
「Trustless AWS」を標榜するROFLは、Trusted Execution Environments (TEEs)を活用し、プライバシー保護型コンシューマー/金融アプリ開発を実現
プライバシーを最優先とするAI特化型レイヤー1ブロックチェーン「Oasis Network」を運営する Oasis Protocol Foundation は、開発者がブロックチェーン級の信頼性・検証性・プライバシーを維持したまま複雑な計算をオフチェーンで実行できる新フレームワーク 「Runtime Offchain Logic(ROFL)」 のメインネット正式ローンチを発表した。
ROFLは、AIモデルの学習・推論やデータ分析といった高負荷ワークロードを、分散性や信頼を損なわずに実行できる「Web3の盲点」を埋める。開発者は安全なエンクレーブ内でリソース集約的な処理を行い、その結果を暗号学的に検証したうえでオンチェーンのスマートコントラクトに接続できるため、AIとブロックチェーンを横断する新たなユースケースが創出される。
「デジタル社会の将来を考えれば、利便性と使いやすさが最優先であることは変わらない」と Jernej Kos 共同創設者は述べる。「だからこそ、プライバシーと透明性を基盤に持つアプリを開発することが決定的に重要だ。ROFLは即戦力のプラットフォームとして、次世代AIアプリの“プラグ&プレイ”インフラになる」。
早期ビルダーが示すROFLの可能性
- Zeph — プライバシー重視のAIコンパニオン・プラットフォーム。ROFL上でTEEを用いてユーザーデータの機密性を担保する。2023年の Indian Journal of Psychological Medicine によれば、コンパニオンアプリの74%が「重大」または「高」リスクを抱える中、Zephは検証可能なデータ保護を実現する。
- WT3 — 分散型取引戦略向けの自律型AIエージェント。完全なプライベート・トラストレスな鍵管理と取引実行をROFL経由で提供する。開発加速のため、Oasis Protocol Foundationからシード資金 10万ドル を獲得。
さらに、ゲームホスティング、MCPサーバー、LLMオラクル、価格オラクル、AIチャットボットなど、多様なプロダクトがパイプラインに控える。
「Trustless AWS」としてのROFL
ROFLの差別化要因は、開発者にTEE-as-a-Serviceを包括提供する Oasis TEE Cloud との統合にある。これによりROFLは、プライバシー・信頼性・スケーラビリティを内蔵したホワイトレーベル計算レイヤー=「Trustless AWS」として機能する。ブロックチェーンの整合性とオフチェーン計算の処理能力を兼ね備え、アプリ層の制約とAIの信頼性問題という二大課題を同時に解決する。
開発者向け資料は https://oasis.net/rofl-deck で公開中。
Oasis Protocol Foundation について
Oasis Protocol Foundation は、プライバシー・スケーラビリティ・汎用性を備えたレイヤー1プラットフォーム Oasis Network の運営団体。初の本番環境対応型機密EVM Sapphire を提供し、プライバシー保護スマートコントラクトとdAppを実装可能にした。現在はAI領域にも注力し、ブロックチェーンと人工知能の交差点に立つ。
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