- DFNSのWaaS基盤、100超のチェーンに対応
- 5月のKDDI資本提携に続く機関投資家事業拡大
仏DFNSとの戦略提携
コインチェック株式会社の親会社であるCoincheck Group N.V.(ナスダック上場、ティッカー:CNCK)は8月31日、フランス・パリに本社を置くウォレット基盤企業ディフェンス(DFNS)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。コインチェック株式会社が、DFNSの技術導入を通じて日本の金融機関向けに機関投資家水準のカストディ基盤の構築を目指す。
カストディとは、顧客に代わってデジタル資産の秘密鍵などを保管・管理するサービスを指す。今回の提携では、DFNSの技術をコインチェックへ導入するため両社が協業を進める計画だが、サービスの実現には規制要件への適合と両社間での正式契約の締結が前提となる。
関連記事:コインチェック、電子決済手段等取引業登録完了 国内2社目
コインチェックが電子決済手段等取引業の登録を2026年8月27日に完了した。登録番号は関東財務局長第00002号で国内2社目となる。米サークル(Circle)社との提携を経て、ステーブルコイン・オンチェーン金融事業を順次開始する方針を示した。
DFNSのウォレット基盤とは
DFNSが提供するウォレット・アズ・ア・サービス(Wallet-as-a-Service:WaaS)基盤は、取引の承認フローや秘密鍵の管理、外部サービスとの連携などを一つの管理基盤に集約したもの。100を超えるブロックチェーンに対応し、クラウド型のSaaSに加え、金融機関が自社環境で鍵情報を管理できるオンプレミス型でも導入できる。暗号鍵を保護する専用装置ハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)も標準でサポートするとしている。
DFNSは同社の説明によれば、400以上の金融機関・フィンテック企業に導入され、預かり資産は1,000億ドルを超えるという。コインチェックグループのパスカル・サン=ジャン(Pascal St-Jean)最高経営責任者(CEO)は、国内のリテール顧客と過去10年にわたり築いた信頼を機関投資家向けサービスへ広げるには、これまでとは異なる水準のカストディ基盤が必要になると説明し、DFNSのウォレット技術と機関投資家分野の専門性が既存事業を補強すると述べた。
個人向けとは異なる機関投資家戦略
コインチェックグループは今年5月、KDDIによる資本参画を発表し、同社が発行済株式の14.9%を取得することを明らかにしている。同時に、KDDI、auフィナンシャルホールディングス、コインチェックの3社は、利用者自身が秘密鍵を管理するノンカストディアルウォレット事業を手がける新会社「au Coincheck Digital Assets株式会社」を組成し、2026年夏ごろからの個人向けウォレット提供を予定していた。
関連記事:KDDIがCoincheck Groupと資本提携を締結 合弁設立し仮想通貨ウォレット事業へ参入
KDDIは2026年5月12日、Coincheck Groupと資本提携・コインチェックと業務提携を締結したと発表した。3社の合弁「au Coincheck Digital Assets株式会社」(KDDI 50.1%・コインチェック 40%・auフィナンシャルHD 9.9%)を設立し、2026年夏に仮想通貨ウォレットサービスの提供を予定する。KDDIはCoincheck Groupの発行済株式14.9%を取得する見込み。
今回のDFNSとの提携が対象とするのは、こうした個人向けサービスとは異なり、信託銀行など金融機関が利用するカストディ基盤である。コインチェックグループは個人向け事業に加え、機関投資家向け事業へも領域を広げる姿勢を明確にした形だ。なおDFNSのクラリス・アジェージュ(Clarisse Hagège)CEOは、日本を世界有数の規制が整備されたデジタル資産市場と評価し、同社のウォレット基盤を日本市場へ展開する考えを示した。
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