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「IPOを再び偉大に」米SEC委員長、20年ぶりの企業資金調達制度改革に意欲

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 開示緩和の対象企業が52%から81%に拡大へ
  • 浮動株時価総額の完全開示基準を7億から20億ドルに引き上げ

「IPOを再び偉大に」

米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンズ委員長は16日、米CNBCの金融情報番組「Squawk Box」に出演し、「Make IPOs Great Again(IPOを再び偉大に)」のスローガンの下、約20年ぶりとなる包括的なIPO(新規株式公開)および公開企業規制の見直しに強い意欲を示した。

アトキンス氏は、就任後14カ月にわたり推進してきたIPO再活性化の成果が最近の市場の活況に現れているとしつつも、「真に重要なのは、企業が上場しやすいよう市場の予測可能性や魅力、実用性を高めていくことだ」と強調した。

同氏は、今日の肥大化した規制体系を「何層もペンキが塗り重ねられた古い家」に例え、制度改革をその修繕プロセスになぞらえた。古い塗料を剥がして木地を露出させ、下地処理を施した上で仕上げ塗装を行うように、制度を根本から見直し、より実用的でシンプル、かつ低コストな仕組みへと刷新することで、非公開市場にとどまる企業を公開市場へ呼び込みたいと説明した。

また、自身が1980年代半ばにIPO業務へ携わっていた当時を振り返り、現在では当時の大型IPOに匹敵する規模の資金調達が、今では未上場のまま資金調達ラウンドで実現できるようになったと指摘。その結果、米国の上場企業数は1990年代半ば比で約40%減少しているとして、未上場市場と公開市場の適切なバランスを回復することが自身の最大の目標だと語った。

制度改革の中核を成す要素の一つが、情報開示にともなうコストと複雑さの軽減だと同氏は指摘する。SECが取るべきアプローチは、「財務的な重要性」を基準に据え、「合理的な投資家が投資判断を下すために本当に必要な情報」に焦点を絞ることだと強調した。

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SECの新規則案

SECは5月19日、アトキンス委員長が掲げる「IPOを再び偉大に」という取り組みの一環として、企業の株式公開を容易にする2つの新たな規則案を発表した。これは、IPOおよび公開企業の開示要件に関する過去約20年間で最も抜本的な見直しであり、米国市場への上場を目指すスタートアップやテクノロジー企業、そしてデジタル資産関連企業にとって、上場への道筋を大きく変える可能性がある。

  • 企業区分(提出者のステータス)の簡素化と新興企業の優遇拡大:
    浮動株時価総額の完全開示要件の基準を7億ドルから20億ドルへ大幅引き上げ。これにより開示緩和の対象となる企業が現在の52%から81%に拡大する見込み(2005年以来の変更)。一方、大企業に対しては従来通りの厳格な開示基準を維持し、投資家保護とのバランスを確保した。
  • IPO後の「on-ramp期間」(新興企業向け開示緩和措置)を最大5年から最小5年に変更。新規上場企業が長期間にわたって負担を軽減できるようにする。
  • 資産総額3,500万ドル以下の小規模企業については年次・定期報告書の提出期限を延長する。
  • 登録公募の改革:
    発行登録制度の適用要件を大幅に緩和。12カ月以上の継続開示実績要件と7,500万ドルの浮動株時価総額要件を撤廃し、市場環境が良好なタイミングで全ての一般上場企業が迅速に資金調達を行えるようにする。

アトキンス氏は、IPO制度改革を単なる企業支援策とは位置付けていない。その考えは、「すべてのIPOは、何百万人もの投資家を次世代の米国企業が生み出す繁栄へ招待するものだ」との発言にも表れている。

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