はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

JPモルガンCEOが銀行秘密法の欠陥を指摘 仮想通貨企業の口座解約の真相とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

規制に縛られた仮想通貨企業へのサービス提供

米金融大手JPモルガン・チェースの会長兼CEOのジェイミー・ダイモン氏は、同行のポッドキャスト「The Unshakeables」で、暗号資産(仮想通貨)企業に対する口座解約措置は、銀行秘密法による制約によって余儀なくされたものだと指摘し、規制を見直す時期に来ていると主張した。

ダイモン氏が言及したのは、米VC大手a16zの創設者マーク・アンドリーセン氏が人気ポッドキャスターのジョー・ローガン氏の番組で暴露し、物議を醸し出した仮想通貨企業やハイテク企業に対する銀行システムからの締め出しの動きだ。

アンドリーセン氏は、少なくとも30人の著名な仮想通貨創業者や幹部が、何の説明もなしに過去4年間に銀行口座を即座に解約されたと主張。バイデン政権下の金融規制当局による圧力が背景にあると述べていた。

ダイモン氏は、企業に対する銀行口座の解約は、一般に考えられているように政治的/宗教的理由によるものではなく、金融機関には銀行秘密法に従うことが義務付けられているために起こるものだと説明した。

銀行秘密法では、金融機関はリスクに基づくマネーロンダリング防止措置やその他のリスク分析システムを開発し、疑わしい活動や組織犯罪と関係がある可能性のある顧客や団体を特定することが義務付けられている。

ダイモン氏は、金融当局が銀行に多大な圧力をかけている現実があると指摘。高リスクと思われる顧客の銀行取引を停止せずに、何か問題が起こった場合、銀行は数億ドルの罰金を支払う可能性があると述べた。

銀行はこのような例を多く経験しているため、高リスクの顧客は排除すべきだとの認識を持っているという。銀行が仮想通貨企業との取引に「非常に慎重になる」のは、このような背景があることを示唆した。

顧客に理由を説明できない

さらに、銀行は口座を解約した理由について顧客に説明することは、許されていないとダイモン氏は指摘。銀行には顧客へ説明する権利があるべきで、銀行がしなくてはならないこととしなくても良いことについて「より明確な線引き」があるべきだと述べた。

ダイモン氏は、銀行は法律を遵守しなくてはならないが、法律が曖昧であり、どちらの方向であれ、判断を誤ると罰せられると批判した。

私たちは何年もこのことに不満を抱いてきた。これは正す必要がある。

ダイモン氏は、銀行には「金融システムの守護者」としての役割があり、性的人身売買やテロ資金供与など犯罪を防止するための銀行秘密法の概念自体には賛成していると付け加えた。

コインベースによる提訴と情報開示請求

米大手仮想通貨取引所コインベースは昨年6月、米連邦預金保険公社(FDIC)に対し、情報公開法に従わなかったとして民事訴訟を起こした。コインベースは前年末に、情報公開法(FOIA)に基づいて、FDICが仮想通貨に関して行った措置や調査についての開示請求を提出していたが、FDICは請求に応じなかった。

FDIC内部の監察総監室(OIG)の報告書によると、FDICは監督下の金融機関に対して、仮想通貨関連の活動を無期限に停止するよう求める書簡を送付していた。OIGは報告書で「金融機関の仮想通貨分野におけるイノベーションと成長を制限するリスク」が生じていると指摘した。

さらにコインベースは昨年10月、規制当局の仮想通貨に対する取り組みを明らかにするため、FDICに2件の新たな情報開示請求を提出。ポール・グレウォル最高法務責任者は、FDICを含む銀行規制当局が金融機関に対し、仮想通貨企業の預金に上限を設定していた可能性を指摘した。

この請求では、2023年に閉鎖されたシリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行(Signature Bank)など、仮想通貨企業に友好的な銀行預金に課された制限・制約に関連した文書の提出が求められている。

関連:米コインベース、FDICに情報開示請求 仮想通貨企業の預金に上限設定を要求か

銀行サービス提供に透明性を求める

仮想通貨業界への銀行サービスが制限されている状況については、米下院でも調査する動きがある。

昨年12月、米共和党のフレンチ・ヒル下院議員は下院金融サービス委員会の公聴会で、アンドリーセン氏の発言に言及し、米国の合法的な企業には銀行取引とサービスを受ける自由があると主張。同委員会が、調査をしていることを明らかにした。

また直近では、シンシア・ルミス上院議員が米連邦預金保険公社(FDIC)総裁に書簡を提出し、仮想通貨関連の資料を破棄しないよう警告した。ルミス氏は、デジタル資産に関連する活動に関する資料が破棄されているとのFDICの内部告発を受け、この書簡を送ったという。

上院銀行委員会でも、シルバーゲート銀行の破綻に関する記録を含むFDICが保有する資料の破棄に関して、調査を行う可能性がある。

関連:「仮想通貨関連の資料を破棄すれば訴訟へ」米ルミス議員がFDICに警告

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/03 月曜日
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。
09:00
Sui DEX「Momentum」、11月上旬にTGE予定 累積取引量250億ドル超でエコシステム基盤化
Sui最大のDEX「Momentum」、210万人のユーザーを獲得。投票型ガバナンスで投票者自身が報酬配分を決定し、プールの手数料を得る仕組みで流動性の安定化を目指す。
07:00
【流通額1億円突破】JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11/02 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、フランスのビットコイン戦略的備蓄法案提出やソラナETFの米上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
11:30
ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインは逆三尊形成中でギリギリの水準。来週のISM統計で景気減速が確認されれば12月利下げ期待が強まり、11.6万ドルのネックライン到達も。今後の展望を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本人新規登録停止に高い関心
今週は、日本初のステーブルコインJPYC始動、SBIインシュアランスグループによる株主優待へのXRP導入、仮想通貨取引所Bybitによる日本人の新規登録停止に関する記事が関心を集めた。
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。
07:40
ビットコイン、サトシ・ナカモト執筆のホワイトペーパー公開から17周年に
仮想通貨ビットコインは10月31日、ホワイトペーパー公開から17周年を迎えた。SNSでは祝福の声が投稿されており、コインベースのCEOは、1つのPDFが世界を変えたとコメントしている。
07:30
米連邦控訴裁、仮想通貨銀行カストディアのマスターアカウント請求認めず
米連邦控訴裁判所が仮想通貨銀行カストディアに対するFRBのマスターアカウント拒否を支持した。裁判所はFRBがアクセスを認めるかどうかの裁量を持つと判断し、地方裁判所の判決を支持した。
06:45
コインベースが民主党議員の政治献金批判に反論 、「中立的活動」と主張
仮想通貨取引所コインベースが民主党マーフィー上院議員からの政治献金批判に公開反論した。同社幹部は仮想通貨業界PAC活動が非党派的で企業献金は歴代政権で標準的慣行だったと説明。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧