CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン投信GBTCのETF転換申請、審査の迅速化を求める動き

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

GBTCの早急なETF承認を要請

暗号遺産(仮想通貨)の資産管理会社グレースケール・インベストメンツは4日、米国証券取引委員会(SEC)に書類を提出。同社のビットコイン投資信託(GBTC)に関する「ビットコイン現物ETF(上場投資信託)」への転換申請について、早急な承認を要請した。この申請に関連して、裁判所がSECに対し、再審査を命じたことを受けたものだ。

グレースケールは「SECが既に承認した、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されるビットコイン先物ETPとGBTCを異なる方法で扱う根拠はない」と述べ、急速な承認が必要だと強調している。

既に「SECがビットコイン先物ETPに承認を与えている場合、GBTCのビットコイン現物ETFも同等の扱いを受けるべきだ」とグレースケールは指摘。ビットコインとビットコイン先物が密接に相関していると裁判所が認定した事実を根拠に挙げた。

同社は特に、GBTCの100万人近い既存の投資家が多大な損失を被っている状況に対する対応として必要だと訴えている。

GBTCは世界最大のビットコイン投信であり、2023年9月1日時点での運用資産は約170億ドル(約2.5兆円)。しかし、この金融商品はクローズドエンドの投信形式であり、買い戻しや解約は認められていないため、投資家は取引所で他の投資家に売却するしかない。

足元では、2021年のビットコイン先物ETFの承認による投資家離れ、及び2022年の弱気相場等の影響で、一時的にGBTCのプレミアムレートは48%にも達していた。

同社は、「もしGBTCがビットコイン先物ETPと同様に扱われれば、このような市場の不均衡は解消されるだろう」と指摘している。事実、裁判所の判決が発表された日には、セカンダリーのGBTC価格は前日比17%近く上昇し、プレミアムレートは急減し、前日の-26%から-18%まで縮小した。

出典:Bybt

データサイトBybtによると、執筆時点にGBTCの発行市場価格は1株当たり23.08ドルで、一方、OTCマーケット(OTCQX)でのGBTC価格は18.48ドル。乖離を示すプレミアムレートは-19.93%となっている。

総じて、グレースケールは、SECに対して、GBTCのETF転換申請を速やかに承認するべきだと主張している。これによって、投資家に対して公平な市場が提供され、同時に同社も資産を効率的に管理できるとされている。また、他のビットコイン現物ETFも既に申請中であり、競合する可能性があるため、急速な承認が必要と述べた。

関連:グレースケールの投資信託「GBTC」とは ビットコイン現物との価格乖離が注目される理由

SECのビットコインETF審査

米コロンビア特別区控訴裁判所の裁判官は2023年8月29日に、GBTCのETF転換申請が却下された後に証券運用会社がSECを提訴した結果、SECはその入札を再審査する必要があるとの判決を下した。裁判官は「SECは、GBTCのオープンエンド型ETF転換申請を却下した理由について、類似商品に対する扱いの違いに説明不足で、恣意的である」と述べた。

8月末、米SECは7つの現物型ビットコインETFへの判断を延期すると発表した。延期されたのは、ブラックロック、フィデリティ、VanEck、Bitwise、WisdomTree、Invesco、ValkyrieのETFで、SECはパブリックコメントの期間を10月中旬(45日追加)まで。8月11日にSECは、ARKの現物型ビットコインETF申請の判断を延期した経緯がある。

関連:SECが全ての現物仮想通貨ビットコインETF判断延期、Worldcoinがアルゼンチンで一日9千人以上登録|1日朝の重要速報まとめ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧