バイナンスやXをブロック
南米に位置する国ベネズエラは、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスなどのウェブサイトへのアクセスを遮断した。地元の反検閲団体VE sin Filtroが9日に報告している。
また、バイナンスのラテンアメリカ部門のXアカウントも11日、次のように投稿した。
ソーシャルネットワーキングサイトなど、様々な分野の企業ウェブサイトと同様、バイナンスのページもアクセス制限に直面しているところだ。
当社は、顧客資金が堅牢なセキュリティプロトコルの下で安全に保管されていることを保証する。
また、状況を注意深く監視し、可能な限り最善かつ迅速な方法で対処するとも続けた。
背景としてベネズエラでは、7月28日の大統領選後、選挙結果をめぐって世論が荒れており、このことへの対処でマドゥロ大統領は8日、SNSサイト「X」の使用を10日間禁止すると発表した。
マドゥロ大統領は、イーロン・マスク氏が国内の対立を煽っていると主張している。マドゥロ大統領と、同氏の辞任を呼びかけるマスク氏はX上で対立していた。
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暗号化メッセージングアプリSignalなど他のサイトもXと同時にブロックされた。
現職のニコラス・マドゥロ氏は2013年以来大統領の地位にある。7月の選挙で51.2%の票を取得し、反政府派連合の統一候補エドムンド・ゴンサレス氏に勝利し再選していた。
しかしその後、反政府派連合を率いる元国会議員のマリア・コリナ・マチャド氏が、40%の集計時点でゴンサレス氏が70%を得票していたと主張したことから、議論が沸き起こっているところだ。
ベネズエラでは、選挙管理当局が政権の支配下にあり、今回も詳細な投票数を発表していなかった。米国、欧州連合、英国などの国はこの結果に疑義を呈しており、正確な投票数の開示を求めている。
バイナンスが遮断された理由は?
バイナンスがブロックされた理由については明らかになっていないが、以前よりベネズエラ国民は、ハイパーインフレにより法定通貨「ボリバル」が下落する中、貯蓄を守る手段として仮想通貨に注目してきた。
バイナンスのピアツーピア取引サービスでは、ユーザー同士が法定通貨と仮想通貨を交換することが可能だ。このため、マドゥロ大統領は通貨統制を強化する目的で同社のサービスを遮断した可能性もある。
ベネズエラは、米国の制裁対象国であり、政府も制裁回避のために仮想通貨の使用を進めているところだ。
4月には、ベネズエラが石油販売で米ドル建てステーブルコインUSDTの利用を増やしていると指摘された。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
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