投資家以外の仮想通貨購入の認可を政府に提案
ロシア中銀は、仮想通貨規制のコンセプトを考案して政府に対して法改正の提案を行ったと発表。提案の内容や今後の計画を説明している。
06:55
ソラナ特化型ウペクシ社、シェルフ登録で柔軟な資金調達体制を構築
米上場のソラナ特化型企業ウペクシが米SECにシェルフ登録届出書を提出し、未使用のエクイティラインを解約する計画を発表した。資本調達の効率性向上とコスト削減を目指す動きとなる。
06:20
ビットコイン、金・銀と乖離し上昇に遅れ 大口売り圧力が要因に
仮想通貨ビットコインは金や銀と異なり最高値から30%下落したまま推移。8月以降ナスダックとの相関が乖離し、大口プレイヤーからの売り圧力が上昇を阻んでいると分析された。
05:35
米アリゾナ州、仮想通貨免税法案を提出
米国アリゾナ州で仮想通貨を州税から免除する法案が提出された。連邦レベルでは200ドル未満のステーブルコイン取引を非課税とする超党派法案の草案が発表された。
12/23 火曜日
18:30
CircleのStableFXとは?外国為替をステーブルコインで効率化する戦略を読み解く
1日1,400兆円超のFX市場に、Circle社がステーブルコインで挑む。StableFXの仕組み・強み・日本円ステーブルコインJPYC採択の背景まで、戦略を読み解きます。
18:16
ビットコイン、インフレ調整後の購買力ベースでは10万ドル突破せず=Galaxy分析
ギャラクシー・デジタルの研究者がインフレ調整後、ビットコインは「真の10万ドル」に未達と指摘。しかし日本の投資家は円安効果により米国投資家を大きく上回る実質リターンを獲得。円キャリートレードの典型例を分析。
18:00
edgeX(エッジエックス)とは?エアドロップ情報・使い方を解説
edgeX(エッジエックス)は累計取引高5,900億ドル超の永久先物DEX。独自トークンの発行やエアドロップも予定されています。本記事では特徴や使い方、流動性提供の方法、手数料・リスクまでわかりやすく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧