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ハイパーリキッド、クラーケン親会社ペイワードと米国進出を協議=報道 CFTC規制下で無期限先物提供目指す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国ユーザーへの提供実現なるか

分散型デリバティブ取引プラットフォーム「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」が、米国市場への参入に向けて、暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンの親会社ペイワードと協議を進めていることが分かった。ブルームバーグが8月31日、関係者の話として報じた。

報道によると、規制当局の承認が得られた場合、ペイワード傘下で米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下にあるデリバティブ取引所「ビットノミアル(Bitnomial)」を通じて、米国の登録ユーザーにハイパーリキッドの技術に基づいた一部の無期限先物(パーペチュアル)を提供する可能性があるという。

無期限先物とは、満期を設けず資金調達手数料(ファンディングレート)で価格を参照原資産に連動させ続ける、仮想通貨取引で普及したデリバティブ商品を指す。

ハイパーリキッドは、中央運営者を置かず、独自のレイヤー1ブロックチェーン上で高速なオーダーブックを運用する分散型取引プラットフォーム。無期限先物取引を中心に急成長し、日次取引高は40億ドルを超えるなど、分散型無期限先物市場で高いシェアを占めている。

一方、米国の顧客による利用を制限しており、直接のアクセスはブロックされている。

ハイパーリキッドの主要開発企業ハイパーリキッド・ラボ(シンガポール拠点)は、CFTCへの登録を行っていないため、米国法の下では、同プラットフォーム上で米国ユーザーにデリバティブ取引を提供することはできない。

CFTCの規制下にあるビットノミアルを米国での取引基盤とすることで、ハイパーリキッド・ラボは米国市場への参入に道を開く可能性がある。報道によると、ペイワードはすでにCFTCに対し、今回の取引構造の概要を示した提案を提出しているという。

なお、ペイワードとハイパーリキッド・ラボからの公式コメントは出されていない。

新たなモデルとして

今回の協議は、ハイパーリキッドの米国進出の成否を左右するだけでなく、DeFi(分散型金融)の規制枠組みにおいて重要な先例となる可能性がある。

同プラットフォームはパーミッションレスな設計を採用しており、管理者の個別許可を必要とせず、誰でも取引に参加できる。一方、規制当局は、こうした構造が市場操作やマネーロンダリング、制裁回避などのリスクを招く恐れがあると警戒を強めている。

ハイパーリキッドの政策提言団体ハイパーリキッド・ポリシーセンター(HPC)は、規制上の位置付けとして、同プラットフォームを従来型の取引所としてではなく、その下層で取引・清算・決済を支える「金融インフラ」として扱うべきだと主張している。

同団体のジェイク・チェルビンスキーCEOは、規制対象の取引所であれば、適用法令を遵守した上で、ハイパーリキッド上で取引・清算・決済されるオンチェーン市場を提供できるとの考えを示した。

ビットノミアルとハイパーリキッドの提携が実現すれば、米国市場でのコンプライアンス対応は、すでにCFTCの規制下にあるビットノミアルが担うことになる。ビットノミアルは、デリバティブ取引所、清算機関、清算ブローカーなどに関する複数のライセンスを取得している。

想定される仕組みでは、プロトコルそのものに従来型の金融事業者と同じ規制を直接適用するのではなく、米国の投資家と接点を持つ取引所やブローカー側に、本人確認(KYC)やマネーロンダリング防止(AML)、取引監視などのコンプライアンス対応を担わせる。

今回の事例は、分散型プロトコルが規制インフラと提携して市場参入する新たなモデルとして注目される。規制当局が承認すれば、海外拠点の分散型プロトコルが米国市場へ参入する際の先例となり得る。

関連記事:ハイパーリキッド・ポリシーセンター、SEC・CFTCに無期限先物の統一分類求め意見書

ハイパーリキッド関連団体がSECとCFTCに書簡を提出。無期限先物を「先物契約」に分類する際の統一枠組みを求めた。ビットコイン先物承認を巡り訴訟が起こる中での要望となった。

政治的な追い風

ハイパーリキッドの米国進出を後押ししているのが、トランプ政権の仮想通貨政策だ。

トランプ大統領は8月、ホワイトハウスで開かれたイベントで、ハイパーリキッドの米国展開の可能性に言及。「CFTCが同プラットフォームを、完全にコンプライアンスに準拠した合法的な形で、米国市場に導入すべく取り組んでいる」と述べた。

この発言時には、マイケル・セリグCFTC委員長も同席していた。CFTCは今回の協議自体への具体的なコメントは避けたが、「金融市場や取引技術の急速な進化に対応できなければ、金融イノベーションの中心地としての地位喪失につながりかねない」との認識を示している。

トランプ政権は、海外に流出していた仮想通貨取引を米国の規制下に取り込む「オンショア化」を進めており、ハイパーリキッドのような大規模なオンチェーン市場をどのように米国の法規制の枠内に組み込むかが焦点となっている。今回のペイワードとの協議は、こうした政策方針に沿った動きだ。

関連記事:トランプ大統領、政府によるビットコイン購入検討を表明 BTCは6月以来の高値

トランプ大統領は20日、仮想通貨業界関係者との会合で議会にクラリティー法の可決を改めて求めた。CFTCが無期限先物のハイパーリキッド米国展開を進めていることも明かし、HYPEトークンが20%上昇した。

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