CoinPostで今最も読まれています

米コインベース、FDICに情報開示請求 仮想通貨企業の預金に上限設定を要求か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

銀行に上限設定を要求か

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが18日、米連邦預金保険公社(FDIC)に対し、銀行による暗号資産(仮想通貨)の取り組みに関する内部文書の開示請求を行なったことが分かった。

規制当局がデジタル資産にどのように取り組んでいるのかを、少しでも明確にするための継続的な努力の一環として、私たちは2件の新たな情報公開法(FOIA)請求を提出した。つまり、政府が折れない限り、コインベースも折れないということだ。

同社のポール・グレウォル最高法務責任者は上記のXへの投稿で、FDICを含む銀行規制当局が金融機関に対し、仮想通貨企業の預金に上限を設定していた可能性を指摘。FDICに、その行為に関する内部文書と、これまで情報公開請求にどのように対応したかを示す記録を開示するように求めた。

仮想通貨メディアUnChainedは、この問題に詳しい情報筋の話として、「連邦準備制度理事会(FRB)とFDICが、複数の銀行に仮想通貨企業からの預金を銀行の総預金の15%に制限するよう指示した」と報道した。

米国の行政手続法(APA)では、新たに統一的な方針を銀行に課す場合には、一般からの意見募集を行うことが義務付けられているが、FDICはそのプロセスを経ることなく、仮想通貨企業からの預託金に対して上限を設定した可能性がある。

18日にFDICへ送付された情報開示請求文書では、昨年閉鎖されたシリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行(Signature Bank)など、仮想通貨企業に友好的な銀行預金に課された制限・制約に関連した文書の提出が求められている。

関連:米シグネチャー銀が閉鎖、相次ぐ銀行破綻で仮想通貨業界への影響も

情報公開法違反で提訴

今回コインベースがFDICに対して行なった2件の情報開示請求は、同社が昨年末FDICに提出した開示請求とは別件となる。

この件でFDICが要求されていたのは、2023年10月にFDIC内部の監察総監室(OIG)が作成した報告書で言及された書簡の開示だ。OIGによると、FDICは監督下の金融機関に対し、仮想通貨関連活動の無期限停止を求める書簡を送付していたとされる。

しかし、FDICは書簡の開示を拒否。コインベースは今年6月、情報開示法に従わなかったとして、FDICに対し民事訴訟を起こした。

関連:仮想通貨取引所コインベース、SECとFDICの透明性欠如を追及する訴訟を提起

FOIAは、政府の透明性と説明責任を確保するために作られた法律で、米国政府が管理する未公開情報の全部または一部の開示を認めるもの。

請求対象となった機関は20日以内に応答する必要があるが、国家安全保障、個人のプライバシー、法執行活動、企業の秘密などに関する情報は例外的に開示されない場合もある。

SECに対する訴訟

コインベースは、米証券取引委員会(SEC)に対し、仮想通貨の明確な規制整備を求める訴訟を継続中だ。

コインベースは2022年に、SECに対し「実行可能な規制の枠組みの開発」を求める請願書を提出するも、SECからの回答が得られず、2023年4月に回答要請のためSECを提訴した。

同年12月、SECは「既存の法律や規制が仮想通貨証券市場に適用されていること」を根拠に、規制制定の請願を拒否。コインベース今年4月、SECが行政手続法に違反しているとして、SECを上訴した。

関連:米コインベース、仮想通貨の規則策定を求めて上訴 対SEC訴訟で

また、コインベースは6月、上記のFDIC訴訟と同時にSECを情報公開法違反で提訴。10月15日には、コロンビア特別区の地方裁判所に部分的略式判決の申立てが可能か問う文書を提出した。情報の開示を渋るSECに対し、略式判決を求めることで状況を打開する狙いがある。

この訴訟でコインベースは、SECによる仮想通貨関連の調査記録3件について開示を請求した。そのうちの1件はイーサリアム2.0に関する調査で、すでに正式に終了。SECはイーサリアムを有価証券とみなさないという結論で幕を下ろした。

関連ビットコイン・ゴールド・株式 専門家が語る2024年の最適投資戦略|WebX2024

関連口コミ・評判でおすすめ仮想通貨取引所15社 個人投資家の評価は?

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/22 火曜日
14:00
ISAC設立へ、国内仮想通貨取引所のサイバー対策強化へ
国内の仮想通貨交換業者はビットコインの流出などを受け、JVCEAを中心としたサイバー対策の新組織「ISAC(アイザック)」を2024年中に設立する予定だ。
13:22
警察庁がモネロ取引を追跡 架空取引で容疑者逮捕
警察庁サイバー特別捜査部が匿名通貨モネロ取引の追跡に成功、他人名義のクレカとメルカリのシステムを悪用した1億円規模の詐欺事件で首謀者を逮捕した。実行役は闇バイトの可能性が指摘される。
13:00
米コインベース、FDICに情報開示請求 仮想通貨企業の預金に上限設定を要求か
規制当局が仮想通貨企業の銀行預金に15%の上限を設定していた可能性が浮上し、米コインベースはFDICに情報開示請求を行なった。
10:40
200兆円以上運用の英L&G、流動性ファンドのトークン化を検討
英大手運用会社L&Gがブロックチェーンによる流動性ファンドのトークン化を検討。運用資産200億円超の大手が参入する可能性が注目される。
10:10
ブテリン氏、ETHステーキングの集権化対策を解説
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、PoSの中央集権化の解決策について説明。ステーキングの集権化が進むことは、イーサリアムの最も大きなリスクの1つだと指摘している。
08:25
仮想通貨決済インフラTransak、9万以上のユーザーデータ漏洩
仮想通貨決済プロバイダーTransak決済サービス企業Transakは21日、従業員のラップトップがフィッシング攻撃を受けたことによるデータ漏えいを公表した。
07:25
リップル共同創設者ラーセン氏、15億円分のXRPをハリス氏の支援団体に再び寄付 8月の10倍に
リップル社の共同創設者であるクリス・ラーセン氏はカマラ・ハリス氏を支援する「Future Forward」に仮想通貨XRPで新たに1,000万ドル(約15億円)を寄付した。
06:35
ソラナミームコイン「MEW」、韓国取引所アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所であるアップビットは21日、ソラナ基盤の猫をモチーフにしたミームコイン「MEW」で、韓国ウォンの通貨ペアを新たに増やした。これによって流動性が強化される見込みだ。
06:20
VanEckのソラナ指標連動証券、欧州でステーキングによる複利を導入 
米大手資産管理会社VanEck(ヴァンエック)は21日、欧州で提供するしているソラナの指標連動証券に、ステーキング報酬の仕組みを新たに導入し、複利の恩恵を提供し始めた。
10/21 月曜日
16:40
米大統領選 クジラによるポリマーケット操作懸念、Kalshi CEOが否定
米大統領選を2週間後に控え、ポリマーケットでのトランプ氏勝利の確率が急上昇し市場操作の懸念が高まったが、予測市場KalshiのCEOが強く反論。規制された米国人向け市場との違いと予測市場の意義について解説した。
11:57
欧中銀エコノミスト警告「ビットコイン価格が上昇し続ければ社会の分断に」
欧州中央銀行のエコノミストがビットコイン価格上昇による社会分断を懸念。仮想通貨コミュニティは批判的見解を示す。
11:48
ステーブルコイン決済市場にらむ 米Stripe、11億ドルでBridgeの巨額買収成立か=報道
決済大手Stripe関係者がステーブルコインプラットフォームBridgeを11億ドルで買収完了を示唆した。暗号資産業界最大の取引とも称され、仮想通貨決済の主流化を加速する可能性がある。
11:03
「強気の10月」ビットコイン7万ドル目前、ETFに資金純流入続く
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが7万ドルに接近している。ETFへの20億ドル資金純流入とオプション取引承認などが後押し。強気の10月現象や米大統領選の影響など、仮想通貨市場の最新動向をまとめた。
10:54
ApeChainメインネット立ち上げ、クロスチェーンブリッジ発表  エイプコイン急騰
著名NFTコレクションBAYC関連のApeChainメインネットがローンチ、クロスチェーンブリッジも発表。仮想通貨エイプコイン価格が2倍に。
10/20 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ リップル裁判に新展開、Off The Gridでアバランチ再注目
仮想通貨ビットコインは今週、トランプ氏がきたる大統領選においてポリマーケットの予測市場でハリス氏を大幅にリードしていることや、中国政府からの大規模な追加金融緩和を背景に7月以来の高値をつけて再び69,000ドルに到達。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧