- 米軍がBTCノードを運営、下院公聴会で司令官が明かす
- マイニングは行なっておらず
「影響力発揮のためのツール」として注目
米国インド太平洋軍司令官であるサミュエル・パパロ海軍提督は22日、米軍が暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のノードを運営していると明言した。ネットワークのセキュリティ確保と保護のために使用していると述べる。
パパロ氏は21日に上院でビットコインは米国の影響力を支援するものであると発言し、ノード運営を示唆。翌日に米下院軍事委員会の公聴会で、ランス・グッデン議員の質問に回答し、ノード運営を確認した。
ビットコインのマイニングは行っておらず、ネットワークの監視に利用しており、ビットコインのプロトコルを用いたネットワークのセキュリティと保護に関する様々な運用テストも実施していると説明した。
ノードは、ビットコインネットワークにおける取引・ブロックを検証する役割を持ち、ネットワークのデータに常時触れている存在だ。このため、米軍はノードを設置することで監視(モニタリング)に使っていると考えられる。
グッデン議員は「デジタル競争の時代において、石油などと同様にビットコインでも米国が優位性を維持することは戦略的に有利か?」とも質問。これに対してパパロ氏は次のように回答した。
私たちがビットコインに注目しているのは、金融面よりも、暗号技術やブロックチェーン、そしてプルーフ・オブ・ワーク(PoW)プロトコルといった仕組みを、ネットワーク防御や影響力の行使にも応用できる技術として見ているからだ。
ビットコインへの関心は、「国家的な影響力を発揮するためのコンピュータサイエンス的なツール」としての側面にあるとも続けた。
PoWとは
コンピューターで計算(マイニング)を行うことによって、ブロックを新たに承認・生成するコンセンサスアルゴリズムのこと。「Proof of Work」の略。計算量が膨大なため、高性能なコンピューターが必要だったり、大量に電力を消費するなどのデメリットがある。
また、ビットコインはPoWプロトコルと、透明性を確保するブロックチェーン、セキュリティのための暗号技術を組み合わせたものであり、そうした役割を期待するとも話した。国家安全保障にも関わるものとの認識を示している。
ビットコインのブロックチェーンは、世界中に分散された数万ものノードに依存しており、ビットコインとその取引検証プロセスを単一の主体が制御することはできない仕組みだ。
このため、米国政府がビットコインの運用を支えるノードの1つだけを運用しているとしても、そのことがビットコインネットワークの独立性を脅かすものではない。ただし、ビットコインは国家から独立した価値の手段として構想されたものであるため、国家の関与はその理念と齟齬がある可能性もある。
関連記事:新作ドキュメンタリー映画「サトシを探して」、21世紀最大の金融ミステリーの真相は?
4月22日公開のドキュメンタリー映画「Finding Satoshi」は、ビットコイン創設者サトシ・ナカモトの正体を特定したと主張する。4年間の調査と法医学的分析、20人以上へのインタビューを経て独自の結論に至った。一方、業界では匿名性の意義を主張する動きもある。
一方で、米軍もビットコインの技術の有用性を認識していることは、米国の公的機関の間でもビットコインの存在感が高まっていることを示す。
次期FRB議長候補のケビン・ウォーシュ氏も、デジタル資産はすでに米国の金融サービス業界に組み込まれているとの見解を述べた。



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