- rsETHの裏付け回復に向け、2.5万ETHの拠出を提案
- 主要プロジェクトがDeFi連合を結成、救済を主導
ハッキング被害の連鎖を阻止
アーベ(Aave)DAOは24日、リキッドリステーキングプロトコルのケルプDAO(Kelp DAO)で発生したハッキング被害を救済するため、自ら2万5,000ETH(92億円)を拠出する提案を公開した。これは4月18日のインシデントで生じた計16万3183ETHの裏付け不足を解消するための、エコシステム横断的な救済活動の一環である。
今回の大規模なエクスプロイトは、攻撃者がレイヤーゼロ(LayerZero)のブリッジの脆弱性を突き、裏付けのないrsETHを用いてアーベから資産を借り出したことに起因する。この影響でアーベの預かり資産(TVL)は72時間で33%下落し、最大約2億3,000万ドルの不良債権リスクが生じる事態となった。
アーベDAOは「No Ghost Left Behind」というユーザー保護方針を掲げ、過去のCRVインシデント時と同様に、損失をユーザーに転嫁せず自ら吸収する姿勢を維持している。今回の提案は、イーサリアムやアービトラム、マントルなどの主要市場における信頼を回復し、システムリスクの連鎖を断ち切ることを目的としている。
「DeFi United」連合を結成
裏付け不足の解消に向け、ライドー(Lido)やイーサーファイ(EtherFi)、エテナ(Ethena)などの主要プロジェクトが連合体「DeFi United」を結成し、共同で救済にあたっている。現時点でケルプDAOによる自己回収やアービトラムでの資金凍結を経て、残る不足分は約7万5,000ETHまで縮小した。
不足分の埋め合わせには、マントル(Mantle)による3万ETHの融資枠のほか、パートナー各社からの計1万4570ETHの寄付が充当される予定である。アーベDAOが提案する2万5,000ETHの拠出は、この連合による救済計画の核となる資金提供として位置づけられている。
JPモルガンのアナリストは今回の事件を受け、DeFiの相互接続性が抱える脆弱性が機関投資家の普及を遅らせる懸念があると指摘した。市場では一時的にステーブルコインの借入金利が急騰し、EthenaのUSDeの償還が加速するなど、リステーキング市場全体に動揺が広がっていた。
関連記事:JPモルガンがDeFiの機関投資家普及に懸念、ケルプDAOハックで2兆円TVL流出
JPモルガンのアナリストがケルプDAOハックを受け、DeFiの機関投資家普及に懸念を示すレポートを発表した。TVLが数日で3兆円以上減少し、相互接続性の脆弱性とETH建てでの成長停滞が浮き彫りになっている。
アーベDAOの提案は今後、コミュニティによるスナップショット投票を経て正式に承認される見通しである。ハッキングによる被害をエコシステム全体で吸収する今回の試みは、分散型金融市場のレジリエンス(回復力)とガバナンスの成熟度を問う試金石として注目されている。
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