Backpack(バックパック)は、ウォレット・取引所・アプリ実行環境を統合した暗号資産プラットフォームです。元Solana開発者が手掛けるプロジェクトとして、独自トークン「BP」の発行や、長期保有者に同社株式と関連付けられる権利を付与する「Equity Conversion」など、業界でも例の少ない取り組みで注目を集めています。
本記事では、Backpackの全体像と強み、BPトークンの役割、そして日本市場での利用制限について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Backpackとは?概要
Backpackは、ウォレット・取引所・アプリ実行環境を統合した「オールインワンの暗号資産プラットフォーム」です。

出典:Backpack
創業から数年ながら、ピーク時には1日の取引高が10億ドルを超えることもありました。
創業者は元Solana開発者・Armani Ferrante氏で、Solanaチェーンとの親和性やシンプルなUI、高いセキュリティが特徴です。
創業は2022年、自己管理型ウォレットから事業をスタートさせ、翌年には取引所の運営を開始。個別サービスからインフラへと、着実に事業の幅を広げてきました。
特に2026年3月には、初のTGE(独自トークンの発行)を実施しました。BackpackはTGEを「プロジェクトの成功可否を決める集大成」とし、大きな節目として位置付けています。
| 年 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2022年 | 自己管理型ウォレット「Backpack Wallet」をローンチ。 |
| 2023年 | 「Mad Lads NFT collection」および取引所「Backpack Exchange」を開始。 |
| 2024年 | VCから1,700万ドルを調達、企業評価額は1億2,000万ドルに到達。 |
| 2025年 | FTX EU(FTX Europe)の買収(約3270万ドル)を通じた欧州での事業拡大、Superstateとの提携による米国株式のオンチェーン化。 |
| 2026年 | 独自トークン「BP」を発行。 |
Backpackの特徴は、ウォレット・取引所・アプリ実行環境という3つの機能を1つのプラットフォームに統合している点にあります。一般的に分離されているこれらのサービスをシームレスに接続することで、ユーザー体験の向上を図っています。具体的な特徴については、次の章で詳しく解説します。
Backpackの強み
ここではTGEとサービス、二つの観点からBackpackの優位性を説明します。
強み①:株式と関連付けられる仕組み(Equity Conversion)
Backpackが2026年3月に発行したBPトークンには、業界でも例の少ない「同社株式と関連付けられる権利」が公式に言及されています。
権利を得る条件は、BPトークンを1年以上ステーキングすることです。公式が示す枠組みとして、会社株式の一部(最大20%相当)に関連するプールからの分配が言及されていますが、交換比率などの詳細は別途発表されるとされています。
また、将来的にBackpackがIPO(新規株式公開)を実施した場合、長期ステーキングユーザーへの優先的な株式関連の権利付与についても構想として言及されています。ただし、IPOの実施時期・具体的な条件・割当方法はいずれも現時点では未定です。
強み②:ウォレット内でアプリを実行できる
Backpack Walletには「ウォレットに留まったままDAppsを利用できる」という特徴があります。
Backpack Walletが登場するまで、ウォレットとその他DAppsは明確に分離されるケースが一般的でした。 そのため、アプリを実行するには外部URLにアクセスし、ログイン後にウォレットを接続するという手順を踏む必要がありました。
一方Backpack Walletでは、各DAppsがスマホアプリのように並んで表示されます。
ユーザーはそれらをタップするだけで、ウォレットを離れることなく直感的にアプリを実行可能。都度外部URLを開く手間がなく、優れたユーザー体験を実現しています。
仕組みとしては、DAppsのコードをxNFTという特別なNFTに紐づけ、Sandbox(安全な隔離空間)の中で動かすことで、ウォレットから出ずにアプリを使えるようにしています。
実行環境を閉じることで、悪質なコードがデバイス上のデータに影響を与えるリスクを抑制。また、誤ったサイトに接続してしまう可能性を低減しています。
日本市場への展開

出典:JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)
国内では、2023年にBackpackの日本法人「Trek Labs Japan株式会社」を設立。 まずは取引所(Backpack Exchange)からのサービス展開が予定されています。
2024年にはJVCEA(日本暗号資産等取引業協会)に第二種会員(暗号資産関連事業の法的登録を申請中、または申請を予定している事業者を対象とする会員資格のこと)として入会したことを発表しました。JVCEAの第二種会員となったことは、日本での暗号資産取引所開設に向けた準備の一環と考えられます。
公式ページでも日本市場への進出に積極的な姿勢を示しており、今後モバイルアプリやウェブサイトを通じた国内サービス展開が本格化していくと予想されます。
BPトークンとは
ここでは、2026年3月のTGEで発行された「BPトークン」について、概要や用途を説明します。
仮想通貨BPの主要データ

出典:BackPack公式サイト
- 名称(ティッカー):Backpack トークン(BP)
- 現在価格:約23.01円
- 時価総額:約57億円(市場484位)
- 過去最高値:約52.23円(2026年3月)
- 循環供給量:約2.5億BP
- 総供給量:約10億BP *2026年4月30日時点、データ元:CoinMarketCap。価格・時価総額は変動するため、最新情報は各データサイトでご確認ください。
概要

出典:バックパック
BPトークンはBackpackのネイティブトークンであり、規格としてはSPLトークン(Solanaブロックチェーンにおける標準規格)に該当します。
最終的な総発行数は10億枚になる予定で、今回のTGEではそのうち25%がユーザーに配布されました。 残りの75%は、Backpackプロジェクトのマイルストーン達成状況に応じて段階的にアンロック等されるといいます。
※2026年4月時点で、BPトークンは日本国内の暗号資産交換業者では取り扱われていません。国内の規制上、未承認の暗号資産の購入・取引にはリスクが伴うため、利用には十分な注意が必要です。
役割とユースケース
BPトークンは、保有期間およびステーキング状態に応じた報酬を与える仕組みを通じて、ユーザーに対してプロジェクトを長期的に訴求する役割を持ちます。
具体的な報酬の内容として、現時点では以下が発表されています。
| ユースケース | 内容 |
|---|---|
| 取引手数料の削減 | BPトークンのステーキング状況に応じて手数料を優遇。 最大でメイカー手数料は0%、テイカー手数料は0.018%(パーペチュアル取引)まで引き下げ可能。 |
| 送金手数料の割引 | 50万ドル/30日間以下の入出金なら、手数料が無料になる場合も。 |
| 株式との交換 | Backpack株式と関連付けられる権利の付与が言及されている。最低1年間のステーキングが必要。 |
また、将来的には以下の特典も追加される予定です。
| ユースケース | 内容 |
|---|---|
| USDによる利回り獲得 | USD担保に対し、最大3%の追加利回りを獲得できる。 |
| Backpackカード | カードを先行入手可能。 |
| IPO前の株式優先割当 | 公開市場取引開始前の優先的な株式関連の権利付与が構想として言及されている。BPトークンは保有したままでよい。 |
| 予測市場での手数料削減 | ステーキングを条件に予測市場の手数料を削減可能。 |
| ウォレット特典 | セルフカストディ体験を高めるウォレット限定の特典あり。 |
注意:これらは今後段階的に提供予定の特典です。予測市場・IPO前の株式割当など、一部の機能は日本国内の規制対象となる可能性があります。
TGE(Token Generation Event)の概要
2026年3月に実施されたTGEの概要は以下の通りとなっています。
| 総発行数 | 1,000,000,000 トークン |
| TGEでの総発行枚数 | 250,000,000 トークン (25%) |
| ポイント保有者への割当数 | 240,000,000 トークン (24%) |
| Mad Ladsホルダーへの割当数 | 10,000,000トークン(1%) |
TGE時点では、配布対象が「ポイント保有者(24%)」と「Mad Lads NFTホルダー(1%)」に限定され、創業者・従業員・投資家への配分は実施されませんでした。これによりTGE直後の価格安定化が図られた形です。
リスク・注意点
暗号資産ユーザーにとってBackpackは魅力的な選択肢です。 しかし、現段階では日本国内で制限されている機能もあるため、使用には注意が必要です。
秘密鍵の管理
Backpackウォレットは自己管理型、つまり「秘密鍵をユーザー自身で管理しなければならない」ウォレットです。
第三者に依存することなく自己資産を管理できる一方、秘密鍵やリカバリーフレーズを紛失・漏洩してしまった場合、アカウントの復活が困難になる場合があります。
日本国内での制限
日本国内においては、Backpackが提供するサービス全てが承認されているわけではありません。
SNSの情報や、物理的にアクセスできるかどうかではなく、「国内の法や規制を満たしているかどうか」で判断するようにしてください。
取引所:未承認❌
日本国内で暗号資産交換業(取引所の運営や暗号資産の売買等)を営むには、金融庁から「暗号資産交換業者」の登録を受けなければなりません。
Backpackは現時点で登録には至っておらず、国内でBackpack Exchangeは承認されていません。最新の登録状況は金融庁公式サイトでご確認ください。
レンディング(貸借):注意事項あり⚠️
2025年末時点で、Backpackは日本居住者に対してレンディング(貸借)機能の提供が確認されています。レンディングは取引所と異なり、暗号資産交換業者の登録が不要の事業です。なお、提供状況は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
しかし、レンディングは現時点では規制対象外であるものの、規制強化に関する議論は年々高まっています。 今後、金商法などが新たに適用される可能性がある点には注意が必要です。
規制整備が万全でない状態で機能を利用すると、サービスが抱えるリスクに気付けなかったり、問題が起きても法的保護を受けられない可能性があります。
関連:レンディングとは?メリット・デメリットやおすすめ取引所を徹底解説
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