- 米リップル社との資本提携発表でマネーグラム株急騰
- 米リップル社とマネーグラム社の提携発表で株価が高騰した。ビットコイン高騰で市場規模拡大が注目される中、XRPによる国際送金システム使用での送金効率化とコスト削減による収益増、さらなるプラクティカルユース拡大が期待される。
米リップル社との資本提携発表でマネーグラム株急騰
米リップル社が大手送金企業のマネーグラム社と戦略的提携を発表した。
In a strategic partnership, Ripple will become @MoneyGram's global partner for cross-border payment and foreign exchange settlement, using XRP. https://t.co/4YlnFWy1ha https://t.co/aJnchpzj5k pic.twitter.com/cyald9sikr
— Ripple (@Ripple) 2019年6月17日
リップル社は、マネーグラム社のクロスボーダー決済とデジタル資産を使用した外国為替決済の主要パートナーとなる。
これを受け、仮想通貨リップル(XRP)価格は、年初来高値に迫る50円超えまで高騰したほか、米NASDAQ市場に株式上場する国際送金サービス大手の「米マネーグラム・インターナショナル」の株も急動意した。同社は、世界の6,000億ドル(65兆円)規模の送金市場で事業を展開しており、200以上の国と地域で数百万の顧客にサービスを提供
前日の終値1.45ドルだったマネーグラム株は、時間外取引で前日比+150%以上となる3.68ドルに急騰して推移。一時3.95ドルを付ける場面もあった。
日本経済新聞も米リップル社が大手送金企業のマネーグラム社の提携を報じ、17日夕の米株式市場の時間外取引で急騰したことを伝えた。
提携期間は2年間とされ、マネーグラム株の調達に加え、1株当たり4.10ドルの大幅プレミアムを乗せた新株予約権を3,000万ドル(約33億円)分買い取ったほか、さらに追加で2,000万ドル(約22億円)を投じる可能性もあるとしている。
米国市場とマネーグラム社の重要性
米政権の意向を受け、対米外国投資委員会(CFIUS)が安全保障の観点から海外企業によるM&Aの審査を厳格化させている。
昨年1月には、中国eコマース最大手アリババグループによるマネーグラムの買収を認めない方針を示した。当局は、技術流出につながりやすいハイテク企業の買収行為など中国の動向に目を光らせており、「国益を損ねる」との判断があったものとみられる。
今回のマネーグラム社との提携は、仮想通貨トークンの有価証券問題に揺れる米国で、規制当局が米Ripple社および仮想通貨XRPが容認され、厳格な審査をクリアしたことを示している。
長らく低迷していたビットコインが100万円台を回復し、仮想通貨市場の規模拡大が注目される中、マネーグラム株の高騰は、主に米株投資家による米Ripple社と仮想通貨XRPへの期待度の表れに他ならず、目利きの鋭い米株投資家が、業績に寄与すると判断している証左とも言えるだろう。
XRPの平均トランザクション時間は2〜3秒とされ、仮想通貨XRPを使用する「xRapid」の活用で、国際送金事業の業務効率化とコスト削減効果が実際にどの程度見込めるのか、そのユースケースを内外に示す絶好のチャンスとなりそうだ。
今回の提携を受け、マネーグラム会長兼最高経営責任者(CEO)のAlex Holmes氏は、「米ドルから対象通貨への送金・換金を24時間365日、いつでも可能にする。私たちは、xRapidを通じて革命をもたらす。」などと抱負を示した。
国際送金企業では、XRPを利用した送金システムであるxRapidをテストしている米Western Unionの動向も注目される。同社は160年の歴史を持ち、全世界の約200ヶ国で個人送金、企業支払と貿易業務を代行する世界有数の企業として知られる。
日本の東証一部上場企業とも連携
今年4月には、SBIホールディングスの北尾社長が自ら米Ripple社の役員に就任。「これまでの自分の経験と知見を役立たせ、Rippleの次の成長段階に貢献できる機会に興奮している」と抱負を述べ、アジア地域への展開を進めるにあたり陣頭指揮を取る意欲を示していた。
北尾社長は今年2月、米国で燻る仮想通貨トークンの有価証券問題について、コインポストのインタビューで以下のような見通しを示していた。
SEC(米国証券取引委員会)が諸般の事情で判断を先延ばしにしている、「証券かコインかの判定」に関して結論を出すのは容易ではない。
先延ばしされると、その間にもリップル(XRP)のプラクティカル・ユースが、どんどん浸透していくということになる。
おそらく銀行より先に、資金移動業者のほとんどが、Ripple社のDLTシステム(xCurrent)を使うようになり、その後「xRapid」が使われるようになっていく。すなわちXRPが使われるようになっていくということだ。
プラクティカル・ユースか進むとすれば、XRPの価値はさらに高まっていく。マネータップ上でも、XRPを活用した外為送金機能の実装を検討している。
関連記事:SBI北尾社長インタビュー『仮想通貨(ビットコイン)市場の将来性とリップルの展望』