CoinPostで今最も読まれています

米SECがコインベースの主張却下を裁判所に要請 有価証券めぐる訴訟で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

有価証券性を改めて強調

米証券取引委員会(SEC)は3日、対コインベース訴訟で新たな申立書を地方裁判所に提出した。裁判官に暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの主張を却下するよう求めるものだ。

裁判では、コインベースが「投資契約」を構成し、そのために有価証券とみなされるトークンを提供していたかどうかが主な焦点として争われている。

SECは、投資契約とは「人が自分の資金を共通の事業に投資し、その事業のプロモーターや第三者の努力のみから利益を期待できるような契約、取引、計画」であると改めて述べた。さらに、次のように続けている。

本件で問題となっている取引は、ハウイーテストの「柔軟」で「適応可能」な性質を満たしている。

それぞれの仮想通貨発行者は、資産価値(流通市場を通じた転売によるものを含む)を生み出し維持するために広く公表した計画に基づいて、投資価値が増加することを期待させて、投資家(コインベースのプラットフォームでトークンを購入する者を含む)を勧誘した。

こうしたことは、ハウィーテストにおける投資契約の本質である。

一部の仮想通貨は、ハウィーテストの幅広い解釈を当てはめれば有価証券とみなせると繰り返した形だ。

SECは、コインベースが、投資契約には「将来の価値を提供する契約上の約束」あるいは「事業の利益、収入、または資産に対する契約上の権利」が含まれていなければならないと主張していることに言及した。その上で、ハウィーテストはそうした要件を課していないとも続けた。

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。

▶️仮想通貨用語集

コインベース側の反応

一方、コインベースのポール・グレワル最高法務責任者はSECの申し立てについて、次のようにコメントしている。

当社のプラットフォームにリストされている資産は有価証券ではない。したがってSECの管轄外である。過去数か月で出された裁判所の判決によっても、そのことは明らかになった。

SECが主張している内容によると、ポケモンカードから切手などに至るまで、あらゆるものも有価証券とみなせてしまう。このことは、先週リッチー・トーレス議員が突き止めたところだ。

そのような主張は法律とはいえない。

グレワル氏は、10月24日に今回の件について返答を示すとも述べた。

リッチー・トーレス議員は、27日に開催された米国下院金融サービス委員会の公聴会で、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長に「投資契約」という概念を無限に拡張しているとして懸念を示していた。

その席でトーレス議員が「ブロックチェーン上でトークン化されたポケモンカード」は有価証券か?と問うと、ゲンスラー委員長は明確な回答を避けた場面がある。

関連米公聴会「トークン化されたポケモンカードは証券か?」ゲンスラーSEC委員長は答え示さず

グレワル氏は「過去数か月の判決」がどの件かは明確にしていないが、米国の地方裁判所は7月、SEC対リップル社の裁判で、一般投資家に向けて行うXRPの二次販売については証券とは認めない判決を下した。グレワル氏はこのことに言及していた可能性がある。

関連リップル対SEC訴訟、両者が次の法的ステップで攻防

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧