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米SEC、ビットコインETFへの転換申請を巡りグレースケールとの協議を開始=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

グレースケールとの協議を開始か

米国証券取引委員会(SEC)が、グレースケールのビットコイン投資信託(GBTC)を現物ビットコインETFに転換する提案について協議を開始したことが内部情報に基づき報じられている。

具体的には、SECの「市場取引部」および「企業財務部」が、暗号資産(仮想通貨)の資産管理会社であるグレースケール・インベストメンツに対してヒアリングを行っていると、匿名の情報源が明らかにした。

この情報は、グレースケールの姉妹会社であるCoinDeskが8日に報じた。グレースケールはSECとの裁判で有利な判断を受けたことで、ビットコインETFの上場承認への期待が高まっている。

この報道に対し、グレースケールのクレイグ・サーム最高法務責任者は、現在市場取引部との建設的な対話に集中しているとCoinDeskに回答した。

さらにサーム氏は、ブラックロックやフィデリティなど、他の金融機関が提出しているビットコインETFに関する申請も同様に進行中であることを指摘し、「もはや承認が可能かどうかではなく、いつ承認されるかの問題だ」と述べている。

今月4日、グレースケールはSECに対して書類を提出し、ETFへの転換に関する早急な承認を求めていた。

GBTCとは

世界最大のビットコイン投信で、2023年9月1日時点での運用資産は約170億ドル(約2.5兆円)。この金融商品はクローズドエンド型の投信であり、買い戻しや解約は原則として認められていないため、投資家は流通市場で他の投資家へ売却する。市場ではGBTCの価格が一時的に原資産価値に対して48%のプレミアムがついたこともある。

関連:ビットコイン投信GBTCのETF転換申請、審査の迅速化を求める動き

なお、ブルームバーグのETFアナリスト ジェームズ・セイファート氏は現在の12件の審査状況について、「グレースケールを含む12件のETF上場申請は、11月8日から11月17日の間に承認される可能性がある」とコメント。

根拠については、SECが申請中のETFの期限を延長した際、11月8日(水)を反論コメントの最終日としたこと。また、SECは8日(米時間)から11月17日までの間にいくつかのETFを承認する可能性もあるが、すべてのETFに同日の取引開始を要求する可能性もあるとの見解だ。

さらに、ArkのETFは来年1月10日前後が期限であるため、「理論的には、SECは今から2024年1月10日までのどの時点でも、最初の9つの申請について決断を下すことができる」とも指摘している。

ビットコインETF審査リスト 出典:Bloomberg Intelligence

グレースケールとSECの係争

今年8月にはグレースケールが提供するGBTCのETFへの転換申請に関する裁判で、グレースケール側に有利な判断が示された。

担当裁判官は、SECが先物ベースのETFは承認しながら実物ビットコインETFの申請を否定していることについて明確な説明が不足しており、「恣意的かつ気まぐれなもの」と指摘。この結果、SECに対してグレースケールの申請を再度見直すよう命じた。

10月23日、米連邦裁判所はSECに対し再審を正式に命じ、グレースケールはこれに先立ち、GBTCのETFへの変換とArcaへの上場申請を行っていた。

業界専門家の中には、グレースケールに有利な判決が今後のETF申請に好影響を与える可能性があるとの意見が出ていた。

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