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リップル対SEC訴訟、両者が次の法的ステップで攻防

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECの中間控訴に異議を唱える

米リップル社は1日、米国証券取引委員会(SEC)による中間控訴に対抗し、裁判所にその取り下げを要求する法的書類を提出した。

リップルの代理人弁護士は、SECがこの中間控訴で必要な法的条件に適合していないとして、訴訟が不必要に長引く危険性があると主張している。同社は、通常の控訴、和解、判決の執行、その他の法的手続きに重点を置く方針だ。具体的には、CEOのGarlinghouse氏と共同創設者Larsen氏による証券法違反の主張に関する裁判が、2024年第2四半期(4〜6月)に予定されている。

リップルの弁護士団はさらに、SECが控訴に成功しても、それによって訴訟が差し戻されるだけで、根本的な解決には至らないと述べている。彼らは、多くの未解決の問題が残っているため、SECの控訴は時期尚早で、訴訟が遅延する可能性が高いと警告している。

この見解は、本訴訟が多層的な性質を持ち、企業レベルでの判決だけでは全ての問題が解消されないという立場に基づいている。未解決の問題としては、SECがリップルの取引に対してどこまで権限を持つのか、登録要件からの免除が適用されるか、さらにはリップルのODL販売が「機関投資家向け販売」に該当するかどうかなど、今後の控訴審でも影響力を持つ事項が含まれている。

中間控訴とは

「中間控訴(interlocutory appeal)」は、裁判が最終判決に至る前の段階で、特定の命令や決定に対して高等裁判所に控訴を行う手続きを指す。これは通常、特定の法的問題について高等裁判所の指導が必要な場合に採られるが、裁判の全体的な進行を遅らせるリスクもある。

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リップル側は、これらの未解決問題が最終判決前に解消されれば、次の控訴段階がスムーズに進行する可能性が高いとの見解を示している。

さらにリップル側は、SECの中間控訴が許可された場合、機関投資家向けのXRP販売に関連する判決に対して「クロスアピール」を提起する意向も明らかにしている。クロスアピールとは、すでに下された判決に対し、両当事者がそれぞれ異議を唱える特別な法的手続きで、通常の控訴とは区別される。

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2023年の訴訟動向

この問題は、7月に連邦地裁判事アナリサ・トーレスが下した判決に端を発している。当時、トーレス判事はリップル社が仮想通貨取引所で一般投資家に向けて行うXRPの二次販売を有価証券とは認めず、これはリップルにとって、そして仮想通貨業界全体にとっても重要な勝利とされた。

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ただし、トーレス判事は機関投資家に対するXRP販売に関しては、SECの主張を支持。「機関投資家に対する数億ドル規模のXRP販売は違法な有価証券販売だ」と結論付けた。

8月に入り、SECはこの判決の一部に対して上訴許可の申請を行った。SEC側は、「この訴訟の最終的な解決を大いに促進するであろう重要な法的問題が含まれている」と述べた。

SECの弁護士によれば、この訴訟の結果は規制当局と、業界大手の仮想通貨取引プラットフォームであるバイナンス社やコインベース社との間で進行中の訴訟にも「実質的な影響」を与える可能性があるという。

関連:米SECが提訴した「リップル裁判」まとめ(20年12月〜23年7月)

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