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アーサー・ヘイズCoinPostインタビュー
2025年8月25日〜26日にかけて開催される「WebX 2025」に、暗号資産デリバティブ取引所BitMEXの共同創業者であり、有名トレーダーとしても人気を博すアーサー・ヘイズ氏が登壇する。
そんなアーサー・ヘイズ氏に、新たに発足したドナルド・トランプ米政権やマクロ経済の影響、ビットコイン相場の今後の展望を聞いた。
[Special Interview] Arthur Hayes: Crypto Predictions & Outlook for 2025@Maelstrom CIO @ArthurHayes, a featured speaker at WebX 2025, shares his insights on cryptocurrency and his vision for 2025.
— WebX 2025 (Aug 25-26) (@WebX_Asia) February 13, 2025
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2025年の見通しについて
短期的には、ビットコインの市場価格は、70,000〜75,000ドルまでの下落が予想され、その後反発して今年末には250,000ドルまで上昇する可能性があります。
この予測の背景には、主要国の流動性環境の大きな変化があります。アメリカでは債務上限問題とFRB(米連邦準備制度)の対トランプ政権への姿勢が影響し、中国ではインフレ的施策から引き締めへの政策転換が行われ、日本では金利引き上げと円高傾向が見られます。
これらの要因から、市場予想との乖離が生じ、およそ60%ほどの確率で下落すると分析しています。そのため、私自身はDeFi(分散型金融)で利回りを得ながら、投資を控えめにしている状況です。
今後の金融業界は、AI(人工知能)の発展により大きな変革を迎えることになるでしょう。将来的にはトレーダーをはじめ、(フロント業務を事務的にサポートする)ミドルオフィス、営業、法務などの多くの職種が事実上消滅し、投資銀行は従業員の大半をAIに置き換えざるを得なくなる可能性もあるのではないかと考えています。
特筆すべきは、AIは独自の暗号資産を創造する可能性が高く、従来の法定通貨システムとは相性が悪いと予想されることです。
これは、AIがデジタル環境で育った存在であり、人間の法律や慣習よりもコンピューターのロジックに基づく合理的なシステムを好むためです。少人数のAIチームが、既存の金融サービスを根本から覆し、やがて変革していくことになるでしょう。
トランプ政権の仮想通貨政策の展望は?
大規模な法改正までは期待できない状況です。これは、トランプ政権と共和党が議会でわずかな多数派しか確保できていないことが主な要因です。
金融・経済や外交問題など、国家としてさまざまな優先事項がある中で、暗号資産関連の法案が優先される可能性は低いと分析しています。
トランプ大統領は暗号資産について大胆な発言をし、規制機関の姿勢を緩和する可能性はありますが、4年間の任期を超えても存続するような法律制定は困難でしょう。暗号資産業界が望む変革を実現するためには、より積極的な政治活動が必要です。
単に政治家の発言を信じるのではなく、具体的な行動を求めていく必要があります。さもなければ、これまでの30〜40年間と同様、既存の金融機関を優遇する法制度が続くことになるでしょう。
現在、世代間で静かな戦いが起きています。(1946年から1964年に生まれた世代)ベビーブーマー世代が、世界の金融資産の大部分を保有する一方で、若い世代はそれらの資産を購入する資金も意欲も十分に持ち合わせていません。
例えば、若者が「S&P500(米主要株価指数)」のETF(上場投資信託)ではなく、仮想通貨のミームコイン(トランプコインなど)を選択することは、既存の権力構造への挑戦を意味します。
次世代が「従来の伝統金融資産に価値を見出さない」というメッセージを発することで、既存資産を売却したい世代と購入を望まない世代との間に構造的な対立が生まれているように感じています。
ミームコインについて
明確な用途を持たないながらも、暗号資産(仮想通貨)のミームコインは、人々の注目度を直接取引できる革新的な形態として、今後も発展していくでしょう。
例えば、25年1月のトランプ大統領就任直前にローンチされ、大きな反響を呼んだトランプコイン(TRUMP)の場合、投資判断に必要なのは短期的な需給のほか、「トランプ大統領その人が好きかどうか」「より多くの人が今後トランプを支持すると思うか」といったシンプルな判断だけです。
従来の金融知識や数学的な理解は不要で、純粋な社会的評価に基づいて取引できる点が特徴です。おそらく今後5〜10年で、政治家や著名人たちの新しい収益化手段として一般化していくと予想されます。
従来のスポンサー契約に代わる収益モデルとして、コミュニティとの交流を通じた価値創造が可能となるでしょう。
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Arthur Hayes(Maelstrom CIO)
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大手金融機関Citigroupの元トレーダー。暗号資産デリバティブ取引所BitMEXの共同創業者。2014年にBitMEXを設立し、CEO(最高経営責任者)に就任。最大100倍のレバレッジ取引や永久スワップ契約など、業界に革新的な商品を導入。現在はMaelstromのCIO(最高情報責任者)を務める。独自の市場分析や価格予測でも影響力を保ち続けており、ブログやカンファレンスでの発信を通じて、マクロ経済と暗号資産市場の関連性などについて精力的に発言している。
maelstrom: https://maelstrom.fund/
ブログ:https://cryptohayes.substack.com/
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