CoinPostで今最も読まれています

ICOプロジェクトによる「仮想通貨イーサリアム売り」が激減した複数の理由とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ICOプロジェクトによる「仮想通貨イーサリアム売り」が激減した理由
ビットコイン相場先導で注目されるETHの価格推移。11月〜2月までのICO関連売却額は75万ETH(110億円)以上、日平均7億円に上り、売り圧力の低下した現在のひと月の売却量に相当するという。

ICOプロジェクトによるイーサリアム売却量が激減

2018年1月7日に記録した最高値(157,000円)から、実に9割以上の暴落を見た仮想通貨イーサリアム価格だが、ここにきて大きな要因の一つと指摘されるICOプロジェクトによる「イーサリアム大量売却」の波に大きな変化が見られるようだ。

仮想通貨データフィードSantiment のイーサリアム関連データによると、この30日間でICOプロジェクトから市場に出回ったイーサリアムの合計は、28,500ETH(約4.3億円)に留まったが、この数値は、Santimentがデータ提供を始めた2018年以来最低水準にあるという。

8,500を超えるETHを売却したBancorなども散見されるが、数多くのプロジェクトは、イーサリアムをしばらく保有する方向へ動いているようだ。

海外仮想通貨メディアTrustnodeの報道によると、昨年12月14日のイーサリアム売却量は、1日で45,000ETH(約7億円)を記録、BCHの敵対的ハードフォークの影響で仮想通貨市場が全面安となった昨年11月から今年2月までに売却されたイーサリアムは、750,000ETH(約112億円)以上に及んでいたという。

つまり、ピーク期間の1日の売却量平均(売り圧力)が、現在の月の売却量に相当するほど、ICOプロジェクトによるイーサリアム売却は影を潜めている。

売り圧力が解消された複数の理由

ここにきて、ICOプロジェクトによるイーサリアム売却トレンドに終止符が打たれた理由としては、次のような要因が可能性として考えられる。

  1. 法定通貨との交換が一段落し、プロジェクト運営の必要資金調達を完了した
  2. 仮想通貨の急落が一時的に底打ったことで、連鎖売りが止んだ
  3. 担保としてのイーサリアム保有

玉石混淆だった2017年のICO全盛期に比べ、2018年から現在にかけて、世界各国の規制当局がICOに対する取り締まりを強化している。この影響でプロジェクト数自体は激減しているものの、そのメインプラットフォームであるイーサリアムは、大型アップデートを間近に控えており、価格動向が注目される。

中・長期的な下落トレンドとは相反して、イーサリアムの開発者数は増加傾向にあり、機能の充実が着実に前進していることから、イーサリアムエコシステムの今後の発展の可能性を期待する、ブロックチェーンコンサルタント企業による分析も報告されている。

ステーブルコインの好影響も

また、イーサリアムプラットフォーム上では、米ドルと連動し、ETHを担保とするステーブルコイン「DAI」の発行が可能となっている。DAIを保有することで、ETHを売却せずに法定通貨との交換ができるものだ。DAIの発行には、イーサリアムが担保とされるため、DAIの発行の増加は、ETHの売却を抑制することにつながるという。

先月には、ICOプロジェクトの「Request Network」が、約2.2億円相当のETHを担保にDAIを発行したと報告されている。さらに、イーサリアム財団が、開発者のマイニング報酬をDAIで支払う選択肢を提供したこともあり、ETHを担保にDAIを使用する動きが進んでいるようだ。

DAIの発行は、CDP(Collateralized Debt Position=担保された負債ポジション)スマートコントラクトを組み込んだMakerDAOプラットフォーム上でなされる。MakerDAOプロジェクトには、「未来の経済を支える」のは分散型安定通貨システムだとして、米大手ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzが、約17億円を出資したことも報じられている。

ICOプロジェクトによるイーサリアム売却量の減少が、今後の価格にどう反映されるのか、注目に値すると言えるだろう。

CoinPostの関連記事

Bitfinexがペッグ通貨のDaiを含む12種のアルトコインの新規取扱を発表
4月7日、Bitfinexは新たに12のアルトコインを取り扱うことを発表しました。今回追加されるのは、今回新たに加わるトークンは全て、イーサリアム上のトークンであるERC20トークンに該当しています。
世界有数の仮想通貨取引所Huobi、イーサリアム大型2段階アップグレードの「対応」を発表|Constantinopleの重要点もリストアップ
世界有数の仮想通貨取引所Huobi Globalは、3月1日前後に予定されるイーサリアムの大型アップグレード「Constantinople・Petersburg」への対応を発表した。今回のアップデートでは、Gas計量法の変更によるGasコストの削減、「ディフィカルティボム」の延長、及びマイニング報酬の減少などが予定されている。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧