CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン・ゴールド・株式 専門家が語る2024年の最適投資戦略|WebX2024

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン・金・株 今投資すべきは?

CoinPost株式会社が企画・運営し、日本国内外の主要プレイヤーが一堂に会するグローバルカンファレンス「WebX 2024」において、「ビットコイン・金・株 今投資すべきは?」と題したトークセッションが行われた。

日本最大のクリプト系YouTubeチャンネルを運営する高山上氏をモデレーターとして、ビットコイン・ゴールド・株のスペシャリストである以下の3人がパネルセッションを行った。

  • 仮想NISHI氏:SBI VC Trade アナリスト
  • 山口英雄氏:三井物産株式会社 チーフトレーダー
  • 結城はるみ氏:BBP.Pte.Ltd. 創設者

主にNISHI氏は暗号資産(仮想通貨)、山口氏は貴金属、結城氏は株式の識者である。

それぞれの資産の特徴と魅力

まずセッションは、各パネリストが株式、ゴールド(金)、仮想通貨それぞれに投資する魅力を「推す」ことで始まった。

結城氏は、「資本主義である以上、株式投資は必ず資産に組み入れていくべきと思う」と述べる。日本株も47年ぶりに高値を更新したことなどに触れ、「税金面」を考えても一番有利なのは株式投資だと続けた。

新NISAも今年始まったところで、ベースとして株式投資を行い、その次に他のアセットも考えることを推奨している。

次に山口氏は、ゴールドの魅力を三つ挙げた。ゴールドは無国籍通貨であり、現在米中対立やロシアのウクライナ侵攻など地政学リスクの高まりを背景に、外貨準備がドルからゴールドに流れている傾向があると指摘。ゴールド上昇の一因だという。

二つ目は、マネーサプライが増える中で、現物資産であるゴールドは価値の保存手段になることだ。また、三つ目としては、「経済的な面とはちょっと違う」と留保しつつ、数千年にわたって人類が魅了されてきたような「ゴールド独特の輝き」があると指摘した。

NISHI氏はこうした意見に異論を唱え、熱弁をふるった。

ビットコインはネット上にあるため、ゴールドとは違ってインターネットに繋がる環境さえあれば、例え紛争地区にいる場合でも持ち運びができると指摘。

株式も、政策決定会合を開くエリートたちが密室で話し合って決まった内容で指数が上下してしまうなど不透明なところがあると意見した。それに比べて、ビットコインは全てのステークホルダーが自分勝手にやることで成長すると続ける。

また、全てのデータがオープンチェーン上にあるということで「既存金融とは全然違う商品」だとも話した。

これに対して結城氏は、株式でもネットがあれば持ち運びは可能だと指摘し、仮想通貨のボラティリティの高さにも言及。株式ではパフォーマンスが高い人として「一番目は亡くなった方で2番目がその銘柄を持ってることを忘れた方」と言われるくらい、いい銘柄であれば長期的に見て上昇する可能性があるという。

また山口氏も、ゴールドは現物以外に、先物やETF(投資信託)、ゴールドを裏付けとした仮想通貨もあり、これはインターネットがあれば持ち運べると応じた。

関連金と連動する暗号資産(仮想通貨)ジパングコイン(ZPG)の買い方・購入方法を解説

理想のポートフォリオ配分

高山氏は「結局はポートフォリオでどういうふうに配分していくのかが、大事かなと思う」として、三人に理想的な資産配分について問いかけた。

事前に三人に聞いた意見を参照し、「株式50%、ゴールド25%、ビットコイン25%」を基本ポートフォリオとし、これを金融緩和時、金融引き締め時でどのように変化させるかを聞いている。

まず景気が悪くなり金融緩和される時は、一般的には「株式や仮想通貨は買いになる」と結城氏がコメント。

山口氏はゴールドについて、金利が下がっていくような局面では、一般的に金利がつかないゴールドの魅力が相対的に増すため、個人的には売っていく局面だと考えると意見した。

NISHI氏は、ビットコインは過去のチャートを見ると、金融緩和が進むときに「ドカーン」と上がってきたため、これより前からビットコインを持っていたとすると「売り時」で、資産配分としては15~20%程度まで減らすときというふうに考えていると述べた。

次に、景気がよくなり、利上げが行われる際の戦略に話題は移った。

結城氏は、株の中でローテーションをしつつ、基本的には売っておきたいところだと話す。

山口氏は、ゴールドは売られやすくなるため、いったん比率を下げることが考えられるとした。ただ、インフレ懸念が進む状況では、現物資産であるゴールドに買いが来ることもあり、インフレ率などにも注目してバランスを取る必要があるという。

ドルコスト平均法などで買って状況に応じて減らしたり増やしたりして他の商品にアロケートすることを勧めた。

NISHI氏は、金利上昇の局面では、ビットコインは暴落する傾向があると指摘。そのため、ビットコインが投資資産として生き残ると考えるのであれば、ビットコインの配分をできるだけ増やしたい、買い増したいと述べた。

具体的には、ボラティリティが高い商品のため過度なレバレッジ取引はせず、金融引き締めで前日比マイナス40%など暴落したタイミングで拾い集め、金融緩和で上がったときに売ることができれば理想的だと意見している。

関連利下げサイクル突入でビットコインETFへの資金流入に注視したい|bitbankアナリスト寄稿

米大統領選の影響は?

結城氏は、今年は特殊要因として11月に米国の大統領選挙があると指摘した。ドナルド・トランプ候補が再選した場合は、株に対して強気だが、ハリス候補が有利になった場合や、米国の今後に不透明感が出た場合は、株を拾っておきたいという。

NISHI氏は、共和党になるか、民主党で仮想通貨に批判的なゲーリー・ゲンスラーSEC委員長が留任するかでクリプトの状況は変わると述べる。

山口氏は、ゴールドは短期的には米国の金融政策に「一番影響を受けるのかなと思う」と話す。マーケットは、9月~12月で1%ほどの利下げを織り込んでいるが、ゴールド価格はこれに影響を受けているという。

実際、FOMCでは9月18日に、4年半ぶりに0.5ポイントの利下げが決定された。

関連仮想通貨相場の追い風となるか 米FRBが0.5ポイントの大幅利下げを決定

最後にNISHI氏は、安定的なゴールド、長期的にはずっと上がっている株、新しいテクノロジーでこれからどうなるかわからないビットコインという三つを組み合わせて、ポートフォリオ配分を行っていけたらと話した。

関連米大統領選ハリス氏勝利で「ビットコインに限り」強気か=レポート

関連新NISA特集|つみたて投資のメリットや非課税投資枠拡大の魅力、初心者向けの銘柄選びを解説

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/14 月曜日
14:52
ヴィタリック・ブテリン、自身のウォレットに送られてきた大量のミームコインを売却
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が再びミームコインを大量売却。慈善団体への寄付が予想されている。
14:41
アバランチ基盤のWeb3ゲーム「Off The Grid」、Epicストアで一位に
アバランチのサブネット基盤のWeb3ゲーム「Off The Grid」がEpicストアで一時首位になった。Gunzilla Gamesが開発している。
10:00
ビットコインと金価格上昇のシナリオ、大統領選と『通貨価値切り下げ取引』を紐解く
JPモルガンが通貨価値下落取引の継続を予測。ビットコインと金への影響、米大統領選の結果次第で強まる可能性。地政学リスクへの反応の違いも分析する。
10/13 日曜日
14:00
今週の仮想通貨市場、主要アルト材料まとめ XRPの現物ETF申請やSUI価格上昇背景
ビットコイン、イーサリアム、XRPなどの主要仮想通貨の週間騰落率と最新材料をまとめて解説。アバランチ財団のLFGからのAVAX買い戻しや、SUIの取引高急上昇にも注目。
11:30
利下げ期待後退でビットコイン軟調、市場の関心は再びインフレに|bitbankアナリスト寄稿
10/5(土)〜10/11(金)の仮想通貨相場 国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。 目次 ビットコイン…
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTC8万ドル到達の条件に高い関心
今週は、Bitwise幹部やGlassnodeによる仮想通貨ビットコインの相場分析に関するニュースや、アイルランド当局が押収したビットコインにアクセスできないことを報じた記事が最も関心を集めた。
10/12 土曜日
18:00
なぜ企業がビットコインを保有し始めているのか?
上場企業による暗号資産(仮想通貨)ビットコイン保有が世界的に拡大し始めている。米国のマイクロストラテジーや日本の東証上場企業メタプラネットの事例から、企業がビットコインを選択する理由と、それが企業戦略にもたらす影響を詳しく解説。
10:35
「ビットコイン銀行構想で1兆ドル企業へ」マイクロストラテジー会長
米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長がビットコイン関連金融商品を核に時価総額1兆ドル企業を目指す壮大な構想を語る。
10:00
BCGとBLOCKSMITH、障がい者就労支援で提携 ゲーミフィケーションと仮想通貨活用の新しい報酬システムを導入
BCG株式会社とBLOCKSMITH&Co.が障がい者の就労支援で業務提携を発表。工賃作業サービス『RevelApp』とクイズ動画SNS『QAQA』の連携により、障がい者がクイズ解答で得た報酬を暗号資産に交換できる新しい報酬システムを提供する。
09:30
OKJ、パレットトークン(PLT)のステーキングで特別プラン発表
OKCoinJapanが仮想通貨PLTの特別ステーキングプラン「88日間・年率11.88%」を発表した。Palette ChainのAptos Network統合を記念した期間限定オファーとなる。
08:55
リップル共同創設者、XRPでハリス氏の支援団体に寄付
リップル社の共同創設者ラーセン氏は、仮想通貨XRPでハリス氏の支援団体に1.5億円を寄付した。同氏によるハリス氏への仮想通貨での寄付で記録されているものは今回が初めてとされている。
10/11 金曜日
13:44
仮想通貨DEX大手Uniswap、独自のイーサリアムL2「Unichain」を発表 
DEX大手Uniswapは1、新たなイーサリアムL2ソリューション「Unichain」の立ち上げを発表した。Unichainは低コストで高速なトランザクションと分散化を推進し、クロスチェーン相互運用性を高める。
12:55
米CPI発表などでビットコイン下落、クジラは過去半年間BTC買い占め
仮想通貨市場で米政府によるビットコイン対象清算の可能性が懸念され、市場参加者の間で警戒感が高まっている。昨夜発表のCPIはBTCの価格を一旦押し下げた。
11:35
ブロックチェーンで牛を追跡するCattleProof、米農務省から公式認定取得
家畜のデジタルID管理を行うCattleProofが、ブロックチェーンを活用したもので初めて米農務省のプロセス検証プログラム認定を取得。トレーサビリティ向上へ。
10:00
メタプラネットが10億円分ビットコイン追加購入、今週二度目
仮想通貨オンチェーン追跡ツールのArkham Intelligenceはメタプラネットの保有特設ページを公開。マイクロストラテジーやブラックロック、米政府のアドレスのように、ビットコイン保有数のリアルタイムトラッキングが可能となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア