銀行に上限設定を要求か
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが18日、米連邦預金保険公社(FDIC)に対し、銀行による暗号資産(仮想通貨)の取り組みに関する内部文書の開示請求を行なったことが分かった。
We filed two new sets of FOIA requests in our continued effort to get any sort of clarity on how regulatory agencies are approaching digital assets. In short, so long as the government will not relent, neither will @coinbase. 1/3
— paulgrewal.eth (@iampaulgrewal) October 21, 2024
規制当局がデジタル資産にどのように取り組んでいるのかを、少しでも明確にするための継続的な努力の一環として、私たちは2件の新たな情報公開法(FOIA)請求を提出した。つまり、政府が折れない限り、コインベースも折れないということだ。
同社のポール・グレウォル最高法務責任者は上記のXへの投稿で、FDICを含む銀行規制当局が金融機関に対し、仮想通貨企業の預金に上限を設定していた可能性を指摘。FDICに、その行為に関する内部文書と、これまで情報公開請求にどのように対応したかを示す記録を開示するように求めた。
仮想通貨メディアUnChainedは、この問題に詳しい情報筋の話として、「連邦準備制度理事会(FRB)とFDICが、複数の銀行に仮想通貨企業からの預金を銀行の総預金の15%に制限するよう指示した」と報道した。
米国の行政手続法(APA)では、新たに統一的な方針を銀行に課す場合には、一般からの意見募集を行うことが義務付けられているが、FDICはそのプロセスを経ることなく、仮想通貨企業からの預託金に対して上限を設定した可能性がある。
18日にFDICへ送付された情報開示請求文書では、昨年閉鎖されたシリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行(Signature Bank)など、仮想通貨企業に友好的な銀行預金に課された制限・制約に関連した文書の提出が求められている。
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情報公開法違反で提訴
今回コインベースがFDICに対して行なった2件の情報開示請求は、同社が昨年末FDICに提出した開示請求とは別件となる。
この件でFDICが要求されていたのは、2023年10月にFDIC内部の監察総監室(OIG)が作成した報告書で言及された書簡の開示だ。OIGによると、FDICは監督下の金融機関に対し、仮想通貨関連活動の無期限停止を求める書簡を送付していたとされる。
しかし、FDICは書簡の開示を拒否。コインベースは今年6月、情報開示法に従わなかったとして、FDICに対し民事訴訟を起こした。
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FOIAは、政府の透明性と説明責任を確保するために作られた法律で、米国政府が管理する未公開情報の全部または一部の開示を認めるもの。
請求対象となった機関は20日以内に応答する必要があるが、国家安全保障、個人のプライバシー、法執行活動、企業の秘密などに関する情報は例外的に開示されない場合もある。
SECに対する訴訟
コインベースは、米証券取引委員会(SEC)に対し、仮想通貨の明確な規制整備を求める訴訟を継続中だ。
コインベースは2022年に、SECに対し「実行可能な規制の枠組みの開発」を求める請願書を提出するも、SECからの回答が得られず、2023年4月に回答要請のためSECを提訴した。
同年12月、SECは「既存の法律や規制が仮想通貨証券市場に適用されていること」を根拠に、規制制定の請願を拒否。コインベース今年4月、SECが行政手続法に違反しているとして、SECを上訴した。
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また、コインベースは6月、上記のFDIC訴訟と同時にSECを情報公開法違反で提訴。10月15日には、コロンビア特別区の地方裁判所に部分的略式判決の申立てが可能か問う文書を提出した。情報の開示を渋るSECに対し、略式判決を求めることで状況を打開する狙いがある。
この訴訟でコインベースは、SECによる仮想通貨関連の調査記録3件について開示を請求した。そのうちの1件はイーサリアム2.0に関する調査で、すでに正式に終了。SECはイーサリアムを有価証券とみなさないという結論で幕を下ろした。
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