- ステーブルコインの可能性を考察
- 仮想通貨取引所バイナンスの市場分析部門がステーブルコインに関する詳しい調査結果を公表した。大手企業が独自ステーブルコインを発行した場合の影響を。
ステーブルコインには相場を動かす力がある|バイナンスリサーチ調査
仮想通貨取引所バイナンスの市場分析部門が、ステーブルコインに対する詳しい調査結果を発表した。金融会社ではない米Facebookや韓Samsungなどの企業の参入に注目している。
こういった企業は、従来の金融会社よりもリスクを恐れない傾向にあり、決済分野への参入を積極化している。決済速度やその処理可能量についても、優位に立てる能力を持っているだろう。
バイナンスリサーチのデータによると、ステーブルコインの人気は上昇しているという。ビットコインなどの仮想通貨取引高を比較した以下の円グラフを見ても、USDコイン建の割合が、1年前の3分の1(35.78%)から、5分の3(5月1日時点で60.55%)まで増加していることが伺える。
取引高が上昇している経緯としては、仮想通貨相場が乱高下している際に資産価値を保全を望める(ボラティリティを回避するための避難通貨)としての側面や、法定通貨を対応しない取引所が多く存在することで、実需が拡大している側面がある。
ビットコイン市場では、他のステーブルコインよりもスプレッドが低く取引量が多いことから、流動性がより高いテザーが大部分を占めている現状がある。そんな中、最近のTetherの混乱が原因で、米ニューヨーク規制許可を得たPAX(Paxos Standard)と、USDC(USDコイン)は4月末にかけて、それぞれ4000万米ドルを超える強い流入を示している。
USDCは、米ニューヨーク州を拠点とする金融サービス事業者Circle社が発行するステーブルコインだ。
そのほか、まだ名称など詳細は明確ではないが、FacebookやSamsungが独自のステーブルコインを発行するという話もある。こういった大企業が業界に参入すれば、国をまたいだ決済や仮想通貨業界の成長を促す可能性は高いはずだ。
Facebookの仮想通貨戦略
Facebookの仮想通貨戦略は、今までCoinPostでも度々報じてきた。
今年の3月には、Kikの設立者でありCEOのTed Livingston氏が、Facebookは国際通貨として米ドルから同社独自の仮想通貨(ステーブルコイン)に置き換える計画を立てていると主張していると報じた。
大規模なユーザーベースに仮想通貨およびブロックチェーン技術を導入することで、デジタル資産業界の成長をさらに促進する可能性を秘めている。最近の相場は、ビットコインの価格が直近数ヶ月で2倍以上に高騰するなど、明るい兆しも見え始めている。FacebookやSamsungのような知名度のある企業が仮想通貨業界に参入すれば、一般的な認知度も上がるだろう。ステーブルコインを巡る動きには、今後も注目していきたい。