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米民主党議員、トランプミームコインを批判 「国家安全保障を危険に晒す恐れ」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

利益相反の可能性

米下院金融サービス委員会の民主党幹部議員であるマキシン・ウォーターズ氏は22日、同委員会の全体会議で、トランプ大統領夫妻によるミームコイン発売について懸念を表明。現大統領の行動は「国家安全保障を危険に晒す恐れのある利益相反の可能性」があると批判した。

トランプ氏が大統領に就任する数時間前、トランプ氏とその家族はミームコインを発売し、その価値は急騰した。これは、同氏の個人資産を増やし、制裁の対象者や敵対的な政府、その他の悪質な人物がトランプ氏に直接金銭を渡すための裏口を提供している可能性もあると報じられている。

この発言に先立ち、ウォーターズ議員は20日に発表した声明で、TRUMPトークンは「暗号資産(仮想通貨)の最悪の一面を象徴しており、多くの規制当局、支持者、政策立案者が長い間懸念してきた理由を示している」と非難した。

同議員はまた、TRUMPトークンの購入者にはロシアや中国などの敵国が含まれる可能性もあるとして、購入者に関する透明性の欠如を問題視。「トランプ氏はミームコインを通じて、国家安全保障法や汚職防止法を回避する方法を作り出し、関係者が匿名でトランプ氏や側近に資金を送金可能にしている」と述べた。

さらに、TRUMPトークンをめぐるトランプ大統領の一連の行動は、「正当性と他の金融機関との公平な競争を求めて長い間戦ってきた仮想通貨業界をさらに汚すことになるだろう」と付け加えた。

トランプ氏の仮想通貨事業に関する調査を要請

米下院監視・政府改革委員会の民主党幹部であるジェリー・コノリー議員は21日、同委員会のジェームス・コマー委員長宛てに、トランプ大統領とその一族による「重大な利益相反」の調査を要請する書簡を送った。

コノリー議員は、トランプ一族が主導する仮想通貨ベンチャー「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」、及びトランプ大統領のミームコイン「TRUMP」の発売について、最近提出された「大統領倫理改革法案」に照らし合わせて、「大統領の透明性と説明責任」の追求を求めた。

同氏は、倫理の専門家が「トランプ大統領は文字通り大統領職を現金化している。大統領職に関連して人々が大統領の家族に資金を送金できるような金融商品を作っている」との懸念を表明していると述べた。

一方、トランプ氏一族の運営会社は最近、トランプ大統領が一族の組織で「日常的な」意思決定を行うことを禁じる倫理協定を発表。トランプ氏の大統領任期中に適用されるもので、トランプ氏と共有可能な事業に関する財務情報は制限される。

関連:トランプ一族のWLFI、170億円規模の仮想通貨購入 トロンとの提携も強化

業界の声

TRUMPトークンについての仮想通貨業界の反応は賛否両論だ。

仮想通貨ベンチャーキャピタル Dragonflyのパートナー、トム・シュミット氏は、「それを見たときは本当にがっかりした。非常に怪しく安っぽい感じがした」と述べた。

ブロックチェーン企業Douro Labsを率いるマイク・カーヒル氏は、有名人のミームコインは「仮想通貨業界の遊び心と実験的な性質を明確に表している」との意見だ。

初期からのビットコイン推進者で起業家のエリック・ヴォーヒース氏は、Trumpコインは「馬鹿げていて、恥ずかしい」のと「米国のフィンテック政策が、より寛容なイノベーションへと大きく変化したことを示すシグナル」という両面があると述べている。

仮想通貨業界が懸念するのは、トランプ大統領がミームコインと密接に関わることで、仮想通貨に関する改革を施行する能力が損なわれる可能性だ。

PointsVilleの創設者でTether StrategyとVanEckのアドバイザーを務めるギャバー・ガーバック氏は、トランプ大統領は、現在の仮想通貨アドバイザーを解雇し、事情に精通した人物に交代させる必要があると警告した。

(トランプ夫妻の)ミームコインは米国、大統領、そして彼の家族の信用を大きく失わせたが、その影響はまだ始まってもいない。

トランプ支持者で仮想通貨投資会社Castle Island Venturesのパートナーであるニック・カーター氏は、この状況を次のように説明した。

この国で仮想通貨規制の自由化が目前に迫っている今、人々が仮想通貨について主に考えているのは、『ああ、これはただのミームコインのためのカジノだ』ということだ。この状況は我々の正当性の立証には逆効果で、全く真剣ではないような印象をもたらしてしまう。

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