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米当局、ステーブルコイン発行体の規制案を公開 ジーニアス法施行で銀行と同水準の本人確認要請の方針

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • FRB・FinCEN・OCC・FDIC・NCUAの5機関が共同で規制案を公開
  • 60日間の意見公募を実施、現時点では法的拘束力なし

ステーブルコインの規制案

 

米連邦準備理事会(FRB)は18日、決済向けステーブルコインの発行体を対象にした規制案を、他の規制機関と共同で公開した。

この規制案の主な目的は、認可を受けるステーブルコインの発行体に対し、銀行や信用組合の顧客識別プログラム(CIP)と同等の要件を課すこと。現時点では法的な拘束力はなく、まずは60日間意見を公募する。

今回の規制案を共同で提案したのはFRB、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)、通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)、信用組合監督庁(NCUA)の5機関。この提案は、決済向けステーブルコインのルールを定めるジーニアス法の施行に向けた取り組みの一環である。

今回の提案によると米規制機関は、認可を受けるステーブルコイン発行体を、米銀行秘密法で規制される金融機関と同様に扱い、効果的な顧客識別プログラムの維持を義務付けようとしている。

具体的には、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)に向けた顧客の本人確認をステーブルコインの発行体に要請する。

なお、顧客の情報収集については今回は、ステーブルコインが流通する二次市場は対象にせず、発行や償還などを行う一次市場に限定した。

関連記事:FRBウォラー理事、ステーブルコインが米金融政策の影響を世界に拡大と発言

米連邦準備制度理事会のウォラー理事が5月31日、クロアチアの経済会議でステーブルコインの世界普及が米金融政策の波及効果を広げると発言。CBDCには懐疑的な立場を改めて示し、英中銀との見解の相違も浮き彫りになった。

要請内容

例えば今回の提案では具体的に、ステーブルコイン発行体の規模や事業に合わせた、書面での顧客識別プログラムの構築・維持を要請。これは、AMLやCFTの一環である。

また、合理的かつ実行可能な範囲で、顧客の身元を確認するためのリスクに基づいた手続きを含めることも要求。この手続きでは、ステーブルコイン発行体が顧客の真の身元を把握しているという妥当な確信を持てるものでなくてはならないと述べている。

他にも、政府機関が発行する、テロリストやテロ組織のリストに顧客が掲載されていないかを確認することなどを求めた。

関連記事:米FRB理事がステーブルコインの「償還リスク」を警告、利回り規制巡り法案成立に不透明感

FRBのマイケル・バー理事が、ステーブルコインの金融安定性への懸念を強調。TDコーウェンは法案の年内成立確率を3分の1と低く見積もり、規制整備は最終局面で難航している。

二次市場への懸念

なお、今回の規制案の公表を受けて、FRBのマイケル・S・バー理事が18日にコメントを発表。銀行と同じ要件をステーブルコイン発行体に課すという提案は支持するが、まだ懸念が残ると述べている。

バー氏の懸念は、二次市場における違法な取引のリスクに対応するためには、現時点でのジーニアス法の枠組みだけでは不十分であること。各法域でAMLやCFTの要件が課されているデジタル資産サービス企業はあるが、悪意のある人々はこれらの制限を容易に回避し、検知されることなくデジタル資産の取引を行っていると指摘した。

その上で、今回の規制案における「顧客識別プログラムを二次市場にまで拡大すべきか」という質問に対するコメントを注意深く確認すると述べている。

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